選挙が終わった途端、弱者イジメだ。安倍政権が、介護サービス事業者に支払われる「介護報酬」を15年度から引き下げる方針を固めた。下げ幅は2~3%が軸になるという。

 介護職員の平均賃金は月22万円弱。ただでさえ、他業種に比べて10万円も低いのに、さらに賃金が低くなれば、働き手はほとんどいなくなるだろう。
 政府は職員の人件費は下げない措置を取ると打ち出しているが、どこまで実現するか疑問だ。
 現状でも、有効求人倍率(10月)は2.41倍と、慢性的な人手不足状態だ。働く人が集まらなければ、結果としてサービスの質が低下し、高齢者の側も、満足な介護を受けられなくなる。

■介護スタッフの多くがワーキングプア

「崩壊する介護現場」の著者で、ルポライターの中村淳彦氏はこう言う。
「現在、介護の現場で働く多くがワーキングプアに陥っています。介護報酬を下げれば、サービスの質の低下どころでは済みません。将来的に事業者の半数が破綻し、職員の多くが路頭に迷うことになる。自殺者も出るかもしれません。高齢化が進み、2025年にはさらに100万人の介護人材が必要になるというのに、全く逆行した政策です。介護業界はトドメを刺されるようなものです」

 そもそも、消費税率アップは、福祉を充実させるために行われたはずだ。「社会保障と税の一体改革」という謳い文句だった。なのに、安倍首相は介護報酬を引き下げようというのだから、国民だましもいいところだ。そのくせ、消費税増税で得た税収で大企業の法人税を引き下げようとしている。しかも、法人税減税の恩恵を受ける大企業は、その見返りとして安倍自民党に巨額な政治献金をしている。

 こんなことが許されていいのか。総選挙で自民党を大勝させた国民は、よく考えるべきだ。