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2012年10月 5日 (金)

チクングニア熱(2) 感染の具体例~福岡の報告例より

保健医療経営大学学長

橋爪 章

2012 年 10 月 5 日 チクングニア熱(2)

チクングニア熱の予防法は蚊に刺されないことです。

ワクチンや予防薬はありません。

治療法は、チクングニアウイルスの抗ウイルス薬はありませんので、対症療法(安静、輸液、解熱鎮痛剤)で熱と痛みの症状を緩和するだけです。

感染した人については、感染の連鎖を断ちきることが最重要で、症状がある最初の数日は家の中にいて、蚊に刺される事がないようにしなければなりません。

日本国内での流行を阻止するためには、感染者を発見し、感染者が蚊に刺されない対処を徹底しなければなりませんが、医療関係者にチクングニア熱についての知識がなければチクングニア熱の診断がなされることはありません。

本年、国内で4例確認されたということは、その4例に関与した関係機関がたまたまチクングニア熱を疑ったからであって、実際はかなりの数の感染者が「関節痛」の診断のみで解熱鎮痛剤の処方だけで看過ごされているのかもしれません。

チクングニア熱のような稀な症例がどのようにして発見されたのかは興味あるところです。

福岡の報告例は次のような経緯で発見されています。

本年7月19日朝、福岡県筑紫野市在住の30歳の女性が、全身倦怠感、筋肉痛、体熱感が生じ、市販薬を服用。

同日昼、悪寒。

同日夜、39℃の高熱。

20日朝、39℃の高熱、悪寒、全身脱力、目の充血、顔面発赤。

7月12~16日のシェムリアップ(カンボジア)滞在中、13~14日に蚊に多く刺されたことから、自らインターネットで調べてデング熱を疑い近医に相談し、感染症内科のある福岡赤十字病院を紹介され、受診。

初診時には、高熱、全身倦怠感、全身の筋肉痛、足・手首の関節痛、両眼結膜充血、顔面発赤、アクネ様の皮疹。

血液検査の結果は、白血球数・血小板数の減少、CRP値の軽度上昇。

デング熱の疑いで外来で経過観察とした。

21日、全身倦怠感が強く入院。

時折38℃以上の発熱を認め、解熱剤頓用で経過を見る。

両側上肢に散在性に紅斑が出現。

23日、両側上肢の紅斑は増強、癒合傾向を認める。

解熱傾向、全身倦怠感も徐々に軽減、炎症所見も改善傾向。

24日、両側下肢にも淡い散在性の紅斑が出現し、急速に拡大、癒合傾向。

体幹にも四肢に比して淡い散在性の紅斑。

25日、紅斑は消退傾向。

26日、関節痛改善し退院。

診断については、7月20日に採取した血清を使用し、デングウイルスとチクングニアウイルスについての検査を実施し、デング陰性、チクングニア陽性。

この症例は、国内でヤブカの活動が活発化し始めた時期に発生したが、帰国後は蚊にさされた自覚はなく、その後福岡での患者発生は認めなかったため、チクングニア熱の輸入例と診断。

この症例の場合、発症後患者が自らインターネットで調べてデング熱を疑ったことが速やかな専門医療機関の受診と診断に繋がっています。

デング熱を疑わなければ、また専門医療機関でなければ、ウイルス検査が行われないか、あるいはデング熱のみのウイルス検査しか行わず、原因不明の発熱と関節炎ということで終わっていたかもしれません。

シェムリアップは人気の観光スポットです。

同地域を旅行して蚊に刺されて帰国した日本人は大勢いるはずですが、その人たちがどうなっているかはわかりません。

(保健医療経営大学学長ブログ転載)

▽かささぎの一人ごと

おお。学長ブログ、今朝からニューデザインです。
かささぎ、まるごとかっさらってこようとして、降参。
ツイッターかれこれはダメです。

まだそこまでついていけません。
残念ながら時間がないんです。
はばたきましたねえ。学長。
かささぎ、目をしばしばさせて、みおくるのみ。

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