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2012年11月 8日 (木)

九州俳句誌連載「かささぎの旗」15

 かささぎの旗(15)

              姫野恭子

 

 

 行雲流水青野の奥へ行くひとり

 

    宮部鱒太『九州俳句』148号

 

ミで始まる作者名のところに氏の名前がな
 
いこと、それが死ぬということだ。と、宮部

鱒太翁は最後にかささぎに教えてくれた。

 

 白い人影はるばる田をゆく消えぬために

 

      金子兜太 昭和三十年

 

     (円錐2012・秋号より)

 

 この句、亡くなる前の年の私の父を連れて

くる。癌除去手術後の蒼白なからだで田んぼ

に立った。ゆらゆらとして、すでにこの世の

ものではないような気がした。大丈夫、と、

尋ねることもしなかった。大丈夫でないのは

父が最もよくわかっていたからだ。

 

 少年の日向ぼっこは下を向く

 

       中島偉夫  九州俳句誌旧号

 

 えらおさんがなくなった。なくなられた。

わが父と三日しか違わない日に。振り返れば

こうして本誌に私ごときが文章を書かせて戴
 
くようになったのも、この句への共感を綴っ
 
たころからだったように記憶する。

 

 勤務先の工場に欠勤願を書いて、九月の週
 
末に東京の連句会二つをはしごした。前田圭
 
衛子師が声をかけてくださったからできた事。

前日の九段の連句会では、同級生の集まりで

皆が対等なのでリーダー不在、そのような座

ではどのように連句作品を巻いていくべきか。
 
前田師はどの人にも捌(さばき)を体験させ
 
るのがいいと、順番に三句づつ各人に捌かせ

て、選句とその理由、没にした句はその理由

をみなが納得いくように説明するように指導

された。これは実際によい方法であった。私

の周りに自然にできた連句の座も、次回から

このような方法をやってみようと考えている。

 

 翌日行ったのは、横浜の伊藤眠主宰俳諧誌
 
『雲』の定例会。さばきは西鶴研究者の浅沼
 
璞氏であった。自由律の連も混じる氏創案の

歌仙を巻く。連衆は初対面、れぎおんに依る

俳人、連句人。私にとっては何が面白かった

かといえば、それぞれの人たちの無意識の個性。

たとえば、ハクさんは三宅島が親御さんの故郷

という東京人なのだが、その話し言葉の東京弁

が非常に興味深かった。ちがって、を、ちがく
 
てという。わたしは前から気になっていたので、
 
会話の途中だったが、聞いてみた。するとこれ
 
は正式な言葉であるという答え。東京の人は皆

そう思っているのだろうか。ネットでもその後

調べているのだが、正解はわからぬままだ。

 

 ことばは生きていて、今この瞬間も絶えず動

いている。これが正統だと誰が言えるだろうか。

自分では標準語で書いているつもりの作品でも、

知らず方言が混じっていることがある。濃い、

これを「濃ゆい」というが、方言なのだそう。

方言でも正統ではなくても、使いたいように

使うのだが。

 

 今年の九州俳句賞は谷口慎也先生のところの

森さかえ氏が取られた。おめでとうございます。

かささぎは一度お会いしたことがあるのだ。さて、

その作品に異を唱えるつもりは全くないけれど、

書いておかねばならない。旧かなの間違い。

だれでもどんなベテランでも間違うのが旧仮名

だけど、賞をとればとった時点で、正しい仮名遣い

に訂正されてほしいような気もした。すなわち、

九州俳句のメンツにかけて。たくさんの先生方、どう

思われます。間違いは間違いのままでよろしい。

というお方もいらっしゃるだろう。しかし、。

雲の伊藤眠さんは全部の作品の間違いに手を入れる

そうです。(自分の勉強のために、というところが、
胸を打ちます。)

問題提起としてこれを書きました。

168号九州俳句誌より引用

▽鵲のひとりごと

かなづかいについて、一度きいてみたかった。
ちょうどのときに、森さかえさんが間違ってくださった。
ありがとうございます。

俳句よりもっと旧仮名の世界である短歌の世界では、。
山下せいこにきいたところ、やまなみでは、先輩が正されるとか。

九州俳句誌はいま一人での編集ではない。

以前の中村重義編集長時には、よく後記で愚痴っておられたっけなあ。
自分で辞書に確認して新旧かなの混在しないようにお願いする、と。
もういじらないでそのままにする、とも書いておられたんじゃなかったか。
自分の責任で言葉をはっしなさい、ということ。

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