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2014年5月17日 (土)

ストップ少子化・地方元気戦略(7) 人の流れを変える

保健医療経営大学学長

橋爪章

2014 年 5 月 17 日 ストップ少子化・地方元気戦略(7)

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日本創成会議・人口減少問題検討分科会が掲げる第二の基本目標は、地方から大都市へ若者が流出する『人の流れ』を変え、『東京一極集中』に歯止めをかけることです。
次のように論旨が展開されています。
(1)地方から大都市への若者流出がもたらしたこと
・若者の流出は地方の人口減少の最大原因である。
○日本は、若年層を中心に地方から大都市(東京圏)への「地域間移動」が激しく、戦後3度にわたって地方から大都市圏に大量に人口が移動した。このことが、地方の人口減少の最大要因である。
○地方から大都市圏への「人口移動」は、累積すると約1147万人(1954年~2009 年)もの膨大な数にのぼる。この「人口移動」の特徴は、移動した対象が一貫して「若年層」中心であったことである。将来子どもを産む若年層を「人口再生産力」とするならば、地方は単なる人口減少にとどまらず、「人口再生産力」そのものを大都市圏に大幅に流出させることとなったのである。その結果、地方は、加速度的に人口減少が生じる事態となった。これが、地方から人口減少が始まり、しかも地方の人口減少スピードが非常に速い要因である。
・このままでは、多くの地域は将来消滅するおそれがある。
○地方はこのまま推移すると、多くの地域は将来消滅するおそれがある。人口の「再生産力」を表す簡明な指標として「若年女性(20~39歳の女性人口)」の状況を見てみると、若年女性が高い割合で流出し急激に減少するような地域では、いくら出生率が上っても将来的には消滅するおそれが高い。地方と東京圏の間の人口移動数は有効求人倍率の格差に高い相関を示しており、雇用や経済状況が深く関わっていることが明らかになっている。そうなると、 大都市(特に東京圏)は、このまま推移すれば急速な高齢化に伴い医療介護 の雇用需要が増大することは必至であり、それにより今後も相当規模の若者が流入していくことが見込まれる。
○国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が公表している「日本の地域別将来推計人口(平成25年3月推計)」は、人口移動率が将来的には一定程度に収束することを前提としている。地域間の人口移動が将来も収束しないと仮定して独自に推計してみると、若年女 性人口が2040年に5割以上減少する市町村は896(全体の49.8%)に達し、そのうち人口1万人未満は523(全体の29.1%)にのぼる結果となる。
(2)『人の流れ』を変えることを基本目標に
・「人の流れ」を変えることは日本全体の「出生率向上」にもむすびつく。
○人口過密の大都市は、住居や子育て環境や地域での孤立などから、出生率が低いのが一般的である。各種データを見ても人口密度が高いほど出生率が低いという相関関係が認められる。地方から大都市への「若者流入」は日本全体の「人口減少」に拍車をかけていると言える。少子化対策の視点からも、地方から若者(男女)が大都市へ流出する「人の流れ」を変えることが重要である。
・「 東京一極集中」に歯止めをかけ、東京圏は「国際都市」へと発展。
○東京圏は、このまま推移すれば、相当規模の若者の流入が続くことが見込まれるが、これ以上の『東京一極集中』は、少子化対策の観点から歯止めをかける必要がある。『東京一極集中』は、首都直下地震の切迫という「災害リスク」の面でも重大な問題を有している ことも認識する必要がある。
一方、東京圏は、これまで国内の人材や資源を吸収し続けて日本の成長力のエンジンとなってきたが、今後は、世界有数の「国際都市」として、海外の人材や資源を大胆に誘致し、世界の多様性を積極的に受け入れるベースとなることが期待される。これにより、地方中核拠点都市圏との間で補完的な関係を構築していくこと指向していくことが望まれる。

(学長ブログ転載)

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