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2015年3月11日 (水)

医療保険制度改革(1)(2)患者申出療養を創設

医療保険制度改革(1)

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本日(9日)、社会保障制度審議会医療保険部会が開催されました。
この会議に先立ち、先月(2月12日)、「国民健康保険制度の基盤強化に関する国と地方の協議(国保基盤強化協議会)」が開催されており、国民健康保険の見直しについての議論をとりまとめたものが資料として提出されています。
それによると、厚生労働省の政策方針は次の通りです。
1.公費拡充等による財政基盤の強化
○毎年約3,400億円の財政支援の拡充等により財政基盤を強化。
⇒これに伴い、被保険者の保険料負担の軽減やその伸びの抑制が可能。
Ⅰ.平成27年度から低所得者対策として、保険者支援制度を拡充(約1,700億円)
Ⅱ.平成29年度以降は、更なる国費毎年約1,700億円を投入
①国の財政調整機能の強化―自治体の責めによらない要因(精神疾患、子どもの被保険者数、非自発的失業者等)に対する財政支援の強化
②医療費の適正化に向けた取組等(後発医薬品使用割合、保険料収納率等)、努力を行う自治体に支援を行う「保険者努力支援制度」の創設
③財政リスクの分散・軽減のため、財政安定化基金を創設
④著しく高額な医療費に対する医療費共同事業への財政支援の拡充
○あわせて、医療費の適正化に向けた取組、保険料の収納対策等を一層推進し、財政基盤を強化。
2.運営の在り方の見直し(保険者機能の強化)
○平成30年度から、都道府県が、当該都道府県内の市町村とともに国保の運営を担う。
○都道府県が国保の財政運営の責任主体となり、安定的な財政運営や効率的な事業の確保等の国保運営について中心的な役割を担うこととし、制度の安定化を図る。
・都道府県内の統一的な国保の運営方針の策定
・国保運営協議会の設置
・医療給付費等の見込みを立て、市町村ごとの分賦金(仮称)の額を決定(市町村ごとの医療費水準、所得水準を考慮することが基本)
・市町村が参考とするための標準保険料率等を算定・公表
・保険給付に要した費用を市町村に支払い
・市町村が行った保険給付の点検
・不正請求事案における不正利得回収等、市町村の事務負担の軽減等
※国の普通調整交付金については、都道府県間の所得水準を調整する役割を担うよう適切に見直す
○市町村は、地域住民と身近な関係の中、被保険者の実情を把握した上で、地域におけるきめ細かい事業を行う。
・保険料の賦課・徴収(標準保険料率等を参考)
・分賦金(仮称)を都道府県に納付
・個々の事情に応じた資格管理・保険給付の決定
・保健事業(レセプト・健診情報を活用したデータ分析に基づくデータヘルス事業等)
・地域包括ケアシステム構築のための医療介護連携等
3.改革により期待される効果
○小規模な保険者の多い従来の国保について、その運営の安定化を図り、全国の自治体において、今後も国保のサービスを確保し、国民皆保険を堅持。
① 地域医療構想を含む医療計画の策定者である都道府県が国保の財政運営にも責任を有する仕組み。
⇒これまで以上に良質な医療の効率的な提供に資する。
同一都道府県内に転居した場合、高額療養費の多数回該当に係る該当回数を引継ぎ。
② 財政安定化基金も活用しつつ、一般会計繰入の必要性を解消。
⇒保険給付費の確実な支払いを確保。
③ 標準システムの活用や統一的な国保の運営方針等により、市町村の事務遂行の効率化・コスト削減、標準化。
⇒事務の共同処理や広域化が図られやすくなる。
4.今後、更に検討を進めるべき事項
○厚生労働省は、上記1.~3.を踏まえた新たな制度の円滑な実施・運営に向け、制度や運用の詳細について、引き続き地方と十分協議しながら検討し、順次、具体化を図る。
○ また、高齢化の進展等に伴い今後も医療費の伸びが見込まれる中、国保制度を所管する厚生労働省は、持続可能な国保制度の堅持に最終的な責任を有している。国民皆保険を支える国保の安定化を図ることはきわめて重要な課題であり、その在り方については、不断の検証を行うことが重要である。その際には、地方からの提案についても、現行制度の趣旨や国保財政に与える影響等を考慮しながら、引き続き議論していく。
○今回の改革後においても、医療費の伸びの要因や適正化に向けた取組の状況等を検証しつつ、更なる取組を一層推進するとともに、医療保険制度間の公平に留意しつつ、国保制度の安定的な運営が持続するよう、都道府県と市町村との役割分担の在り方も含め、国保制度全般について必要な検討を進め、当該検討結果に基づき、所要の措置を講じる。
⇒今後も、厚生労働省と地方との間で、国保基盤強化協議会等において真摯に議論を行う。

