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2014年12月16日 (火)

かささぎの旗   23

かささぎの旗   23

 

           姫野恭子

 

「 1人の子ども、1人の教師、1冊の本、そ
 
れに1本のペン、これで世界を変えられます。
 
教育がただ一つの解決策です。教育を第一に。」

パキスタンの少女マララさんの国連演説です。

力強い英語での発言が印象的でしたが、ノー
 
ベル平和賞に輝きました。そこでの演説はー

「父が私の翼を切り落とさず、羽ばたかせて夢
を達成させてくれたことに感謝しています。
女の子は奴隷になることが当然ではなく、人
生を前に進める力があることを世界に示して
くれたことについてもです。女性はただの母
親、姉や妹、妻であるだけでなく主体性を持ち、
認められるべきです。女の子は男の子と同じ権
利を持つのです。」じつに堂々たるものでした。

 あたらしい時代を切り拓く足音がしてきます。

「私は、「詩人は預言者である」といふ蒼古たる
言葉を、あらためて想起する。中略~預言者とは、

現在の現象の上に立ちながら、単なる現象の法則
の未来への連関をまさぐるのではなくして、飽く
までも同時に「人類の永遠の願望」といふ必然性

の上に立脚してゐて、それが現象の上に招来すべき

意義と価値との絶対性を信じて疑わなかった人々の

意義である。(であればこそ、預言者の運命は、しば

しば破滅に瀕するの運命である、とつづく)。この

きっぱりとした言葉も、マララさんとおなじ出処の

ものに思える。誰の言葉かといえば、前回に引き続き

中村草田男の句集から拾ってきたものである。そう、

私はまだ飯島晴子のことばに縛られており、ほんとの

ところはどうだったのか、確かめたくて調べてみたのだ。

久留米図書館で読めたのは、『銀河依然』『中村草田男句
集』だった。前者の後書で草田男はこう書いているー。

第四句集『来し方行方』編集に当っては、草稿中の二百
句ほどが余りに戦時色濃厚であるため収録をはばかった。

今回それらのうち、採るべきは採らうと吟味、しかし

多くが外面的な形式と言葉の誇張および興奮に浮いて

採れなかった。当時雑誌・新聞からの注文は全て、戦局

をにらみあわせた非常に限定されたものであった。私は

それ以上に出たかったが、ジャーナリズムの需めに応じた

作品中においては、結局は自己を喪失したスローガン句に

堕してしまってゐたことをみじめにも思ひ知らされた。

だがここに補遺として収めた作品だけは、思想ではなくて、

人としての相互の愛情をー素材と表現外形はいかにあろうが

―現在でも尚私は自ら信用し尊重することができる。

・・・・と、このような言葉で率直に説明している。

「勇気こそ地の塩なれや梅眞白」がその中に入っている。

    ◆

 

 山本健吉はやはり当時もっとも優れたサニワだった。
中村草田男句集の解説で、人間草田男をよく説いている。

これを読めたからこそ、上記の草田男の言葉も安心して

受容できたのであるが。

  空は太初の青さ妻より林檎受く    草田男

さいごに、今年の原爆忌俳句をひとつご紹介したい。
長崎忌への投句ではなく、新聞の文芸欄の投句です。

作者の名前は忘れました。記憶です。

 ここにいてもいいのでしょうか原爆忌

 

『九州俳句』176号より

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