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2014年8月23日 (土)

かささぎの旗(二十二)  草田男をおもう

  かささぎの旗(二十二)    
 
姫野恭子

鎌を砥ぐ水の道先蟻の列     都城  大浦フサ子
      (九州俳句誌173号)

冬の水鍬の巾にて導かれ     入船誠二
            
(円錐誌61号、後藤秀治氏の前号句選より)

とうふ屋に水流れつく夜の明け   垂水猫女
            
(円錐誌61号円錐集作品)

山櫻あさくせはしく女の鍬   中村草田男

二句目の入船誠二句、読んですぐ光景が浮かぶ。鍬で圧され
た黒い土の中の砂利にあたる光までが見えるようだ。
入船さんの句を見つけた目でみつけた句が大浦句です。鎌を
砥ぐにごり水のかなけ臭まで漂ってきます。
猫女さんの句、ふしぎと玄冬の季感がある。
中津のとうふ屋、松下竜一を連想する。
むかし、天籟通信の穴井太先生も書かれていたっけが。

円錐の元締め澤好摩氏は毎夏、中津にいらっしゃるらしい。
横山康夫先生の句会を訪問されているのだろうか。
だから句集に臼杵や大分の匂いのする句があったのだ。
澤好摩氏は最近おおきな賞を受賞されたみたいだ。
意味なく惹かれる句が二つ、

ものかげの長き授乳や日本海      澤好摩
 
我つねに我を置き去る薔薇の門   〃

 

我のみの枯野の我の立ちあがる   中村草田男
 
花柘榴われ放埒をせしことなし    〃

花ざくろの句、三島由紀夫の『牡丹』に通じるバイパスが隠れている気がして、怖い。

 

前号の中村草田男の一句、

勇気こそ地の盬なれや梅真白

当初ついていたはずの前書、「出陣近き教え子に語りて、次の一句を示す」を意識的に外した件について、読者からお便りがありました。

くださったお方は熊本の俳人で、編集部を介してかささぎの住所を知り、一筆なさった。お手数おかけした編集部のためにも、引用した方々のためにも、ここにその手紙を転載しなければとの義務感に駆られる。
自分の文章は人様のかかれたもののおかげで成り立っており、文芸の世界はひとりひとりの個の集合体でできているからです。

 

こんにちは  はじめまして
私は熊本市に住む俳句愛好者。いま連載中の「かささぎの旗」に同感しています。
森山光章様の句を初めて知ったのも、連載の御かげです。
高野ムツオ氏の人気句集「萬の翅」に関しては 先の震災と切り離して読めない時事句との谷口氏のご指摘にうなずく所があります。
「円錐」誌から。草田男の知られた「勇気こそー」の句、前書があったことは知らなかったので、草田男を永遠の指導者だと拝する結社の会員さんは驚きます。
私は「北野民夫」句集(自解)、俳人協会編を持ってます。
味元昭次氏の提示したお話を、私が知ることになり、知識の一つと感じました。
次回の「かささぎの旗」を読むのが今から楽しみです。
お身体大切に。

     川崎史門(しもん)52才

姫野様

※断りもなく私信を出してしまいましたこと、どうかご勘弁ください。

味元昭次氏の原文全部をブログに引いていたのが手違いで消えてしまって、時間がない私は二度と打ち込めなくて、手短にまとめますと、味元氏も川崎氏とおなじく、前書きがあったなんて知らなかった、それを教えてくれたのは飯島晴子の一文だったそうです。それを読んだときに、はっとしました。
れぎおんで私が連句を学んでいたころ、飯島晴子氏は自裁されたのでした。
そのとき、草門会の歌仙の留書に、東京の川野蓼艸先生が追悼文をしるされた。当時、鷹同人で俳句・連句誌『摩天楼』を主宰しておられた星野石雀師のところに、私も「影ふみあそび」という随想を連載させてもらっていて、飯島氏のお名前はよく目にしていました。
作品集も拝読したが、すぐれた一流の俳人であった。ことばにならない感覚。
霊的というのがいちばんふさわしい。その人がかきとめたというのが目にとまったわけです。わざわざ書き記したいほどだいじなことだったのでしょう。

さあ。ますますわたしは気になります。草田男のこころの軌跡。
美しい、叙情が詩型をくいやぶって噴出した(上野千鶴子の表現)というような。
そういう句をたくさんのこした草田男が、慚愧の念を押し殺したのだろうか。
肝腎のまえがきをとっぱらった理由は何だったのか。
きっと今後を前向きに生きるためだったように思われてならぬ。
思いを整理し、押し殺しもしたであろう。  


中村草田男。正岡子規や高浜虚子とおなじ、愛媛出身の俳人です。

まだ資料を入手しておりません。最近読んだ、上野千鶴子の『ひとりの午後に』という文庫本にある「俳句」の章で、草田男の大ファンであることが述べられている。
ひかれていた句は、

萬緑の中や吾子(あこ)の歯生え初むる  草田男

咲き切つて薔薇の容(かたち)を超えけるも  草田男

上野千鶴子先生は東大の教授をなさっているようです。
東大卒の草田男は、どういう生涯をおくった人だったのか。
ネットにはふしぎと一切でておらぬのが不思議ですらある。
これからだれかによってなされるべき仕事なのだろう。

  (九州俳句誌転載)

追記)

その後、中村草田男自身による独特の印象的な年譜と、山本健吉の解説をよむ。
大きなスケールをもった家父長、アブラハムやヨセフみたいな。
二百歳まで生きたいと願った人。
批判的なまなざしはまったく的外れな気がしてきます。

それより、こないだペリリュー神社についてなにか書いていたっけなあ。と、NHKの「ペリリューの戦い」特集を見て思い至りました。振り返って記事を探してみようと思いつつ、多忙にとりまぎれていました。
が、仕事から帰宅後、アクセス解析をみていたら、どなたか存じませんが、覗いてくださっていました。
そこでそうだったと思い出せました。
上記に紹介した川崎さん〈崎の字はほんとは﨑です)、黒髪とかかれています。地名。

こういうぐうぜんが、妙に気になります。

一つ目神社の近く、山鹿の松尾中佐のお墓にお参りしましたが、その次は黒髪の中川大佐の墓なんだろうか。と、そういう風に思ってしまいます。まるでまねかれているかのようだ。

益荒男

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コメント

最後の、ますらをは。
追悼のうたをよもうとしたのですが、できませんでした。
それらしくよむことはできるだろう。だが、。

直三つの漢字をみて、それから草門帖表紙絵の三つ目女を重ねると、すかさずここの、一つ目神社が思われた。
三つと一つ。異形の神。

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