無料ブログはココログ

« サイモン・シン、エツァート・エルンスト著 『代替医療解剖』のご紹介 | トップページ | おすみさんの連休便り »

2015年5月13日 (水)

医療の歩み

医療の歩み

Share on Facebook


本日の「医学・医療の現代的課題」では、医療の歩みと医療観の変遷について講義します。
現代的課題を理解するためには過去をレビューする必要があるためです。
古代では、病気よりも死や死後への関心が強かったようです。
エジプトでは、王の死後の生活の場としてピラミッドが造られています。
死後の霊魂の居場所としてのミイラの保存技術も発達しています。
中国でも兵馬俑のような皇帝の死後を護る場が造られています。
日本の古代古墳も権力者の死後のために造られています。
もちろん、傷病は、古代より人々を悩ませていたはずですが、古代文明は傷病に対してはあまりにも無力で、治癒を祈るしか術がありませんでした。
呪術的医療観の時代で、傷病に対処する職業としては祈祷師が跋扈していました。
やがて、宗教的儀式が傷病治療の成功経験とともに体系化され、中国伝統医学(中医学)やインド伝承医学(アーユルヴェーダ)が発展します。
経験則的医療観の時代で、伝統医学の専門職種集団が形成されてゆきました。
しかし、経験則は、偶然の経験を過大に取り上げることも多く、多くは、なぜ効能効果があるのかの説明ができません。
やがて、効能効果の説明を求めるニーズに対応し、西洋医学が発展してきます。
ギリシャ医学は、病因についての仮説を立て、病因を除去するための理論を生み出してゆきました。
思弁的医療観の時代で、インテリの医師集団が生まれ、医師集団の中からヒポクラテスのような指導者が出てきます。
しかし、思弁的医療観は、病因仮説が正しいかどうかの検証まではなされず、権威者が立てた誤った仮説が後世まで影響を与えたりしました。
ヒポクラテスらが唱えた4体液説(血液、粘液、黄胆汁、黒胆汁の調和の乱れが病気の原因であるという仮説)は、数世紀後に「瀉血」という誤った医療を普及させることになり、この医療によってジョージ・ワシントンはじめ多くの命が奪われることになります。
ルネサンス期以降、数々の生物学的発見(人体解剖、細胞の発見、病原菌の発見など)が病因仮説をより現実的なものへと近づけてゆきましたが、仮説から導き出された医療が正しいものであるかどうかの検証がなされるようになったのは、ナイチンゲール以降のことです。
自然科学的医療観の時代となるわけですが、この時代になってはじめて、正確な診断法や疾患に特効的な治療薬が開発され、麻酔法の発展に支えられて外科的手技が次々に開発されてゆきます。
自然科学的医療観の台頭によってはじめて、人類は傷病に対して無力ではない時代となったわけですが、現実は、自然科学的医療観のみでなく、呪術的医療観も経験則的医療観も思弁的医療観も人々や医師の間に根強く残っており、科学的根拠が全く希薄な民間療法や医師の独りよがりによる独善的治療がまかり通っているようです。
怪しげな器械や水晶や掌から宇宙的エネルギーが出て、それが体内深部の病巣やツボに働きかけて病気を治すなどといった荒唐無稽な民間療法がありますが、現代にあってこういう民間療法の存在を許していることが、医学・医療の現代的課題です。

(保健医療経営大学 学長ブログ転載)

▽かささぎ日誌

参照(ウィキ)

ヒポクラテス(ヒッポクラテス、古代ギリシア語: Ἱπποκράτης英語: Hippocrates , 紀元前460年ごろ - 紀元前370年ごろ)は古代ギリシア医者
医師の倫理性と客観性について『誓い』と題した文章が全集に収められ、現在でも『ヒポクラテスの誓い』として受け継がれている。 ”人生は短く、術のみちは長い "ということばが有名。(じゅつのみち、ってさ。あんまりいい翻訳じゃないよね。術とみちが重複してない?かささぎあたまにゃ、さっぱりいみがわからん。)

ジョージ・ワシントン英語: George Washingtonグレゴリオ暦1732年2月22日 - 1799年12月14日ユリウス暦1731年2月11日生まれ 67歳没))は、アメリカ合衆国軍人政治家黒人奴隷農場主であり、同国の初代大統領である。死去した現在もアメリカ合衆国陸軍大元帥の階級にいる。

妻であるマーサ・ワシントンは貞淑で公式の儀式をきちんと行って先例を開いたため、初代ファーストレディと見られている。

(ふぁーすとれでぃ、って、そういう意味があったのか。)

ところで。さいごの一節、

>怪しげな器械や水晶や掌から宇宙的エネルギーが出て、それが体内深部の病巣やツボに働きかけて病気を治すなどといった荒唐無稽な民間療法がありますが、現代にあってこういう民間療法の存在を許していることが、医学・医療の現代的課題です。

これはよくぞかかれた。というひとと、その逆がいるだろう。

ちなみに、かささぎはなんでもやってしまうタイプだからなあ。(かんぬしさんよんで、ごきとうまでやったな。むすめがふとうこうになったとき。)

だってさ。ぐらぐらしない、たしかなものは、このよにないもの。

とにかく、五月11日、なにもなくてよかったです。

とおもっていたら、けさ(5・13)ぐらぐらっと東北がゆれた。

« サイモン・シン、エツァート・エルンスト著 『代替医療解剖』のご紹介 | トップページ | おすみさんの連休便り »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 医療の歩み:

« サイモン・シン、エツァート・エルンスト著 『代替医療解剖』のご紹介 | トップページ | おすみさんの連休便り »

最近のトラックバック

2020年1月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31