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2013年8月 8日 (木)

平成26年度診療報酬改定の動向(13) 協調への誘導

保健医療経営大学学長

橋爪 章

2013 年 8 月 8 日 平成26年度診療報酬改定の動向(13)

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国民会議報告書の「医療・介護サービスの提供体制改革」の「2-(3)医療法人制度・社会福祉法人制度の見直し」は、次の論法で書かれています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
・地域における医療・介護サービスのネットワーク化を図るためには、当事者間の競争よりも協調が必要であり、医療法人等が容易に再編・統合できるよう制度の見直しを行うことが重要である。

・医療法人制度・社会福祉法人制度について、ホールディングカンパニーの枠組みのような法人間の合併や権利の移転等を速やかに行うことができる道を開くための制度改正を検討する必要がある。複数の医療法人がグループ化すれば、病床や診療科の設定、医療機器の設置、人事、医療事務、仕入れ等を統合して行うことができ、医療資源の適正な配置・
効率的な活用を期待することができる。

あわせて、医療法人や社会福祉法人が都市再開発に参加できるようにする制度や、ヘルスケアをベースとしたコンパクトシティづくりに要する資金調達を促進する制度など、総合
的な規制の見直しが幅広い観点から必要である。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「協調」への政策誘導が述べられていますが、「1-(2)医療問題の日本的特徴」に述べてあった通り、日本の医療供給体制は、病院等を民間資本で経営するという形(私的所有)で整備されてきた歴史的経緯があります。
民間資本ですから、地域内の同業者はライバルです。
狭い地域内に複数の同業者(ホームセンター、家電量販店、スーパーマーケット、自動車販売店、ガソリンスタンド等々)が競っている例は多いのですが、カルテル行為のような自身の利益に直結する協調はあり得るとしても、公の利益のための自己犠牲的協調は難しいでしょう。
ライバルがCTを購入すれば、顧客が奪われないよう、自院もCTを購入します。
かくして、世界で稼働しているCTの3台に1台は我が国にあるという異常が通常となっています
医療にあまり詳しくない人は、医療の効率化を促進する特効薬であるかのごとくに「競争原理の導入」を唱えたり、「医療自由化特区」を主張したりしていますが、『医療提供体制について、日本ほど規制緩和された市場依存型の先進国はない』のであって、その結果が現在の姿なのです。
医師不足や看護師不足も、絶対数の不足だけの問題ではなく、自由競争で優位に立つための医師獲得競争や看護師獲得競争が生み出した社会現象であるとも言えます。
7対1入院基本料の届出病床数が地域の高度急性期医療の需要に見合った数になるだけで、看護師不足は緩和されます。
複数の医療法人の「グループ化」が解決策として提言されていますが、医療の質を保つためには適度の競争も必要です。

(保健医療経営大学学長ブログ転載)

▼用語

ホールディングカンパニー・・・・持株会社。親会社。

▼あぜ道のうた

TSUTAYAきてドトールコーヒー店もきて
開けてきたねえ八女もと友と笑へり

筑後川花火大会ある夕の
残業はなしみな一斉に帰る

あたらしき道が隔つる納骨堂へ
あぜ道の露を盆は踏みゆく

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