無料ブログはココログ

« | トップページ | 「イメージ、それでもなお  アウシュヴィッツからもぎ取られた四枚の写真』 »

2014年9月10日 (水)

都道府県別医療費(14)(15)  療養病床比をめぐる考察

都道府県別医療費(15)

Share on Facebook


療養病床と一般病床の比の都道府県差がこれだけ大きいと、これらを区別せずに病床利用率や平均在院日数の都道府県差を論じても意味をなしません。
一般病床(これも、厳密には病床機能ごとに区別したほうがいいのですが、医療施設調査ではそこまで細分化した調査は行われていません。病床機能報告制度が求められる所以です。)について、人口対病床数と病床利用率とを対比してみます。
病院の一般病床について、人口10万対病床数は、全国平均は705床ですが、都道府県別には次の通りです。
1000床以上  高知(1063)、大分(1006)
900~999床 北海道、岡山、香川、熊本(926)、島根、鹿児島(907)
800~899床 石川、長崎(894)、和歌山、秋田、愛媛、京都、鳥取、徳島、福岡(850)、宮崎(846)、岩手、福井、山形
705~799床 山口、福島、青森、富山、佐賀(766)、広島、山梨、奈良、大阪、新潟、群馬、長野
600~704床 兵庫、宮城、沖縄、滋賀、茨城、岐阜、三重、栃木、東京
500~599床 静岡、千葉、愛知、神奈川
500未満    埼玉(487)
病院の一般病床の病床利用率は、全国平均は75.5%ですが、都道府県別には次の通りです。
80%以上    沖縄(84.7)、佐賀(82.7)、大分(81.0)、山口
75.5~80% 鳥取、福井、熊本(79.4)、大阪、福岡(78.9)、長崎( 78.9)、広島、高知、島根、徳島、新潟、石川、長野、京都、山形、和歌山、愛知、秋田、鹿児島(75.7)、栃木、滋賀
70~75.5% 北海道、群馬、東京、富山、埼玉、神奈川、愛媛、三重、香川、岐阜、奈良、千葉、岩手、宮崎(72.8)、兵庫、宮城、青森、岡山、静岡、山梨
70%未満    茨城、福島(68.7)
以上のふたつの統計により、都道府県を次の4つのカテゴリーに分けることができます。
○病床数が多く病床利用率も高い
高知、大分、熊本、島根、鹿児島、石川、長崎、和歌山、京都、鳥取、徳島、福岡、福井、山形、山口、佐賀、広島、大阪、新潟、長野
○病床数が多く病床利用率は低い
北海道、岡山、香川、秋田、愛媛、宮崎、岩手、福島、青森、富山、山梨、奈良、群馬
○病床数が少なく病床利用率は高い
沖縄、滋賀、栃木、静岡、千葉、愛知
○病床数が少なく病床利用率も低い
兵庫、宮城、茨城、岐阜、三重、東京、静岡、千葉、神奈川、埼玉

東京、静岡、千葉、神奈川、埼玉は、しばしば病床不足が叫ばれていますが、病床利用率も低いので、増床の必要性があるのか否かは慎重な検討が必要です。
これらの都県では、入院しなくても外来で医療を受けることができる環境が整っているために入院需要が少ないのかもしれません。
逆のことが病床過剰かつ病床利用率が高い県にもいえるかもしれません。
地域医療ビジョンによって減床への政策誘導がなされる県ですが、やはり慎重な検討が必要です。

都道府県別医療費(14)

Share on Facebook


病床数が多いのに病床利用率も高いのは、療養病床などの収益性が低い病床数が多いために、病床利用率を高くしなければ経営が悪化するためかもしれません。
療養病床数と一般病床数の比率(療養病床数÷一般病床数)の全国平均は36.6%ですが、病床利用率が高い県ではこの比率が高い傾向があります。
都道府県別には高い順に次の通りです。
80%以上  山口(85.4)、高知(85.1)
50~80% 佐賀(67.5)、徳島、富山、鹿児島(60.5)、熊本(56.1)、長崎(51.3)
37~50% 静岡、福岡(49.4)、広島、北海道、石川、愛媛、宮崎(40.7)、沖縄、兵庫、三重
30~37% 福井、山梨、島根、大阪、鳥取、埼玉、愛知、栃木、群馬、和歌山、奈良、茨城
25~30% 滋賀、新潟、香川、神奈川、千葉、東京、京都、青森、岐阜、長野、岡山、福島
25%未満  秋田、大分(24.4%)、岩手、山形、宮城
大分県や秋田県のように病床利用率が全国平均を大きく上回っているのに療養病床比が小さい県、静岡県や愛媛県のように病床利用率が全国平均を大きく下回っているのに療養病床比が大きい県などの例外的県もあります。
指定都市、特別区、中核市では次の通りです。
やはり、病床利用率が高い都市では療養病床比も大きいようです。
80%以上  下関市(102.9)、豊橋市
50~80% 高知市、富山市、堺市、相模原市、いわき市、浜松市、岡崎市
37~50% 鹿児島市(49.4)、北九州市(48.3)、宇都宮市、広島市、金沢市、熊本市(42.2)、静岡市、川越市、松山市、西宮市、長崎市(39.1)、尼崎市、福岡市(38.8)、旭川市、高崎市
30~37% 札幌市、久留米市(35.9)、東大阪市、新潟市、豊中市、那覇市、宮崎市(32.2)、姫路市、福山市
25~30% 京都市、青森市、神戸市、岐阜市、大津市、函館市、大阪市、盛岡市、秋田市、奈良市
20~25% 名古屋市、さいたま市、倉敷市、和歌山市、船橋市、長野市、豊田市、東京都の区部
20%未満  横浜市、横須賀市、川崎市、郡山市、千葉市、高松市、岡山市、柏市、前橋市、仙台市、高槻市、大分市(9.6)
大分市のように、療養病床比が9.8%しかないのに病床利用率は84.4%と高い例、岡崎市のようにその逆の例もあります。

(保健医療経営大学 学長ブログ転載)

« | トップページ | 「イメージ、それでもなお  アウシュヴィッツからもぎ取られた四枚の写真』 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 都道府県別医療費(14)(15)  療養病床比をめぐる考察:

« | トップページ | 「イメージ、それでもなお  アウシュヴィッツからもぎ取られた四枚の写真』 »

最近のトラックバック

2020年7月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31