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2014年5月28日 (水)

ストップ少子化・地方元気戦略(18)

保健医療経営大学学長

橋爪章

2014 年 5 月 28 日 ストップ少子化・地方元気戦略(18)

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日本創成会議・人口減少問題検討分科会が掲げる『地方元気戦略』の実現のための具体的な施策の続きです。
これらの『地方元気戦略』が実現されない、元気を失った地方は、近い将来、消滅するということになります。
⑤地方へ人を呼び込む魅力づくり
ア.地方への若者の呼び込み
(「人が移動する機会」の活用・増加)

○地方と都市の間を人が移動する機会は、「大学等への入学」、「最初の就職」、「40代ごろの転職・再出発」、「定年」の4つがあるとされている。「人の流れ」を変えるためには、これらを地方に人を呼び込む好機としてとらえるとともに、さらにこの4つ以外にも移動の機会を増やしていく努力が重要である。
(教育・研究機会の充実強化)
○まず初等・中等教育段階においては、子どもの学習能力・意欲に応じた教育を塾に頼らず公立学校で提供するようなシステムを作ることにより、地方への呼び込みを図ることが考えられる。
また、幼年期や青少年期の教育として、1週間程度子どもの田植え、稲刈りなどの農作業体験等を通じて、地方の農山漁村に若者を引き付ける契機とする取組も有用である。
次に、大学・大学院教育段階においては、Eエデュケーションなどによって、地方大学で東京圏の大学の講義を受けている場合と同様の学位を授与する仕組を実現する。また、大学や研究機関を地方に誘致するとともに、現在の地方大学の機能強化を図る。例えば、地方中核都市を支える地方大学を強化するため、地方の国立大学と公立大学の合体も含めた再編強化を進め、地方大学を核とした研究組織や産業を育成することは、有能な若者を集める上で有効な方法と考えられる。そのために、地方自治体や地元経済界による地方大学への投資が円滑にできるような制度づくりを行うべきである。
(若者の地方就職を促進する)
○若者が大都市に流入している背景には、地方に若者にとって魅力のある雇用機会が少ないことがあげられる。従来は大都市の大学に行っても地方の企業等に就職するUターンやJターンが多かったが、近年は地方に戻らない若者(特に女性)が増えている。若者に地方の企業に就職を支援する方策として、雇用保険から例えば5年間100万円の所得支援を本人に行うような仕組みを検討することが考えられる。また、圏域内にとどまった若者に対しては、地元自治体が積極的に人材育成として投資するとともに、圏域内での異業種間交流ができるようなコミュニティの形成を推進する。例えば、地方の中小企業に就職した若者に対しては他社との「合同入社式」や「合同研修」の機会を提供したり、圏域内の大学(院)で修学を支援することが考えられる。また、子育て世帯に対して、地方都市の近隣で職住近接が可能な住まいを確保する。具体的には「保育サービス付き住宅」を整備し、子育て世帯が安く居住できるようにすることも有用である。
○若者を地方に戻ってもらう魅力づくりとしてメインとなるのは、地域経済を支える事業の再構築となるが、雇用以外の視点からも、人の居住選択の誘因を生み出す施策も有効である可能性がある。例えば、スペイン・バスク州のビルバオのように、グッゲンハイム美術館の設置など文化に重点を置いた都市再生事業に取り組み、多くの観光客を呼び込み、まちの活性化を行っている例もある。
イ.中高年の地方移住の支援
(地方への転職の促進)
○40代ごろの転職・再出発を目指し、地方への移住を考えている人は増えている。こうした地方移住関心層は、移住先の詳しい情報を求めており、こうしたニーズに対応して「全国住み替えマップ」のような形で情報提供を行っていくことが考えられる。また、総務省の「地域おこし隊」や農林水産省の「新・田舎で働き隊」のような、都市住民が地方に移住することを支援する取組は着実に実績をあげている。定年退職者が農村に移住し、農業に従事する「定年帰農」を支援する取組も有用である。
(ふるさと納税等の推進)
○東京圏から地方への中高年層の移住を進めるためには、将来移住を考える地域を意識し、その地域と東京圏在住者との紐帯を強めることが必要である。「ふるさと納税」を推進することにより、東京圏在住者に特定地域を意識してもらうとともに、その地域を支える具体的な行動を促す。このため、東京圏において「ふるさと納税」のキャンペーンを強力に展開し、「ふるさと納税」を特定の自治体に継続的に行った者に対しては、当該自治体側で地域を支えた者としての位置づけを行い、将来の移住候補者としてきめ細かな情報提供を行う。併せて東京圏の住宅を売却し地方圏の住宅を取得した者に対しては税制上の優遇措置を講じ、地方へ移住することを容易にすることも考えられる。
(都市高齢者の地方への住み替え支援)
○東京圏はじめ大都市は、今後急速に高齢化が進み、医療や介護サービスが圧倒的に不足するおそれが高い。当然ながら地元での医療・介護サービス基盤の整備を図ることが求められるが、一方で、都会に住む高齢者が地方への住み替えを選択するケースが増加することが想定される。こうした動きは、地方の雇用機会の増加にも有効と言える。こうしたニーズに対応する観点から、高齢者移住を支援する方策として、高齢者の個人単位や自治体間のマッチング組織の整備や高齢者が居住していた戸建住宅を賃貸マーケットに出し、若年層に貸し出すスキームの整備のほか、介護保険法等の「住所地特例」の拡充を行い、受け入れ自治体の費用負担の軽減も行うことが考えられる。
(高齢者の生活を支える「まちづくり」)
○地方においては、高齢者が安心して住み、必要なサービス(医療介護も含む)を身近で受けることができるような「まちづくり」を進める必要がある。高齢者が地域資源が整った「まちなか」に住むように誘導するため、高齢者が住宅を若者に売却して住み替える場合の優遇策等も検討すべきである。また、都市中心部の商業施設等の容積率、建蔽率等の規制緩和や既存建物を介護施設・保育所等に活用する場合の要件緩和により、「まちなか」のケア体制を整備していくべきである。
さらに今後は一人暮らしの高齢者が急増することから、こうした高齢者の移動(オンデマンドバスなど)、買い物、見守り、除雪サービス等の確保を図る必要がある。その際には、民間インフラ(コンビニ、宅配業者等)を活用することも視野に入れるべきである。
ウ.観光による交流人口の拡大
(交流人口拡大による地域活性化)
○人口減少に伴い定住人口が減少する中で、交流人口の拡大による地域の活性化を図るため、日本ブランドの作り上げと発信、ビザ要件の緩和等による訪日旅行の促進、外国人旅行者の受入の改善、国際会議等(MICE:Meeting,Incentivetravel,Conven       tion,Exhibition/Event)の誘致や投資の促進を行うとともに、東京五輪を見据えた観光振興、世界に通用する魅力ある観光地域づくりを推進していくことが重要である。外国人旅行客の農山漁村への誘客促進を図るために必要な受入体制の整備を行うこともあげられる。
※定住人口1人当たりの年間消費額は、外国人旅行者11人分、国内旅行者(宿泊)26人分、国内旅行者(日帰り)81人分にあたる。

(保健医療経営大学学長ブログ転載)

▼かささぎ日誌

十六日付、西日本新聞に「コットン交流が紬ぐ夢」と題して「和綿の里づくり会」会員さんが一文を草されていた。それ、そういう地道な運動こそは力あるなあ。
いなかといなかがダイレクトにつながる、国境をこえて。
そんな時代だとおもう。

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