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2013年7月13日 (土)

在宅医療の動向(2) 昨年は機能強化型への移行が図られたが

保健医療経営大学学長

橋爪 章

2013 年 7 月 13 日 在宅医療の動向(2)

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在宅療養支援診療所・病院は、地域において在宅医療を支える24時間の窓口として、他の病院、診療所等と連携を図りつつ、24時間往診、訪問看護等を提供する診療所です。
平成24年診療報酬改定では、機能強化型在宅療養支援診療所・病院が設けられました。
機能強化型の施設基準は、
・常勤の医師が3名以上配置
・24時間往診・24時間訪問看護が可能な体制を確保
・他の保健医療サービス及び福祉サービスとの連携調整を担当する者と連携
・患者に関する診療記録管理を行うにつき必要な体制を整備
・緊急時に居宅において療養を行っている患者が入院できる病床を常に確保
・24時間連絡を受ける保険医又は看護職員をあらかじめ指定
・患者からの緊急時の連絡先の一元化
・月1回以上の定期的なカンファレンスの実施
・過去1年間の緊急の往診の実績を5件以上
・過去1年間の在宅における看取りの実績を2件以上
です。

このほか24年改定では、医療機関間連携等を行い緊急往診と看取りの実績等を有する医療機関について、
・緊急時・夜間の往診料の引き上げ
・在宅時医学総合管理料の引き上げ
・在宅患者緊急入院診療加算の引き上げ

が行われました。
また、在宅ターミナルケア加算の評価体系の見直し(ターミナルケアの評価をプロセス評価と看取り評価に分離)と、在宅緩和ケアの充実(緩和ケア専門の医師・看護師と、在宅医療を担う医療機関の医師・看護師が共同して、同一日に診療・訪問を行った場合を評価)も行われました。

(保健医療経営大学学長ブログ転載)

▼参照記事

産経ニュース記事:
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120217/bdy12021708240001-n5.htm

医師ら、「機能強化型」新設に懐疑的

(2012.2.17 08:21 の配信記事)

増えるか、在宅看取りの医療機関

 4月から2年間の診察や治療にかかる価格が決まった。膨れ上がる医療費を抑えるため、国は長期入院の価格を引き下げ、在宅医療の価格を引き上げて医療機関に取り組みを促す。夜間や深夜の往診など、在宅看(み)取りに関する価格が大幅に引き上げられるが、引き上げ対象の医療機関は一定条件で絞られる。在宅に携わる医師からは不満の声も上がっている。(佐藤好美)

 堺市に住む杉山文子さん(86)は4年前、85歳の夫を自宅で看取った。夫は検査入院で腎臓がんが見つかったが、痛みもなく、家に帰りたがった。主治医とも相談し、家で看取ってくれる医師と看護師を探し、桜の花が咲く頃に退院した。

 家には同居中の孫もおり、息子や娘や孫が入れ代わり立ち代わり来てくれた。夫は「あれが食べたい」「これが食べたい」と言っては好きなものを食べ、庭木にオレンジを刺してメジロが来るのを楽しんだ。亡くなるまで約2カ月。その間に孫7人を含む10人で思い出の地へ温泉旅行もした。

 山口県で開かれた孫の結婚式には出られなかったが、夫はベッドで“実況写メール”を見て結婚式を堪能。その後、親族が下関へ回った様子を見ながら、「ふぐ、ええなあ」などと言っていた。

亡くなったのは翌日だった。杉山さんはその日のことはもうよく覚えていない。「親族一同が昨日は白ネクタイだったのに、翌日は黒ネクタイで集まり、『おじいちゃん、結婚式待っててくれはったのかなぁ』なんて話しました。ずっとにぎやかだったから、私も気楽に世話ができた。主人も本当に楽しんでいて、あれで良かったと思います」という。しかし、同時に夫は運が良かったとも思う。「みんな家で暮らしたい。でも、医師や看護師や介護職が来てくれても、その合間が1人ではなかなか難しい。私も主人にあやかりたいですが、なかなか条件がそろうものではない。大変だと思います」と話している。

 

実績で分類

 

 

 こうした在宅の看取りに携わる「在宅療養支援診療所(在支診)」は平成18年に制度化され、手厚い診療報酬がつくようになった。しかし、数こそ22年に1万2500カ所まで増えたものの、年に1人以上を看取る在支診は半数にとどまる。