医療保険制度改革(2)

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医療保険制度改革のため、3月3日、通常国会へ「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案」が提出されました。
その概要は次の通りです。
1.国民健康保険の安定化(施行日は平成30年4月1日)
○国保への財政支援の拡充により、財政基盤を強化
○平成30年度から、都道府県が財政運営の責任主体となり、安定的な財政運営や効率的な事業の確保等の国保運営に中心的な役割を担い、制度を安定化
2.後期高齢者支援金の全面総報酬割の導入(施行日は平成27年4月1日及び平成29年4月1日)
○被用者保険者の後期高齢者支援金について、段階的に全面総報酬割を実施
(現行:1/3総報酬割→27年度:1/2総報酬割→28年度:2/3総報酬割→29年度:全面総報酬割)
3.負担の公平化等(施行日は平成28年4月1日)
①入院時の食事代について、在宅療養との公平等の観点から、調理費が含まれるよう段階的に引上げ(低所得者、難病・小児慢性特定疾病患者の負担は引き上げない)
②特定機能病院等は、医療機関の機能分担のため、必要に応じて患者に病状に応じた適切な医療機関を紹介する等の措置を講ずることとする(紹介状なしの大病院受診時の定額負担の導入)
③健康保険の保険料の算定の基礎となる標準報酬月額の上限額を引き上げ(121万円から139万円に)
4.その他
①協会けんぽの国庫補助率を「当分の間16.4%」と定めるとともに、法定準備金を超える準備金に係る国庫補助額の特例的な減額措置を講ずる(施行日は平成27年4月1日)
②被保険者の所得水準の高い国保組合の国庫補助について、所得水準に応じた補助率に見直し(被保険者の所得水準の低い組合に影響が生じないよう、調整補助金を増額)(施行日は平成28年4月1日)
③医療費適正化計画の見直し、予防・健康づくりの促進(施行日は平成28年4月1日)
・都道府県が地域医療構想と整合的な目標(医療費の水準、医療の効率的な提供の推進)を計画の中に設定
・保険者が行う保健事業に、予防・健康づくりに関する被保険者の自助努力への支援を追加
患者申出療養を創設(患者からの申出を起点とする新たな保険外併用療養の仕組み)(施行日は平成28年4月1日)

(保健医療経営大学 学長ブログ転載)

▽かささぎのことば抄

患者申出療養

しらべていましたら、以下の記事にであいました。
去年の記事みたいです。

申し訳ございませんが全文拝借いたします。
患者申し出療養って、混合診療のことだったの!
おしえてくださってありがとう。

Q&A 「患者申出療養」って?

~混合診療のなし崩し的解禁の危険性~

まとめ・編集部/監修・南條 芳久

南條芳久氏
【南條芳久氏 略歴】
          福島県出身、日大松戸歯科卒、大田歯科所長、立川相互歯科所長、全日本民医連歯科委員長を歴任、現在代々木歯科所長

 保険診療と保険外の自由診療を併用する「混合診療」の拡大を検討していた政府の規制改革会議は、今年6月、「患者申出療養(仮称)」の新設を盛り込んだ答申をまとめました。3月には「選択療養制度(仮称)」を提案していたのに、今度は「患者申出療養」? 名称を変えて、中身も変わったのでしょうか? 政府のねらいはどこにあるのでしょうか?

