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2014年4月 2日 (水)

息子の読んでる書を盗み読みすると

息子の

若者はみな悲しい   フィッツジェラルド

幼年期の終わり     クラーク

このうち、「調停人」(フィッツジェラルド)をきょう、ささっと読みました。

それから、クラーク。
これはたしか、以前連句を巻いた冬樹蛉さん(SF批評家)が解説を書いておられた(んが、かささぎは小説自体もその解説も未読のままです。とほほ)と記憶している。
息子がいうには大変面白かったそうで、読もうかとたいへんにそそのかされた。
これは新訳本(旧版はかささぎの生まれる一年前の)、ゆえに、翻訳者のあとがきをよむ。
まるで冬樹蛉のあのときの連句とめがきのように、時間論を語って、みごとな留め書きであった。池田真紀子さん、すごい。ちょっと一部分ご紹介いたします。

訳者あとがき

   池田真紀子

 『幼年期の終わり』ー巨匠アーサー・C・クラークの最高傑作としてあまりにも名高い作品だ。1953年に初版が刊行され、日本でもそのおよそ十年後には邦訳が紹介されている。以来、世界中で何百万という読者に感動を与え続けてきた。
 それでも、『幼年期の終わり』ならもう何度も読んだよとは言わず、ぜひ、いまいちど手に取ってみてほしい。
 今回の新訳は、ただ”訳が新しくなりました”というだけではないからだ。米ソの宇宙開発競争を強く意識していた第一章が、冷戦の終結を織りこんだ現代的なものに一から書き直されているのだ。新バージョンでは、人類は国家単位で競い合うのではなく、地球規模で協力しながら宇宙開発という大事業に取り組んでいる(ちなみに、この新しい第一章の邦訳が収録されているのは、この光文社古典新訳文庫版だけである。)
 さらに、この書き直しに伴って、作品全体の時代設定が三十年ほど未来へとそっくり移動した。巨大な宇宙船が地球の空を不気味に覆い尽くすあの鮮烈な幕開けが、旧版の1970年ごろから二十一世紀初頭へと変更されている。奇しくもこの新訳の刊行とほぼ同時期に移されたわけだ。
 この幸運な偶然によって、いまこのタイミングで『幼年期の終わり』を読み直す意義は、いっそう深くなったのではないだろうか。作品そのものが、同時代性を与えられてまったく新しく生まれ変わったのだから。

(前半部分のみの引用ー2007年10月)

冬樹蛉のとめがき。傑作。
http://tokowotome.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/

再掲します。またここでつながった。
七年たてば喧嘩の記憶も懐かしき。

歌仙「やわらか戦車」とめがきです。

留書

                     冬樹蛉

 およそ風流というものに縁のない人間であって、俳諧の教養なんぞはまるでない。せいぜい学校で習ったものに毛が生えた程度、蛙が飛び込んで、時雨れていって終わりである。
そんな場ちがいな輩がなぜこんな大それたところに出てきたかというと、ひょんなことからネットで知り合った姫野恭子さんに、SFの宣伝でもなんでもいいから書いてくれと言われたからだ。それではと、お言葉に甘えてSFの宣伝をさせていただくことにする。おっと、申し遅れましたが、小生、折に触れてSF書評やら解説やらを書いているケチなライターでござんす。
 そんなやつが俳句を前にすると、半ば条件反射的に考え込んでしまうのである。たとえば、巨大ガス惑星の大気中に浮かんで進化した知的生物は俳句を詠むのか? だとしたら、どのような季語を持っているのか? “メタン”と聞くと、「ああ、春だなあ」としみじみ感じ入ったりするのか? はたまた、肉体を捨てソフトウェアとなって仮想世界で進化を続け、日夜、高次元数学の定理を証明することに美を見い出すようになった種属が、いまこの瞬間にも“5iと、nの7乗根の積を、5πで割る”といった形式を編み出して、その風流に嘆息したりする
のだろうか?

あったら愉快だと私は思っている。季節というのは、“周期”のある事象すべてに見い出せるはずだ。二万年に一度やってくる彗星を見て、「▲@×$φも、もう終わりか……」といった季節感を味わう知的生命体がいたっていい。いやいや、それどころか、ビッグバンとビッグクランチの間を“一周期”として、宇宙の生滅流転に季節感を覚え一句ひねっている存在がどこかにいたら、それはそれは痛快ではないか――
「今度の宇宙のプランク定数は、じつに趣のある値ですな……」







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コメント

油井さんの宇宙ステーション滞在番組をみました。
アーサークラークの幼年期の終わり新バージョンが、
「今回の新訳は、ただ”訳が新しくなりました”というだけではないからだ。米ソの宇宙開発競争を強く意識していた第一章が、冷戦の終結を織りこんだ現代的なものに一から書き直されているのだ。新バージョンでは、人類は国家単位で競い合うのではなく、地球規模で協力しながら宇宙開発という大事業に取り組んでいる(ちなみに、この新しい第一章の邦訳が収録されているのは、この光文社古典新訳文庫版だけである。)

を彷彿とさせるものでした。
「人類は国家単位で競い合うのではなく、地球規模で協力しながら宇宙開発という大事業に取り組んでいる」
きそわず、もちよる。ちからもちえもどうぐも。

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