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2015年8月19日 (水)

いつも噴火しているのに、さらに噴火するとは

桜島(3)

15日に1023回の火山性地震があったことなどにより、気象庁は桜島の噴火警戒レベルを3(入山規制)から4(避難準備)に引き上げましたが、火山性地震の回数は16日に71回、17日は午後8時までに15回と急減しています。
傾斜計や伸縮計を用いた山体膨張の計測値も、15日には急激な山体膨張が観測されましたが、17日にはほぼ止まっています。
赤外線を用いた山腹の温度の計測値も、特に上昇している領域はありません。
15日に観測された火山性地震と山体膨張は、火口近くのマグマだまりに大量のマグマが流れ込んでいることのしるしですが、大きな変動が急停止したことをどう解釈するか、が悩ましいところです。
噴火や地震のエネルギーを火山内部に溜め込んでいる段階であるとすれば、規模の大きな噴火を警戒しなければなりません。
逆に、マグマの圧力がより深いところへ抜けたための急停止であれば、ひと安心です。
真実がどちらであるのかはわかりませんので、リスク管理としては、悪い結果のほうを想定しなければなりません。
地下のマグマだまりに蓄積されているるマグマ量は1914年の大噴火で放出された量の9割程度が戻ってきているのだそうですので、1914年の大噴火規模の噴火を警戒し、対策を練っておくことが必要でしょう。    

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桜島(2)

1916年の大噴火終息の後も中小規模の噴火が繰り返されています。
1935年、1939年には新噴火口が形成され、1946年と1955年には大量の火山灰を噴出する噴火が起き、死者が出ています。
1967年には火砕流を伴う噴火活動が、1972年には噴石で山火事を招いた爆発噴火が発生しました。
以降も年間数十回から数百回程度の爆発を繰り返し、日常的に降灰が続いています。
1974年、1976年、1979年の噴火では火砕流が発生しています。
1985年には年間474回の爆発が観測され、1986年には桜島古里地区のホテルに直径2メートル、重量5トンの噴石が落下して宿泊客と従業員が負傷しています。
その後、爆発回数は年間数十回程度に減少しましたが、2006年の小規模噴火以降は増加へ転じています。
鹿児島地方気象台による近年の桜島の噴火回数は次の通りです。
2005   17(回)
2006   51
2007   42
2008   80
2009  755
2010 1026
2011 1355
2012 1107
2013 1097
2014  656
2015 1152 (8月10日まで)
2015年は観測史上最多ペースですが、月別推移は次の通りです。
1月    113
2月    154
3月    272
4月    241
5月    244
6月    103
7月     21
8月      4
噴火頻度を見る限り、先月から噴火リスクは低くなっているようにも思えますが、噴火リスクを測る指標は噴火頻度だけではありません。

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桜島(1)

764~766年の海底噴火で生まれた島が桜島なのだそうです。
1468年から1476年にかけて大小の噴火を繰り返し、多数の死者が出ています。
1779年にも大噴火があり、江戸でも降灰があったそうです。
続く1780~1781年には海底噴火も発生し新島が生れました。
この新島には1800年から人が住んでいます。
1914年にも大噴火がありました。
この時、32億トンの噴出物があり、桜島と大隅半島とが陸続きになっています。
噴煙は上空1万メートル以上に達し、火山灰は東北地方でも観測されています。
この噴火活動は1916年に終息しています。
噴火の前兆現象が頻発し始めた頃、桜島には異変がなく避難の必要はないとの測候所見解があったため、噴火開始直後に海岸に避難しようとする住民が殺到し、大混乱となっています。
海面に浮かんだ軽石の層により船による避難は困難となり、混乱によって海岸から転落する者や、泳いで対岸に渡ろうとして溺死する者が相次いだのだそうです。
桜島爆発記念碑には「住民は理論を信頼せず、異変を見つけたら、未然に避難の用意をすることが肝要である」との記述があり、「科学不信の碑」とも呼ばれています。
しかし桜島対岸の鹿児島市内では、津波襲来や毒ガス発生の流言が広がり、駅は市外へ避難しようとする人々で騒然となったとのことです。
科学を信用しても、しなくても混乱が起きます。
(保健医療経営大学前学長橋爪章ぶろぐてんさい)

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