 都内の大学2年生の由美子さんと一緒に考えました。答えてくださる方は、1984年の健康保険の1割負担が開始され同時に特定療養費制度が開始された時から、この問題に造詣の深い南條歯科医師です。

日本の医療制度は?  

【Q(由美子)】 以前、テレビでアメリカの医療ドキュメンタリーを見ていて、とても驚いたことがあります。医療費が高くて医療機関に行くことができず、ある男性は「ちょっとした怪我なら自分で処置するんだよ」と言って、実際に脚の傷を自分で縫っていたんです。日本では健康保険証を持っていけば、どの病院、診療所に行っても同じ金額で同じ医療が受けられますよね。どこが違うのでしょうか?

【A(南條)】 日本には「国民皆保険制度」があり、保険診療といって健康保険で行う診療の範囲や価格を国で決めているため、安心して医療を受けることができるのです。1950年代には、農民や漁師、自営業者、零細企業で働く人たちなど、国民の約3分の1にあたる3,000万人が無保険者で、大きな社会問題になっていました。これを解決するため、1961年、国民皆保険制度が誕生しました。

【Q】 ということは、50年以上の歴史があるんですね! あまりにも当たり前にあるので、あまり意識してなかったです。

【A】 近年は、国民の保険料負担が大きくなっており、また受診時の自己負担が増えるなどの問題はありますが、健康や命という一番大切なものが制度で保障されている、それが当たり前になっているというのはいいことです。

 一方、アメリカでは、これまでは自由診療が基本で、公的な健康保険または民間の保険会社が提供する健康保険に個人の意思で加入する(契約を結ぶ)というものでした。そのため未加入者が多く、患者さんの支払う医療費が高く、アメリカの自己破産の原因の6割は医療費が原因といわれています。これを改革するために2010年に医療保険制度改革法(オバマケア)が成立し、2014年から実施となりました。しかし、現在も共和党などの根強い反対があり、制度の実効性が揺れています。

 日本の国民皆保険制度はアメリカと比較すると優れていることは理解してもらえたと思いますが、この制度が今、崩壊の危機にあるのです。

【Q】 えっ、どうしてですか?

【A】 これから説明しますね。

「混合診療」って?

【A】 「混合診療」という言葉を聞いたことがありますか?

【Q】 知りません。

【A】 混合診療というのは、保険診療と保険外の自由診療を同時に行うことをいい、日本では現在、原則禁止で、両方の診療を同時に行ってはいけないというルールになっています。ですから、保険診療に自由診療を組み合わせると、本来なら保険が使える部分も含めて、全額自己負担になります。

 なぜ原則禁止にしているかというと、混合診療を無制限に認めると、お金のある人とない人との間で受けられる医療に差が出てくる危険性があるからです。国民の医療費負担が増えることにもなります。また、安全性、有効性が確認されていない医療が広がる危険性もあります。

 ところが、1996年には経済界や産業界の出身者を中心に内閣に設置された「規制改革会議」で、混合診療の全面解禁を強く求める意見が出されるようになりました。この要望に応え、患者の選択肢を増やすという名目で2006年に始まったのが「保険外併用療養費制度」で、これによって混合診療が健康保険法で例外的に認められるようになったのです。

【Q】 あくまで例外なんですね?

【A】 そうです。現在、例外として認められている混合診療は2つあります。1つは「先進医療」や「医薬品、医療機械の治験」など高度で新しい治療で、これを「評価療養」と言います。なぜ評価かというと、将来的に保険診療の範囲に組み込むかどうか評価するものだからです。もう1つは「選定療養」と言われるもので、差額ベッド代や予約診療など将来的にも保険診療にしないとしているものです。

 今、この例外で認められている混合診療を拡大する危険な動きが大きくなっています。

「混合診療」の解禁?  

