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2013年1月15日 (火)

医療費適正化計画(10) 基本的事項

保健医療経営大学学長

橋爪 章

2013 年 1 月 15 日 医療費適正化計画(10)

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「医療費適正化に関する施策についての基本的な方針」(厚生労働省告示)に記載の「都道府県医療費適正化計画の作成に当たって指針となるべき基本的な事項」のうち「計画の内容に関する基本的事項」は次の通りです。
数値目標として、特定健康診査の実施率70%以上、特定保健指導の実施率45%以上、メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の減少率25%以上が掲げられています。
平均在院日数の短縮に関する目標については、急性期医療機能の強化、病院・病床機能の役割分担・連携の推進、在宅医療の充実等を内容とする医療提供体制の整備と地域包括ケアシステムの構築に取り組み、患者の早期の地域復帰・家庭復帰が図られることが期待されています。

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1住民の健康の保持の推進に関し、都道府県において達成すべき目標に関する事項
第二期都道府県医療費適正化計画における「住民の健康の保持の推進」に関する目標値としては、以下のものが考えられる。これらの目標値については、平成27年度の中間評価を踏まえ、必要に応じ見直しを行う(第2の二の1参照)。
(1)特定健康診査の実施率に関する数値目標
特定健康診査の実施率に関する全国目標は、平成29年度において40歳から74歳までの対象者の70%以上が特定健康診査を受診することとする。各都道府県の目標値は、第一期都道府県医療費適正化計画の計画期間における各保険者の特定健康診査の実施率の実績を踏まえ、全国目標の実施率を保険者全体で達成するために、各制度ごとの保険者が実績に対して等しく実施率を引き上げた場合の各制度ごとの実施率を保険者種別ごとの目標とするという考え方に基づき、これと各都道府県における保険者の構成割合を勘案して別紙一の推計方法により算出した数値を参考に、各都道府県において設定することが考えられる。
(2)特定保健指導の実施率に関する数値目標
特定保健指導の実施率に関する全国目標は、平成29年度において、当該年度における特定保健指導が必要と判定された対象者の45%以上が特定保健指導を受けることとする。各都道府県の目標値は、第一期都道府県医療費適正化計画の計画期間における各保険者の特定保健指導の実施率の実績を踏まえ、全国目標の実施率を保険者全体で達成するために、各制度ごとの保険者が実績に対して等しく実施率を引き上げた場合の各制度ごとの実施率を保険者種別ごとの目標とするという考え方に基づき、これと各都道府県における保険者の構成割合を勘案して別紙一の推計方法により算出した数値を参考に、各都道府県において設定することが考えられる。
(3)メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の減少率に関する数値目標
メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の減少率に関する各都道府県の目標値は、平成20年度と比べた平成29年度時点でのメタボリックシンドロームの該当者及び予備群の減少率を、25%以上の減少とすることを目安に、各都道府県において設定することが考えられる。減少率は、各都道府県における、平成20年度のメタボリックシンドロームの該当者及び予備群の推定数(平成20年度の年齢階層別(5歳階級)及び性別でのメタボリックシンドロームの該当者及び予備群が含まれる割合を、平成29年4月1日現在での住民基本台帳人口(年齢階層別(5歳階級)及び性別)で乗じた数をいう。以下同じ。)から平成29年度のメタボリックシンドロームの該当者及び予備群の推定数(平成29年度の年齢階層別(5歳階級)及び性別でのメタボリックシンドロームの該当者及び予備群が含まれる割合を、平成29年4月1日現在での住民基本台帳人口(年齢階層別(5歳階級)及び性別)で乗じた数をいう。)を減じた数を、平成20年度メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の推定数で除して算出することが考えられる。
(4)たばこ対策に関する目標
がん、循環器疾患等の生活習慣病の発症予防のためには、予防可能な最大の危険因子の一つである喫煙による健康被害を回避することが重要である。また、受動喫煙は、様々な疾病の原因となっている。こうした喫煙による健康被害を予防するためには、国だけではなく、都道府県においても普及啓発等の取組を行うことが重要である。このため、都道府県においては、例えば、禁煙の普及啓発施策に関する目標を設定することが考えられる。
2医療の効率的な提供の推進に関し、都道府県において達成すべき目標に関する事項
