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2012年12月23日 (日)

平成23年患者調査(5) 入院および外来患者数の推移と「脱入院」という言葉

保健医療経営大学学長

橋爪 章

2012 年 12 月 23 日 平成23年患者調査(5)

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入院患者数の推移は次の通りです。

____平成11  14  17  20  23年
総  数   148 145 146 139  134万人
75歳以上   52  57  64  65    66万人

総数が減少しているのは病床数が減少しているからでしょう。
75歳以上は高齢化の進行とともに増加していますが平成17年調査以降は鈍化しています。

外来患者数の推移は次の通りです。
____平成11  14  17  20  23年
総  数 684 648 709 687 726万人
75歳以上 118 126 152 159 183万人

外来患者の総数には増減がありますが75歳以上は一貫して増え続けています。
近年は、75歳以上について入院患者数と外来患者数との比が大きく低下しています。
後期高齢者の脱入院が着々と進んでいることが窺えます。

(保健医療経営大学学長ブログ転載)

▽かささぎの一人ごと

脱入院ということばについての連句的メモ

脱入院なんて言葉、はじめてだ。
過去にみているかもしれないが、かささぎは今はじめて気になった。
検索すると真っ先に出てくるのは、このことばの英訳語でした。
むずかしい。 deinstitutionalization ディいンすティてュー書なり税ション。

精神病者を巷に戻すこと。脱施設化。これが原義みたい。
打ち消しのdeがついているのをとれば、
institutionalization インスティてゅー書なり税ション【医療】(高齢者/精神障害者/アルコール依存症患者等のnursing homeへの)施設収容((入院hospitalization対比する用語

して、つぎにでますのは、これです。

立命館大学大学院 三野宏治氏の研究論文、。
http://www.arsvi.com/2000/0906mk.htm

アメリカ。
精神病患者への扱い方が大きく変わった変節点にあるのが、ケネディ教書。
冒頭を、まるごとご紹介いたします。

アメリカの精神医療における脱入院化の大きな転機は、1963年の「精神病及び精神薄弱に関する大統領教書」(Special Message to the Congress on Mental Illness and Mental Retardationいわゆる「ケネディ教書」)である。精神障害者の置かれている現状を批判し、地域でのケアを謳ったことが評価されているが、その教書を転機に始まった「脱入院化」にたいしては、退院後の地域支援策のなさへの批判が主である。
地域ケアへの移行に関していうと、教書の出された1963年以前に、精神衛生運動などの動きがすでにある。また、脱入院政策後の地域ケアの無さを原因とした問題は指摘されてはいるが、その対応についての言及は多くはない。
本発表では、1963年以前の出来事に関して少しふれ、「ケネディ教書」の成立過程と問題点を、教書を受けての「脱入院」施策後から1980年『精神保健体系法』までの状況を、政治的あるいは経済的要因を含めのべる。

で、以下は、速読いたします。

1961年、ケネディ大統領は就任後すぐ、精神発達遅滞者のための「大統領パネル」を置し、重要ポストを姉のユーニスに与えた。

ケネディの計画では、人口20~40万の地域を担当するCMHC を1500作る予定だったが、1970年代後半でもCMHCの数は600ほどである。これは当時ベトナム戦争の戦費拡大にともなって地域の精神疾患ケア予算の削減という経済的原因があるとされる。
しかし、CMHCやそのたの地域ケアに対する資源の量的不足だけではなく、地域生活を支援するといった視点の不足でもあったとする考えもある。
CMHCの基本機能として考えられたものは以下の5つである。
1:入院治療 2:救急サービス 3:部分的入院 4:外来治療 5:コンサルテーション、教育。そして、医師、看護、心理、ソーシャル・ワーカーなどの他職種から構成されており、人的配置からは社会的、心理的ケアを提供できるものであった。しかし、実際には慢性患者のケアよりも危機介入に重点を置いたため、慢性患者に対応することが少なかった。

ニューヨーク市福祉局精神保健部長のロバート・リーチは「慢性精神病病者のケア- 国家的恥辱」という論文で「ニューヨーク市には5千を超すナーシングホームのベットがあるが、その半分は精神病院を退院させられた慢性精神病者で占められている。これらの多くは失敗したモーテルか、古びた旧式ホテルの転業者によって経営され、ただ、部屋と賄いを提供するだけである。……元患者の多くは、場末の簡易旅館に集まってくる。そこには売春婦、出獄者、麻薬常習者たちのねぐらである。元患者たちは最も弱いグループに属するから、彼らは容易に現代社会の掠奪者の餌食にされ、暴力の犠牲者、身体的侵害の被害者にされてしまう。…… 孤立無援の精神障害者を敵意に満ちた地域社会に放り出そうとする現在の政策は道義に反し、非人道的である。それは、中世の精神病者が街をさまよい、悪童たちが彼らに投石する情景の再現にほかならない。これこそまさに国家的恥辱 (national disgrace)である。  

(ここからうんとすっとばしてごめんなさいよ)

退院後の行き先のなさについては日本でも少なくないのだが、アメリカにおいての行き先が住居を含むという点においては、我が国と状況が違う。しかも、1960年代後からは地域の一部がゲットー化するほど多くの精神障害者が過酷な状況に置かれていた。日本ではそのような事態は考えにくい。

わが国においても社会的入院解消のための退院促進は現在事業化され全国で行われており、それは突然退院促進の取組がおこったわけではない。各地域の地道の取組が、行政の施策という経済的や法的な根拠をもつことによって全国規模になっている。もちろんこれら「脱入院化」のアイデアと蹉跌を現代日本の状況になぞらえて考えることが出来ない。ただ、社会的入院患者に対する退院促進を政策として掲げられる一方で、その政策のもと地道な実践を行う人達がいる。将来これらの取り組みを、「日本における退院促進についての様々な取り組み」とせず、政策がその理念や実践からの由来であることについて確認の一助となることを願う。

以上、あらましを学ばせていただきました。
厚く御礼もうしあげます。

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