予算合宿の分散会の一コマ
予算合宿の分散会の一コマ

【Q】 うちの78歳の祖父のことですが、じつは胃がんと診断され、幸い早期だったので内視鏡手術を受けました。がん治療というとお金がかかると思っていましたが、「保険診療の範囲だったから、お金はそんなにかからなかったよ」と喜んでいました。祖父ぐらいの年になると、医療費が心配と言います。それで祖父は、新聞に医療の記事が載ると、隅から隅まで読んでいて、先日、「患者の申出療養の創設」という欄を見つけ、「おい由美子、治療の選択肢が増えると書いてあるが、これはどういう制度だ?」と聞くんです。「私にわかるわけないじゃん」とごまかしたんですが、祖父にきちんと説明してあげたいので、教えてください。

【A】 混合診療の拡大をもくろむ規制改革会議は、「患者申出療養(仮称)」の前に、3月に違う名前の制度を提案していたのです。「選択療養制度(仮称)」と言い、現在例外的に認められている評価療養や選定療養とは別に、個々の患者さんが希望すれば保険外診療と保険診療との併用を認めるというものです。

 選択療養にするかどうかは患者さんの「選択」によるとして、患者さんと医師間で診療契約書を作成し、それをもとに「極めて短時間に判断できる仕組みとする」と。一応「一定の手続き・ルールの枠内で」とはしているものの、患者さんと医療機関の間で契約が成立すれば、安全性、有効性の担保されない治療が保険診療と併用されることになります。これはまさしく、混合診療のなし崩し的解禁です。

【Q】 でも、患者さんの希望に基づくということは、患者さんが主体ということになりませんか?

【A】 規制改革会議の提言では、その目的を(1)治療に対する患者の主体的な選択権と医師の裁量権を尊重、(2)困難な病気と闘う患者が治療の選択肢を拡大できるようにする、と2点あげています。

 しかし考えてみてください、医療の専門家である医師と素人である患者さんとの間の、医療についての情報格差はとても大きいです。それが高度かつ先進的な医療となればなおさらで、結局、患者さんは医療側の言葉に誘導され、高額な費用負担を強いられる可能性もあります。費用はもちろん、医療事故が起きても、副作用が出ても、「自己責任ですよ」で終わりです。希望は自己責任と裏腹なんです。

 この「選択療養制度(仮称)」に対して、国内最大の患者団体である「日本難病・疾病団体協議会」(患者団体78団体、構成員総数約30万人)はすぐさま、反対声明を発表しました。そこにはこう書かれています。

 『藁にもすがりたい思いの患者にとって、対等なインフォームドコンセントがどの程度できるかは疑問です。また過去には医師が自由に投薬できることによって多くの難病患者の生命と健康に大きな被害が生じた経験を有しています。その時代への逆戻りは許されないと思います。

 私たちはあらためて、今回の選択療養制度(仮称)には反対の態度を表明し、政府が混合診療の原則禁止の方針を堅持し、誰もが安心して最新の治療を受けられるよう、必要な医療は保険でとの原則を堅持した国民皆保険制度のさらなる拡充を願うものです。」

【Q】 政府は「困難な病気と闘う患者さんの治療の選択肢を広げるため」と言っていますが、病気で苦しんでいる患者さんたちの願いは、混合診療の原則禁止の堅持、国民皆保険制度の維持・拡充、なんですね。

【A】 そうです。混合診療原則禁止を堅持した上で、高額療養費制度など現行の制度を改善し、患者さんの負担を軽減させることが先決です。

「患者申出療養」に衣替え?  

リハビリ風景
リハビリ風景

【A】 日本医師会はじめ医療関係者団体等40団体で構成される「国民医療推進協議会」も反対決議をあげました。また、規制改革会議から選択療養のチェック機関に指名された保険者3団体(健康保険組合連合会、国民健康保険中央会、全国健康保険協会)も連名で反対を表明しました。

 多方面からの反対に直面した規制改革会議は6月、「患者申出療養(仮称)」の新設を盛り込んだ答申をまとめました。新成長戦略の一つとして出されたもので、来年の通常国会で法改正し、2016年度からの実施を目指すとしています。

【Q】 名前が変わって、中身も変わったんですか?