第二期都道府県医療費適正化計画における「医療の効率的な提供の推進」に関する目標値としては、以下のものが考えられる。この目標値については、平成27年度の中間評価を踏まえ、必要に応じ見直しを行う(第2の二の1参照)。
(1)医療機能の強化・連携等を通じた平均在院日数の短縮に関する目標
急性期をはじめとする医療機能の強化、病院・病床機能の役割分担・連携の推進、在宅医
療の充実等を内容とする医療提供体制の整備及びできる限り住み慣れた地域で在宅を基本とした生活の継続を目指す地域包括ケアシステムの構築に取り組む必要がある。こうした取組が実施された場合には、患者の病態に相応しい入院医療が確保されるとともに、在宅医療や介護サービス等との連携が強化されることにより、患者の早期の地域復帰・家庭復帰が図られることが期待される。これらを通じて、医療費の対象となる病床に係る平均在院日数(以下「平均在院日数」という。)の短縮が見込まれるところである。以上に基づき、各都道府県の医療費適正化計画においては、都道府県が定める医療計画における基準病床数等を踏まえ、平成29年度における平均在院日数の目標値を設定することが考えられる。なお、目標値を設定する際の参考資料については、別途、情報提供するものとする。
(2)後発医薬品の使用促進に関する目標
国において作成する後発医薬品推進のためのロードマップにおいて、限られた医療費資源を有効に活用する観点から、国や関係者が取り組むべき施策等を定めることとしており、国としては、これを踏まえ、都道府県医療費適正化計画の作成の手法等に関する技術的事項の助言を行う予定である。都道府県においても、患者及び医療関係者が安心して後発医薬品を使用することができるよう、後発医薬品の使用促進策の策定や普及啓発の取組を行うことが重要である。このため、各都道府県においては、後発医薬品の使用促進に係る環境の整備を図る観点から、例えば、都道府県域内における後発医薬品の数量シェアや普及啓発等施策に関する目標を設定することが考えられる。
3目標を達成するために都道府県が取り組むべき施策に関する事項
第二期都道府県医療費適正化計画において、1及び2で設定した目標値の達成のために、都道府県が講ずることが必要な施策としては、以下のものが考えられる。
(1)住民の健康の保持の推進
各都道府県は、その都道府県域内で実施される特定健康診査及び特定保健指導(以下「特定健康診査等」という。)をはじめとする保健事業等について、保険者、市町村等における取組やデータ等を把握し、全体を俯瞰する立場から円滑な実施を支援するとともに、自らも広報・普及啓発など一般的な住民向けの健康増進対策を実施することが必要である。その際、全体として医療費適正化が達成されるように、例えば、特定健康診査等の実施主体である保険者に対して保健所から提供された地域の疾病状況等の情報を提供するほか、特に、被用者保険の被扶養者の特定健康診査等の実施率の向上に向けて、市町村が行うがん検診等各種検診の情報と特定健康診査等の情報を共有し、同時実施等に関する効果的な周知について技術的助言を行うことが期待される。また、特定健康診査等に携わる人材育成のための研修の実施、被保険者の指導等の保健事業の共同実施等を行っている保険者協議会に対する助言や職員の派遣による支援、幼少期からの健康に関する意識の向上や市町村における先進的な取組事例等についての情報提供、都道府県自身によるデータの分析やマスメディア等を利用した健康増進に関する普及啓発等の取組を行うことが考えられる。こうした取組を通じて、都道府県が特定健康診査等の実施率の向上並びにメタボリックシンドロームの該当者及び予備群の減少に主体的な役割を果たすことが期待される。併せて、住民の健康意識を高めることが医療費適正化にも資するとの観点から、予防接種の接種率の向上に向け、実施主体である市町村に加えて保険者が普及啓発等を行うことが期待されるところであり、都道府県においてその支援を行うことが考えられる。さらに、たばこ対策としては、保険者、医療機関、薬局等と連携した普及啓発の促進や、相談体制の整備等の取組を行うことが考えられる。
(2)医療の効率的な提供の推進
①医療機関の機能分化・連携
平成25年度からの新たな医療計画においては、5疾病・5事業及び在宅医療ごとに、例えば、地域連携クリティカルパスの活用等により各医療機関が地域においてどのような役割を担うのかを明らかにしていくこととされている。これらは医療の効率的な提供の推進に関連する事柄であり、第二期都道府県医療費適正化計画においても、医療機関の機能分化・連携を図るために都道府県が取り組むべき施策として考えられる。なお、都道府県医療費適正化計画の策定の際は、医療計画の関係する箇所における記述の要旨又は概要を再掲することや医療計画と一体的に作成することでも差し支えないこととする。また、療養病床については、機械的な削減は行わないこととしているが、引き続き、転換に関する相談窓口の設置など具体的な支援措置について記載するものとする。
②在宅医療・地域ケアの推進
