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2013年10月24日 (木)

病院の輸出 ~日本式医療まるごとクウェートへ!ったってできるの?

保健医療経営大学学長

橋爪章

2013 年 10 月 24 日 病院の輸出

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「日本式医療、丸ごとクウェート輸出…人材育成も」(10月23日読売新聞)というニュースが流れました。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20131023-OYT1T00607.htm

それによると、政府は、中東クウェートで、再生医療やがん治療などの先端医療を行う病院の設立、運営を後押しし、看護師などの教育施設も併設して、人材育成にも協力する、のだそうです。

年明けの合意を目指し両国政府間で交渉しているのだそうですが、わが国の交渉担当者が中東の医療事情や、医療従事者の海外派遣リクルート事情に通じているのかどうか、不安がよぎります。

かつて、日本政府あげて中東の某国に「がんセンター」を設立することを決定し、建設の基本設計にまで至った段階で計画が頓挫してしまったことがあります。

私は、その事後処理(尻拭い?)に携わった経験がありますので、不安も一入です。

中東諸国は、圧倒的な自国民の医療従事者不足で、医療は海外の労働力に依存しています。

オイルマネーを背景に医療費は無料であることが多いのですが、自国に高度医療技術を提供できる人材がいないため、高度医療を必要とする国民は海外の医療機関を受診し、要した費用は政府が提供するといった仕組みです。

「人材育成にも協力」という言葉は、そのような背景があるために発されているのでしょうが、教育施設を併設したところで、医療従事者になろうとする国民がどのくらいいるものか、質の高い教育ができるものか、保証がありません。

オイルマネーによって潤っている国々の特徴として、生活の不安がないために若者の勤労・勤勉意欲が失われ、高等教育機関への進学率は低く、進学しても落第率が高いという現実があります。

「新病院は1000床規模で、クウェート市に2016年にも設立する」とのことですが、医療従事者なしで病院が運営できるはずがありませんので、少なくともオープン直後の数年間は大量の日本人医療従事者を派遣しなければならないでしょう。

「細胞シート移植による心臓病治療のような再生医療や、重粒子線を使ったがん治療のほか、糖尿病治療、人工関節による膝の治療なども手がける」ということですので、療養病床程度の医療従事者密度でいいはずがなく、1000床規模であれば最低1000人以上の派遣が必要となるかもしれません。

教育施設も併設するというのであれば、教育人材の派遣も必要となります。

医療従事者の医療途上国派遣リクルートについては、私も担当者として、年間数十名程度の派遣に苦しんだ経験があり、特定国へ高度な医療技術を有した医師や看護師を千人規模で派遣するなど絵空事です。

高度医療施設兼教育施設(大学医学部)の新設が、現場の医療従事者の引き抜きの懸念から反対があるのがわが国の実情でもあります。

かつて某国での計画が頓挫したのは、当事国が日本人労働力の派遣を当然のこととして期待していたのが判明したのが理由でした。

実現可能性の検討がなされないまま政府間約束が先走ってしまったことの失敗例ですが、その轍を踏まないようにしてほしいものです。

記事には「医療の需要が拡大する中東に日本式医療を広める拠点にしたい考えだ。」とのコメントがありますが、医療提供の考え方が根本的に日本とは異なっている国へ「日本式医療を広める」というのはどういうことなのか、よくわかりません。

(保健医療経営大学学長ブログ転載)

▼かささぎ天気図

なんかしらんけどさ。台風がつぎつぎに来てるね。
まがるときには自転車みたいに速度を落とします。って、きょうの天気のおねいさんがいってた。

台風だって曲がるときには速度を落とす。
でも、安倍政権は飛ばしっぱなしみたいだね。

安倍総理は原発も輸出するそうだけど、正気の沙汰とは思えない。
日曜討論とかみてるとさ。声明を世間に向かっていう政府側の人がいるでしょう。
その口癖。

きちっと調査をしまして、安全であると確認をしまして。

でもよく考えるとね。あぶないとこ行く人はだんだんすくなるなるのよね。
最前線で作業する人。そりゃあもう、命懸けで使命感だけでやってもらっている。
かけがえがないほど尊い。

ベテランほど必要とされてたくさんの放射線をあびているから、もう残り時間は少ない。
どうなるんだろうかなあ。とときどきほんとにこわくなるよ。
できるならもう原発なんて因果なもの、やめてもらいたい。
なのに、うそ~よその国にまで売りさばくだなんて。

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コメント

検索サイト Yahoo  検索ワード 日本式医療

6位。

こんな時間に生ログ見たことなかったと思って、ひらいてみた。
みなさん、ありがとうございます。
かささぎ、学長ブログのおかげで最新の学びをすることができます。
一位のこれ☟、全体図みたいです。

ところで、かささぎの旗はきのう仕事をしながら、紅白歌合戦が日本だけのではなく、世界版があったら楽しいだろうなあと考えました。
各国から一人だけ出場して歌うのです。一晩中かかりそうだけど。

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