 

 背景には、1人態勢の開業医が患者の24時間をカバーするのが難しい現実がある。しかし、42年までに死亡者は約40万人増えるとみられ、看取り先の拡大は急務。

 

 このため、国は来年度から在支診の中でも、(1)常勤医が3人以上(2)過去1年間の看取りが2件以上-など、実績のあるところを「機能強化型」に分類。外来時間帯に生じた緊急往診の加算を2千円引き上げて8500円に、夜間や深夜の加算を有床の在支診などで4千円上げて、1万7千円と2万7千円にする(いずれも自己負担は1~3割)

複数の医療機関が連携して条件を満たすことも可能で、国は医師の連携を促し、在宅看取りの増加を図る。

 

やる気そぐ

 

 

 しかし、在宅に携わる医師からは不満がもれる。東京都内で在宅医療を行う病院(在支病)の副院長は「在宅ばかりをマニアックにやる医療機関はいいかもしれないが、地域で年に何件か在宅看取りをしてきた医療機関のやる気をそぐ」と批判的だ。

 

 この病院は現状では「機能強化型」に移行できず、移行しなければ診療報酬に大きな増額はない。「開業医の連携は容易でないが、他のクリニックに声をかけて移行するか検討する」という。

 

 中部地方で20年前から在宅看取りを行ってきたクリニックの院長は「患者や家族の気持ちは、在宅看取りについていっているのか」と疑問を感じる。ここ数年、むしろ在宅での看取りが難しくなったように感じるからだ。

 

 「家で看取るには、家族のがんばりや覚悟もいる。しかし、単身、認知症、遠距離介護が増えた。一方で介護保険が浸透して施設の質も上がり、高齢者の施設志向は高まっている。私が訪問診療をする患者でも『最後まで自宅で』という人より、緩和ケア病棟や特別養護老人ホームやグループホームの空き待ちという人が多い」という。

 

 

公益性高めて

 

 

 兵庫県尼崎市の「長尾クリニック」は土日も外来を行う。常勤医6人を抱え、年50人以上を在宅で看取る。現状で「機能強化型」に移行できる医療機関だが、今回の施策には懐疑的だ。

「開業医の中には在支診の看板を掲げず、看取りをする医師も多い。こうした医師を評価するのが先だと思う。国は在宅看取りを増やさなければ、とあせっているのではないか」とする。

 だが、方向性としては致し方ないとも思う。高齢化がピークを迎える37年に向け、中学校区で医療も介護もカバーする態勢を作るには、看取りに携わる医療機関の普及は必須の課題だ。

 

 長尾和宏院長は「機能強化型の在支診は今後、公益性を高めて緩和ケアの普及や研修医受け入れなどをすべきだ。そうすることで金もうけで在宅に携わり、満足に緊急対応もしない質の悪い医療機関も淘汰(とうた)される」と話している。

 

                   ◇

 

特養の看取り加算、がん以外も可

 

 これまでは、在支診・在支病の医師が特別養護老人ホーム(特養)の入所者を看取っても、看取りの加算は「末期がんの場合」しか算定できなかった。

 

 このため、施設はがんでない入所者を誰に看取ってもらうかという難題に直面。看取るためだけに救急車で病院に搬送するなどの事態が生じていた。施設職員からは「厚労省は施設での看取りを推進するが、在支診の先生に往診を頼んでも、がんでない入所者の場合は難色を示される。老衰で死ぬ人もいるのに…」(神奈川県の特養の看護師)などの不満が上がっていた。

しかし、来年度からは在支診の医師などが入所者を看取ると、末期がんでなくても、死亡前30日は関連の診療報酬が請求できるようになる。看取りの態勢が整わず、四苦八苦だった特養のスタッフは「良かった。これでもう一度、医師に当たってみられる」と話している。

(引用させていただきました。ありがとうございました。)

      かささぎの旗

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コメント

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右の「最新のコメント」欄をクリックして最新のコメントを読んでいるのですが、およそ10個前以前のコメントが読めなくなるので、短時日でコメントが蓄積すると貴重なコメントが読めずじまいになります・・・

同感です。

はあ、すみまそん。
順位はご愛嬌として。
何がしかの気づきがありましてな。
自分のためにやっとんのやなあ、と、つくづく思いますわ。かんにんえ

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