ひゆとりのことば
ひゆとりの一升貸さされ 明日はよかろう 笠原の祖母の言葉
(かささぎの母による解説)
ひゆとりというのは、日雇いさん。
雨がつづくと仕事ができないから、食べるものに困りなさる。
それで、うちに、コメを一升貸してくだされ、とやってきてた。
かさされ、というのは、貸してくだされ、という意味たい。
母がよくこう言ってたから、今でちゃおぼえとるよ。
へえ。俳句みたいね。
笠原の母の実家は山の農民だった。
なんにもないが、なんでもあった。
こどもがたくさんいたので、家族の生活史も豊かだった。
たとえば、最近、こんな思い出を話してくれた。
「ごちそうさん」を見ていて呼び覚まされた母の記憶。
ちさきあねしゃん(母の次姉)は、嫁ぎ先でも気を遣ってばかりの暮らしだったけん、笠原のばあちゃんは、餅をおくるときにも、これは姑さんたちの分、これは小姑さんたちのぶん、これはチサキの分、と、名前を書いて贈っとらしゃった。そうせんと、ちさきが食べださんけん、ちいうてね。
ぐっとくる話です。
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ありがたし。ここ。開いてくださったかた。
投稿: かさ | 2016年4月 4日 (月) 18時06分