入院医療から地域及び自宅やケアハウスなど多様な住まい(以下「在宅」という。)における療養への円滑な移行のためには、在宅医療や在宅での看護・介護サービスの充実を推進するほか、住宅施策との連携を含めた受け皿の整備が不可欠である。第二期都道府県医療費適正化計画においては、できる限り住み慣れた地域で在宅を基本とした生活の継続を目指す地域包括ケアシステムの構築に取り組むことが重要であることから、在宅医療・地域ケアに係る体制の整備の推進に関する施策を記載することが考えられる。なお、都道府県医療費適正化計画の策定の際は、医療計画及び介護保険事業支援計画の関係する箇所における記述の要旨又は概要を再掲することや医療計画と一体的に作成することでも差し支えないこととする。
③後発医薬品の使用促進
第二期都道府県医療費適正化計画においては、都道府県域内における後発医薬品の使用促進策等について記載することが考えられる。こうした施策としては、例えば、後発医薬品を医療関係者や患者が安心して使用することができるよう、医療関係者、医療保険者や都道府県担当者等が参画する、後発医薬品の使用促進に関する協議会を活用して都道府県域内における普及啓発等に関する施策を策定・実施することが考えられる。また、後発医薬品の使用促進のため、自己負担の差額通知を含めた医療費の通知を行う保険者と地域の医療関係者との連携・協力に対し、都道府県が支援を行うこと等も考えられる。これらの施策を実施する際は、関係者等の意見の把握に努め、施策の課題を抽出し、その解決に向けた目標の設定及び施策の明示、進捗状況の評価等を実施し、必要があるときは、施策に反映していくことが有効である。特に、個々の取り組むべき施策が個別目標の達成に向けてどれだけの効果をもたらしているか、施策全体として効果を発揮しているかという観点から評価を行うことが重要である。
4目標を達成するための保険者、医療機関その他の関係者の連携及び協力に関する事項
3に掲げた取組を円滑に進めていくために、都道府県は、住民の健康の保持の推進に関しては保険者及び健診・保健指導機関等と、医療の効率的な提供の推進に関しては医療機関及び介護サービス事業者等と、普段から情報交換を行い、相互に連携及び協力を行えるような体制作りに努める必要がある。こうした情報交換の場としては、3の(1)の保険者協議会のほか、地域・職域連携推進協議会、医療審議会等の積極的な活用が期待されるが、会議の場だけではなく様々な機会を活用して積極的に連携・協力を図ることが重要である。特に、都道府県においては、保険者による医療費適正化の取組と連携を深めることが必要である。このため、都道府県医療費適正化計画の策定に当たっては、第1の一の3(1)の関係者の意見を反映させる場への参画を保険者に求めることに加えて、保険者協議会の構成員の一員として運営に参画するなど、連携を深めることが望ましい。また、保険者協議会その他の機会を活用して、必要に応じて、保険者が行う保健事業の実施状況等を把握したり、保険者が把握している被保険者のニーズ等を聴取するなど、積極的に保険者と連携することが望ましい。なお、保険者による医療費適正化の推進や加入者の健康づくりの推進、さらには医療提供体制に関する議論への参画等の保険者機能の発揮が円滑に行われるよう、厚生労働省において、保険者機能に関するガイドラインを示すための検討を行う予定である。
5都道府県における医療に要する費用の調査及び分析に関する事項
都道府県は、都道府県医療費適正化計画の内容に資するよう、医療費の伸びやその構造等の要因分析を行う必要がある。詳細は第3を参照のこと。
6計画期間における医療に要する費用の見通しに関する事項
都道府県は、各都道府県民の医療費の現状に基づき、5年後の医療費の見通しを算出する。具体的な算出方法は、別紙二を参考にすることが望ましいが、どのような算出方法を採る場合においてもこの見通しは第1の二の1及び2に示す目標値と相互に関連するものであり、全体としてこれらの目標値とこの見通しとの整合性の確保に留意する必要がある。
7計画の達成状況の評価に関する事項
都道府県医療費適正化計画の達成状況を評価し、その結果をその後の取組に活かしていくため、都道府県は、計画の中間年度及び最終年度の翌年度にそれぞれ評価を行う。詳細は第2を参照のこと。
8その他医療費適正化の推進のために都道府県が必要と認める事項
第二期医療費適正化計画においては、都道府県独自の取組を主体的に計画に位置付けることが望まれる。その場合は、関連する事業内容等について、3に準じて定めること。都道府県独自の取組を位置付けるに当たっては、都道府県が保有するデータ又は国から提供するデータを基に課題の分析を行い、取組に反映することが望まれる。こうした取組の例としては、例えば情報通信技術等を活用した保健師等の訪問指導による重複頻回受診の是正や診療報酬明細書の審査及び点検の充実、医療費通知の充実、意識啓発を通じた適正な受診の促進、地域連携クリティカルパスに関する協議会の設置、医療機関間の主要な診療情報の相互参照を可能とする地域医療情報連携システムの導入など情報通信技術を活用した医療機関間の連携等が考えられる。なお、これら取組例のうち、市町村等都道府県以外が実施主体となる取組については、その積極的実施の支援又は促進が都道府県の施策となる。

(保健医療経営大学学長ブログ転載)

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