【A】 「選択療養制度」の延長線上にあるといえます。本質は変わりませんから、単なる衣替え、ですね。

 その仕組みを簡単に説明すると、患者さんが未承認の新薬や医療機器による治療を望めば、医師は、全国に15ほどある臨床研究中核病院(東大病院など)と協力し、混合診療の申請ができるようにする。これが「前例のない治療」の場合は、中核病院の申請を受けた国が、専門家の意見を踏まえ、安全性、有効性を迅速(原則6週間。現行は平均6~7ヵ月)に審査。「前例のある治療」の場合は、中核病院が原則2週間で判断する。また、治療の実施は、基準を満たせば、中核病院と連携する地域の身近な医療機関、診療所などでもできるようにする、というものです。

 こうなると、国内で実績のない治療が臨床研究中核病院をフィルターにして、市中病院や診療所にも広がっていき、安全性や有効性が確認できない自由診療が横行する危険性が高くなります。これは混合診療の全面解禁そのものであり、国民皆保険制度を崩壊させるものです。

【Q】 審査のスピードを上げることも気になります。命に関わることだから、速ければいいってものでもないと思うんだけど…。

【A】 本当にそうです。審査期間の短縮によって、安全性、有効性の証明が形骸化し、想定外の薬害や医療事故が起きる危険性があります。また、現行の保険外併用療養制度で認められている「先進医療」は、将来の保険適用を評価する目的で行われていますが、今回の枠組みの中では、新しい治療技術や医薬品が保険給付の対象外として留め置かれる懸念もあります。そうなると、患者さんの経済力によって受けられる医療に格差が生まれます。

【Q】 大変な事態が起きているんですね! 他人事ではないので、友達とも話し合ってみます。

何が大事?

【Q】 素朴な疑問ですが、医療がなぜ「成長戦略」に入っているんですか?

【A】 新たな医療技術の導入によって新薬や医療機器の開発を促進し、日本経済の成長につなげるというのが名目です。また、公的な医療給付費を抑えたいというねらいもあります。保険外の医療が恒久化するような事態になれば、ますます医療格差が拡大し、経済的理由で新たな医療技術の恩恵を受けることのできない人々が増えるでしょう。野放図な混合診療の拡大をやめさせ、国民皆保険制度を維持、充実させて、すべての国民の命と健康が等しく守られるようにしていくことが大切です。

【Q】 医療分野がどんなふうに変えられようとしているのかが、よくわかりました。帰ったら、祖父に話してあげようと思います。また話に来てもいいですか?

【A】 いつでもおいでください。

【南條先生からひとこと】        

 今回の「患者申出医療」は経済の「成長戦略」として打ち出されたという特徴があります。現在の評価療養の費用の総額は約130億円前後にすぎません。保険外医療費も5,000億円くらいです。「成長戦略」の一つの目玉として位置づけるのであれば、新規技術の導入の規模や普及がかなり膨大な規模とならなければ、経済成長を牽引する役割ははたせません。したがって、この額を遙かにしのぐ医療費を想定していると考えらます。

 今回の患者申出医療が導入されれば、現在の保険外併用療養制度の見直しの契機となることは必須で、さらに、先進的な医療や薬の保険適応がなおざりにされることは、この間の混合診療拡大の経緯をみれば明らかです。

 差額ベッドなどの経験でもわかるように、医療機関が混合診療を導入すれば経営的に依存的になります。そして、政府は混合診療の拡大で医療機関の経営が改善すれば、次期の診療報酬をさらに抑制するという循環が生まれます。

 患者申出医療では保険の窓口負担だけでなく自費部分の負担があり、結果的に富裕層のための医療となります。そうした富裕層の治療をこの制度の恩恵にあずかれない中間層や低所得者の階層が医療保険料として負担するという仕組みともなります。

 また、中間層にも広めるという口実で民間保険の活用がされるようになるでしょう。

 歴史的にみても混合診療は保険制度の本来の姿をゆがめてきました。患者申出医療制度は従来の混合診療と違ったタイプの制度が追加されたということにとどまりません。結果的に現在の皆保険制度や出来高払いで給付範囲の広い保険診療の内容に著しい影響をあたえる制度改悪です。絶対に導入は許されません。

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