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2014年3月12日 (水)

同人誌たち

同人誌たち

「点鐘」163号の墨作さんのあとがき全文引用。

雑唱点鬼簿(へんしゅうこうき)
   墨 作二郎

◆例年に比し厳しい寒さが続いている。連日
の新聞紙上にもテレビ報道にも雪の被害が伝
えられ、雪下ろしを続ける雪国の日課の様子
に胸痛む思いがする。停滞する交通網に立ち
往生の長距離トラック、取残された山国の
村々と、そこに生活する高齢者の不安げな様
子その何れも痛ましくてならない。そこに居
る点鐘仲間のことを思い、他人事で無く心痛
んでならない。そして今年ほど春を待たれるこ
とはない。年老いて寒さは身にこたえる。そ
んな臆病さが残って居て、弱気の程が知れる。

◆児玉怡子の死が知らされて、長期の友情を
思い返している。気の強さと細やかな心遣い
の程で終始作二郎の理解者であった。長い電
話は時にうとましかったが、今はそれも懐か
しい。あの世では奥室数市や田島歳絵らと楽
しくしているだろう。住所録の赤線が少しゆ
がんだ様だ。点鐘散歩会に一度だけ参加して
くれたことを思い出している。雨だったことも。

◆安藤まどかの死を耳にしたのは、その翌日
長い闘病生活の果てであった。若い頃に何度
か逢ったが、最後は十年前に東京で川柳公論
の大会に選者として参加した時実新子に連れ
立っての時だった。若い頃山村祐の「短詩」
に吹田まどかの名で優れた作品参加があった。
新子の死後「わが母時実新子」の一冊は、読
み返して心に残るものがある。時実新子の有
名の前に「まどか」の限りない働きを忘れて
はならない。私なりに遠くなる思いのまま。

◆石井有人の死は突然のことで驚かせた。私
の東京時代からの交流で長くなる。「こなゆ
き」誌の主幹として、同誌の発展に懸命であ
った。「羅針盤」は良いエッセイで心に響く
ものがあった。最終の二月号には「泥」誌に
触れ佐藤容子の急逝に筆を擱いている。何を
案じてのことだったのだろう。生前有人の運
転で山村祐夫妻と一緒して積丹町迄案内して
貰ったことがある。その時の話を何かと思い
出したことだ。「鰊を来ないエゾタンポポは
徒長する  作二郎」。良い仲間だった。

◆二月初め不注意で左足を捻挫して出歩きが
出来ないでいる。寝そべってペンを取るのが
やっとで考えがまとまらない。仲間の死が続
いて少し弱気になるのは口惜しいが、それも
寒さの故かも知れない。暖かくなれば這い出
してでも今を感じ、これからを考える。

◆四月には消費税が8%になる。川柳活動にも
新たな成長がなくてはならない。そう思う。(作)

現代川柳 点鐘の会  
平成26年3月発行
投稿先 590-0965
堺市堺区南旅籠町東1丁目2-26
墨 作二郎

次号締切3月31日
投句数10句以上
年度購読会費3000円

会員作品抄

夕焼け小焼けみんなこの世を流れて行った  
    札幌市 松田悦子

よろこびか悲しみなのか銀杏降る  名古屋市 佐藤桃子

前に神うしろに仏 エベレスト
煩悩の転がっていくパチンコ屋   大阪市  北川アキラ

介護した母の感触忘れない
コスプレをつけた途端によくしゃべる  堺市 上野楽生

赤い糸メンテナンスを考える  山形市 伊東マコ

美しく見えます雪の霊柩車
戦いの女が傘を振り回す    福岡市  清野玲子

月の中にすっぽりと家族がいる   鈴鹿市  小河柳女

ドクターの話娘を通訳に
T字帯 腹帯捨ててしもたのに
車椅子の息子いるのに この先は  奈良県  瀬尾照一

言葉の棘に気付かぬ振りも年の暮
寒いので先ずは新聞読んでから   尼崎市 春城年代

洋菓子の少し胡乱な擬似平和
九条のサーカスなんて真っ平だ
もう顎を出している百均のハサミ
幕切れはくずれ豆腐になっている
さざんかと運の悪さを語り合う   札幌市 進藤一車

今朝汲みし水の冷たさ訃報来る
ここに更地家並みの切れ目から世界  東大阪市 竹内良伸

厳冬の中でようやく叶うもの
非難するのは十回までと決めている
慢心生まれるメタセコイヤの梢
気持ちなど分かっていないシクラメン  和泉市  小池正博

余った時間だがゴミ袋に底がない
火葬場ののど飴ほどの家族葬
待合室には大胆な週刊誌      静岡市  山田迷泡

一途でありたい いい人生でありたい
ええときに来たなぁ これを手伝って  桜井市 福尾圭司

ぶりっこした過去 ことばのあやとり
しんしんと骨に降る雪 骨に積む雪  札幌市  阿部桜子

大き目に膨らまします紙風船  寝屋川市  北田惟圭

水垢離や大寒ぶ小寒ぶ大丈夫?
新年や賀状来ぬ人死んでいた
湯豆腐や女の箸に触れしこと
寒月や感電注意がんもどき    神奈川県  渡辺隆夫

お国のために固く締めとくビンの蓋
あいまいな島があるから苦労する   静岡市 石川重尾

野菜高もやし料理が多くなる
福祉とは共に倒れる老々介護     札幌市  熊谷美智子

明日を編んでいる切れぎれの毛糸
試練だと思う穴のあいたバケツ
か細くも図太くも生き藁人形       豊中市 大橋あけみ

深入りはしない哀しみ 寄りそいぬ
そこそこのつっかえ棒も外される    姫路市  前田芙巳代

焦らない少しだけれど何かある
二人でひとりコハクチョウは優雅
冠雪の息吹を仰ぐ眼がいたい      東近江市  知野見松子

取り外してきた動物園の檻
リュウキンの尾びれ遊びは過ぎないか
薄味の握手ごっこの寒の水   湖南市 平賀胤寿

小正月動物園の檻のなか
知っているけど知らんぷりして日向ぼこ
繁昌亭の帰りに覗く古書のたな   吹田市 桜 風子

上弦の月押し返すオレオレ詐欺
秘密法 つめたいネジが落ちている
モノクロの就職前線 春隣
黴菌をつけて飛鳥の美人たち
立春のサランラップに発酵す
お姫様だっこをせがむ認知症   高知市  小野善江

