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2013年3月22日 (金)

医薬品の販売規制について~ネット販売全面解禁をめぐって官邸VS厚労省

保健医療経営大学学長

橋爪章
2013 年 3 月 22 日 医薬品の販売規制について
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昨日、「薬のネット販売、官邸と自民厚労族の間で攻防」という記事が配信されました。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130321-OYT1T00155.htm

政府の規制改革会議が今月8日にインターネットを使った一般用医薬品(市販薬)の販売の全面解禁を求めたことに対し、自民党の厚労族議員が反対しているという報道です。

ネガティブな想像の余地を与える「族議員」という用語をあえて用いるのは、読者に対する印象操作となりますので、報道姿勢としてはアンフェアです。

「経済政策と医療安全政策との間に争点があり、調整中」というのが真実のところで、読者には、争点を解説してどちらの言い分に理があるかの判断材料を提供してほしいところです。

そもそもの発端は、本年1月の、医薬品のネット販売規制を無効とした最高裁判決です。

ネット販売業者が医薬品のネット販売の禁止は違法であるとして2009年に東京地裁に提訴し、一審は敗訴したものの、2012年4月の東京高等裁判所における控訴審で勝訴したため、国が上告していました。

1月の最高裁判決は、国の上告を棄却するものでした。

厚生労働省は、薬事法施行規則により、一般用医薬品のうち副作用のリスクが特に高い「第1類」医薬品と、比較的高い「第2類」医薬品(風邪薬、解熱鎮痛薬、漢方薬、妊娠検査薬、大半の胃薬、水虫薬等)の販売は薬局または店舗内での対面販売を必要としています。

対面販売の必要なしとされているのは副作用のリスクがほとんどない「第3類」医薬品(整腸剤、ビタミン剤等)のみです。

医薬品の多くは使用上の注意を必要とするため、一般用医薬品の3分の2は「第1類」医薬品か「第2類」医薬品に分類されています。

この規制によって多くの品目の一般用医薬品はネット販売ができませんので、消費者の利便を損なうものとして、裁判所によって薬事法施行規則の対面販売条件が「無効」とされたというわけです。

大多数の消費者は、「第1類」「第2類」医薬品であっても、自分で「使用上の注意」を理解した上、自己責任で使用するので問題ないのでしょうが、厚生労働省が気にしているのは、「使用上の注意」に反した使い方をするおそれがある一部の消費者の存在です。

症状が軽くはないのに、自己判断で一般用医薬品だけで治そうとしている患者には、対面販売で医療機関受診を促さなければ病気が悪化してしまいかねません。

このようなリスクを回避するために、専門的な教育背景の国家資格が与えられた薬剤師の存在意義があるわけです。

「多数者の利益(利便)」を守ろうとする主張と「少数者の不利益(リスク)」を回避しようとする主張の対立こそが、「官邸と自民厚労族の間」の争点なのです。

多数決の論理では多数者の利便を支持する意見が正当とされがちですが、医療行政はリスクの発生を最小化することに主眼が置かれています。

しっかりと論点を煮詰めなければ争点が噛み合わず、調整はできません。

対面販売による薬剤師の関与が担保されているために、これまで、多くの医療用医薬品が一般用医薬品へとスウィッチし、受診しなくてもドラッグストアで入手できる利便性が高まってきました。

対面販売が担保できないということになると、副作用が強い医療用医薬品を一般用医薬品へスウィッチすることができなくなりますし、一般用医薬品から医療用医薬品への逆スウィッチも必要となるかもしれません。

最高裁判決には従わなければなりませんので、厚生労働省は2月に市販薬のネット販売における(安全確保のための)ルール作りの有識者会議を設置しました。

官邸は6月にまとめる新成長戦略に市販薬のネット販売の全面解禁を盛り込みたい意向のようですが、医薬品販売は一般の物品販売とは根本的に異なるものであるだけに、難航が予想されます。

(保健医療経営大学学長ブログ転載)

▼鵲のひとりごと

なにげなく読まされて無意識のうちに刷り込まれる知識。

政府はtppで一気に切り崩したい山があるんでしょう。

それにしても学長引用の記事の、つぎの部分、笑った。

厚労省は2月に薬のネット販売のルール作りのための有識者会議を設置し、年内に結論を出す方針だが、稲田規制改革相は「のんびり議論していたら、6月に政府がまとめる新成長戦略に盛り込めなくなる」といらだちを強めている。

けさ、朝一で「アチンティア」を検索しました。
こないだからアクセスがあっていて、気にかかっていた。
ところが、自分の引用した稲津紀三師の仏教の知識しか、これといったものがでない。たしかに数の数え方の単位や、東南アジア圏で人気の神の名前にあがってはきますが、欲しいのはそういうのではありません。
あれは憲法九条の根幹をなす思想だと思うのですが、釈尊の未聞の法とセットになっているようで、わたしはまだわからないのです。
それをどなたかよくわかるように、説法してはくださらないでしょうか。

かささぎの旗は阿部重夫編集長ファクタ記事に時々トラックバックを送信します。
日々慌ただしい中でのブックマークの意味をかねています。
今朝リンクを見ていたら、アルジェリア関連の記事がつながっていました。
橋爪学長がアフリカへ行かれたころ、そういえばトラバした。ここに。

http://facta.co.jp/blog/archives/20130118001162.html
なぜ今?・・と思えば、ファクタでの記事アクセストップに日揮の天皇とあだ名されているお方のことが書かれているからのよう。
すごい遠響き。へえ~・・・・
あべしげさんはいくつも先を見ておられる。

ファクタのあるところ。
http://facta.co.jp/com/

お茶の水の昇龍館。明治大学の近くですね。
かささぎは一度だけ阿部編集長にあったことがあるんですが、それ、明治大学の、シコンカンてとこでした。
昇竜館に紫紺館。へえ~!!

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コメント

ネット販売はそんなに危険か、という高橋洋一の論を読んだ。なるほどと感心させられた。

厚生労働省vお薬の販売方法について

1位

この周辺も大変面白い記事がありますので、生ログつっこんじん、やらねば。

(まよなかにふとんのなかでスマホ
目がわるくなるはずだわ)

ネットショッピングが増え、荷物宅配業者の仕事量、限界超え。苛立ちのあまり、荷物にやつあたりするニュース動画が話題になる。
きもちはわかります。

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