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2015年6月17日 (水)

病床数を減らすとどうなるか

病床機能分化と病床削減

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本日の「医療・医学の現代的課題」では、先週の続きとして、病床の機能分化と病床削減の動向を講義しましたが、午後、首相官邸で開かれた医療費適正化に関する専門調査会のニュースが配信され、講義したこと(病床削減の圧力)が現実味を増してきました。

医療費の高騰が社会保障システムを崩壊させる。

医療費の主たる構成要素は入院医療費である。

入院患者数は病床数に相関する。

(病床数が少ない地域でも医療体制が維持できているので、病床数が多い地域では入院医療が必要でない患者が入院していたり、慢性期の患者が急性期の病床に入院していたりする)

過剰病床を削減すれば、入院医療費が節減できる。

医療費の高騰を抑制できる。

という論理です。
専門調査会では、全国の病床数を、10年後には16~20万床減らす目標を打ち出しています。
手厚い医療を必要としていない30~34万人を在宅医療に切り替えることで目標達成を目指すべきとのことです。
福岡県では1万4000床の削減目標です。
昨年改正された医療法でも、都道府県知事には、現に稼働している病床を削減できるほどの権限はありませんが、診療報酬や補助金で政策誘導してゆくようです。
病床機能別では、高度急性期病床と急性期病床を3割減、回復期病床を3倍増、慢性期病床を2割減という目標が示されています。
7対1入院基本料と10対1入院基本料の病棟の3割を13対1入院基本料の病棟に置き換え、15対1入院基本料以下の病棟の2割は閉鎖する、と言い換えたほうがわかりやすいかもしれません。
これらの病棟転換は現在の就業看護師数(平成24年102万人)の配置換えで可能でしょう。

しかし、就業看護師数は毎年3万人以上増え続けており、新設看護学部等の卒業生が増加を加速します。
2025年までの累計で現在より40万人も多い看護師が新規参入する計算ですので、この40万人の増分については訪問看護の主力として振り向けなければ看護師過剰となってしまいます。
ところで、病床数を20万床削減したら医療費を抑制できる、という論理には無理があります
病床数が多かろうと少なかろうと、患者数が一定であれば、人件費以外の患者への投入コスト(薬剤費、検査費、処置費等)には大きな変化はありません。
入院患者であれ在宅患者であれ、患者には必要な検査と処置が施され、薬剤が処方されるという診断・治療プロセスは共通です。
また、病床数が多かろうと少なかろうと、必要な高額医療機器の導入・維持コストに変化はありません。
病床数によって変化があるのは、病院医療費の半分を占める人件費のコストの部分ということになりますが、医療従事者養成機関の卒業生の新規参入が続き、彼らの就職先が医療機関である以上、医療従事者数は毎年3%増の勢いで増え続け、病床数が多かろうと少なかろうと、人件費コストは増大します。
人件費コストを抑制する方法は、医療従事者養成機関の定数を毎年3%以上削減するか、養成機関の卒業生の大半を医療機関へ新規参入させないか、医療従事者の給与を毎年3%以上下げてゆくかしかありません。
いずれも、非常に困難な方法です。
専門調査会は、2025年の都道府県別の病床増減率を次のように示しており、九州各県は厳しい対応を迫られます。
医療従事者養成機関が多く、医療従事者が続々と新規参入している九州各県においては、政府の目論見通りに病棟を次々と閉鎖して現職職員を退職に追い込み、新規採用の余地をなくし、溢れた医療従事者には首都圏へ移住してもらう、というシナリオが、医療費削減を可能とする具体策となりそうですが、就業者人口の5%を占める医療従事者が首都圏へ流出するような事態となれば、地域経済は確実に落ち込んでしまいます。
九州の医療従事者の首都圏移住より、首都圏の高齢者の九州移住による病床数に見合った医療需要の創出のほうが、地域経済にとっては意義があります。
病床数を減らして医療費を削減、などといった短絡的な思考に陥らず、地域経済の構成要素としての病床や医療従事者という視点で、地域医療構想を作り上げることが重要です。

2013年比2025年病床増減率(目標)
15% 神奈川
11% 大阪
7% 埼玉
6% 千葉
5% 東京、
沖縄
-1% 京都
-2% 愛知
-7% 兵庫
-8% 奈良
-11% 宮城
-12% 北海道、滋賀、
福岡 (全国平均)
-15% 栃木
-16% 群馬
-18% 長野、広島
-19% 茨城、岐阜
-20% 鳥取
-21% 新潟、三重
-22% 静岡
-23% 山形、岡山、
大分
-25% 石川、山梨
-26% 福井
-27% 和歌山、香川、
長崎
-28% 青森、秋田、福島
-29% 岩手
-30% 島根、愛媛
-31% 高知
-32% 徳島
-33% 富山、山口、
佐賀、熊本、宮崎
-35% 鹿児島

(保健医療経営大学 学長ブログ転載)

▽かささぎ日誌

学長と同じく現役のお医者様でいらっしゃる、ジャンヌダルクさんこと、香川宜子先生からのお便りに書き添えられていたことで、まったく同感の部分をご紹介いたします。先生おゆるしねがいますよ。

Message body

よしこ先生
おはようございます。
はちがつ、宝塚にいけず、ごめんなさい。
それぞれ、としよりをかかえている年代、もうしわけないです。
ナガサキ忌の俳句、もしなにかうかびましたら、
おねがいいたします。
(ネットでだしてもらったら、わたしが書いて出します。)
ふたつひとくみ。千円。
では、しめきりは今日よるまで。
     ひめの
むちゃくちゃいうて、すんません。しめきり、きょうやん。
body
かささぎさん、こんにちわ。
お元気そうで何よりです。
宝塚は遠いのでいいですよ。
ほんとうに、それ。私も死にそうな母親を抱えて、行けるか
不安ですが、行かなくちゃ仕方がなくて、まあ神様がその日前後は
どうにかしてくれるだろうと思っています((笑)
 
子育てを終えて、親を見送って、やっと自分の時間が持てた時は、
自分も調子がわるくなり遊びに行けない・・・みたいな感じですかね・・
でも、母は介護施設を極端に嫌がり、私の病院に入るのも嫌がり、
父が家庭介護をしていますが、おかげで、政府の方針、はやくお亡くなりに
なってもらっていらない終末医療にお金を使うべからずの優等生です。
うちの場合は覚悟を決めていますが、一般家庭は老衰をやはり病院に
連れてこようとするので、困ります。勤務病院は回復する人のリハビリ病院ですから。
最後は本当に往診してもらって時々点滴をしてもらって見送るのでいいと思います。
というのは、誰か一人介護人がいる場合でお嫁さんもみんな働きに行って、誰も
家にいないところに介護士やナース等が入って来るのは、家を空けておかなくてはならなくて
物騒でなりませんから、基本的に無理だと思いますが、政府はそれをさせようとする
 
女性には、働けと言い、子供を産めと言い、家庭介護をしろということだから、無理ですよね。
 
長崎俳句のことは、さすがに時間がなくまた、作り慣れてないのですみません。
誰かフェイスブックを見ていてくださっている人いらっしゃいますか?
そうしたら情報がすぐにわかります。
公式ホームページのほうの「お知らせブログ」のところにも載っています。
今後ともよろしくお願いいたします。香川
 
▽かがわよしこ先生の名作「アヴェマリアのヴァイオリン」
http://www.kadokawa.co.jp/product/201112000154/
▽宣伝動画;http://www.jannu.jp/books/
▽八月末舞台

http://www.t-clip.info/event/event_detail.cfm?id=2764

上記劇団ホームページです。

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