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2012年11月18日 (日)

九州俳句168号より

澤田都紀子  八女

木々どれも膨れて動く夕立かな
空蝉や子を背負いたる日の重さ
平行に鳴いて眠りし夜の蝉
かなかなかなかな二度聞き夏終わる
ちちろ鳴く小さく哀しい壁のしみ

角倉洋子  日田

大夕焼水を恨みて水使ふ
水引草豪雨の汚泥乾き得ず
草虱さびしくなれば人につく
子の家族去りし盆後を翅のおと
夫ほどに磨けぬ盆具亡夫迎ゆ

瀧 春樹   大分

噛めば歯に纏いつく飴梅雨荒ぶ
東電や田水に狂う蜷・田螺
手水舎に痩せて翳曳く青蜥蜴
七輪をはみ出て秋刀魚の目に泪
暗然と月下の墓標村痩せる

谷口慎也   大牟田

葬送の鳩翔び立ちぬすぐ戻る
大揚羽柱を嗅いで出てゆけり
にんげんが見えぬあの町祭笛
心臓に花野かさなり眠くなる
予定より命あまればどんぐり余る

東妙寺らん  八女

秋の蚊や恨みつらみの痒きこと
秋祭露天へ誘う弾む声
美と健康CM多し敬老日
野分だつここはとばかり腹筋す
天高し鷹の翼を仰ぎ見る

中山宙虫  熊本

僕たちが戻れぬ基地の葛の花
空っぽの部屋にあふれる精霊とんぼ
虫たちに村は時間を委ねおり
幸福などいらず柿の実もいでいた
後世に誰かが残す毒きのこ

秦 夕美   福岡

血の音のはつかに高し萩月夜
うつうつと落暉をいだく芒かな
鏡中に棲める老婆や大雷雨
夕虹をむんずとつかむ日本海
仮の世やまた踏みしだくねこじゃらし

姫野恭子  八女

平成24年秋お観音講解散

残菊や観音さんを運び去る 
たましひを抜かれてわたし蓮の実
女郎蜘蛛十月の空股挟み
再びの破門たまはり黄落期
山太郎一峡ごとに山壊(く)えて

森 さかえ  みやま

緑陰に大魚のねむる気配あり
さねかずら食指のうごく方へ行き
つんつんと乳首立ちたるごとく秋
天の川あじさい色の靴はいて
葱切ればことに明るき葱のそば

(アイウエオ順)

※ことしの九州俳句賞はみやま市の森さかえ氏が受賞されました。
おめでとうございます。上に引用の句は九州俳句168号からのものです。
鹿児島のてるおかこうずい氏のとかみやざきのうだふたお氏のとか引きたいのですが、また別の機会にゆずります。すみません。

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コメント

あれ?九州って八女ばっかりじゃん。
ごめんごめん。つい身内びいき。(しすぎだっつの!
らんちゃんは広川じゃないの。
ときにわからない地名の場合があるよ。合志とか小林とか。←この、こばやしってどこかなあ。
あと、室蘭ひとり、横浜ひとり。しらべさんもはいればいいのに。さくらさんもね。年に四回発行です。

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