和歌山はうっかりやって来るところ
今はもうほっつき歩くことくらい
おいかけてきて あふれるほどみかん
一月の梅林につんつんされる
年金喫茶  だるまストーブまんなかに
むつかしいこと言ってみたってレジ袋  西宮市  吉岡とみえ

日中韓もっと大人になりなさい
肩肘張らぬボールペンの饒舌
日が長くなって散歩も長くなる   川西市  一階八斗醁

昭和史に父の矜持が生きている   
ひとり欠け ふたり去りゆく走馬灯   箕面市 今田和宏

柿右衛門の茶碗もあって初天神
喪のハガキ友の無念が一隅に
凭れ心地のよい樹だ幹が温かい
ふりむくものか二度と逢いたくない人を  京都市 木村良三

噛みついて蹴散らすような韓国語
君の顔情報量が多すぎる
小刻みに川を刻んで八百八橋
赤々と湖面が騒ぐ逆さ富士    堺市  里上京子

冬に目を凝らす何で涙が出るのだろ
大相撲中継 包丁を握ったまま   草津市  畑山美幸

まどろみの中で心の壁覗く
新入りのハーブ見下ろす葱坊主
古傷をもいでひらりと花栞     大阪狭山市 八木侑子

りんご畑に蜜柑の花が咲いている
哲学書ひらくとそこに蜃気楼
葬儀から戻りメダカに餌をやる
生年月日忘れて森を出られない  西宮市  佐藤純一

足濡らす春の小川の社会学
結び目の跡を残して春おぼろ  長岡京市 森田律子

爪とばすように長女は泣くんです
縦結びされて予定が狂うヒモ  盛岡市  徳田ひろ子

ガードレールの父さんがいてくれる
奥行きの深さ許せることばかり
ハイブリッドの妻は走りすぎている  橿原市 西澤知子

寂しさを押さえきれずに大根切る
おとなしく海の話を聴く岬
貧しかったけどまっすぐだった頃
後ろめたさの血が繋がって薮椿
春が来ると書いて自分を暖める   堺市  南野勝彦

置き手紙ですかこんなに白い雲
夫の背を睨んで夫を愛している    黒石市 三浦ひとは

昔からずっとここですと老木
低音でずっと流れて来たのです
旧友から電話 鴉が騒いでいる    東近江市 今井和子

ありがとうと何度も言って美しい
わくわくとビクビクがある アベノミクス 高槻市 神野節子

冬布団ひっぱり出せば父の耳
困ったわと母がきらきらしはじめる
そやけどを考えなおす靴のひも
届かないところに今はいるらしい
試供品みたいな眉で会いにゆく
怖いもの知らずの山茶花のピンク
まだ死んでへんで ぴくんとする蜜柑  草津市 北村幸子

地吹雪の中で未来を予測する
思いもかけず送信ボタンを押していた
春色の端布 雪解けを待っている   江別市 田中しげ子

心電図花柄模様になって春
マザーグース巻き戻された牛蛙
伸びすぎた総理の影を踏んでます
くさやを齧る発情猫とふたり   青森県  月波上生

ラーメンを啜り雪音聞いている
朝昼晩駄菓子めいた薬飲む
なんとなく目覚めている 軍手   岡崎市 飯田昭

馬の名は睦月 今年を賭けてみる
平井堅歌うふるさと 桔梗丘に春
原点に戻る 足元ふらついて
冬ごもりしてます 妻の七回忌  名張市 福田弘

プライドを削って食べる今日のパン
いつからか水漏れつづく自画像よ
生き急ぐ象は記憶の森さがす  札幌市 加藤かずこ

片方の手袋だから哀だから
実千両一途に赤く人を恋う
鍵穴に注ぐ夕日のありったけ   高槻市 笠嶋恵美子

干鮭を裂いて本音を煙にする
エンディングノートに記す花火の日
許されてメールに蟻を十個打つ
なんかめんどうペットとか夫とか  弘前市 北里深雪

棺桶の友の軽さを担いでいる
鉛筆を削り続けて春を待つ
テロリストなりに神を探している  相模原市 滝正治

小樽残影   墨 作二郎

昼も点して三角市場吐き出す水
小樽駅は雪なぶられて猫背たち
坂は海まで白い感情底なき天界 
運河公園待ち呆け瓦斯燈の青錆
石造倉庫は退屈活字の置き換え
海猫屋はラマンチャの髭木の階段
喫茶店黄の光彩アンパン放埒に
万華鏡多彩くるりと古い処方箋
山上鰊御殿焚火の詩碑は脈動する
春を待つさかも運河も今は雪
  (石井有人急逝を悼む)

勉強会予告 堺市総合福祉会館二階
 3月19日水曜、4月23日水曜、ともに午後1時集合

散歩会予告 
 3月10日月曜 天神橋商店街(JR天満橋改札口に午前10時集合)
 4月2日水曜 京都国立美術館 現地10時集合



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