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2012年9月21日 (金)

破傷風について~ ワクチン接種を免れた年代の人がかかる

保健医療経営大学学長

橋爪 章

2012 年 9 月 21 日 破傷風

平成22年から毎年シリーズ放映されている「総合診療医ドクターG」(NHK総合木曜22時)という番組があります。

実際にあった症例が再現ビデオで出題され、全国の著名な研修指定病院を代表した3人の研修医が台本なしで診断を探り当ててゆく医療エンターテインメント番組です。

個人的には、毎回、私よりずっと早く、若い研修医たちが正しい診断に至るので、悔しいやら、自分の臨床経験の乏しさに情けなくなるやらで自己嫌悪ストレスに晒される番組なのですが、いよいよ次週が本年シリーズの最終回です。

昨日は48歳女性が人生2回目の山歩きの下山途中で首が痛くなり、ついに歩けないほどになったという症例でした。

番組の中でいろんなヒント症状が小出しにされるのですが、昨日は、研修医たちよりもずっと早い段階で正しい診断を出すことができたので優越感に浸ることができました。

正答は破傷風でした。

このような稀(日本では年に100人前後の発症)な感染性疾患だと、臨床経験よりも公衆衛生行政経験のほうが勘を磨けるのかもしれません。

世界では毎年数十万人が破傷風で命を落としていますので、国際協力の場面では稀な疾患ではありません。

破傷風菌の作用機序と毒素と抗毒素は北里柴三郎が発見しました。

破傷風菌は、いたるところ土の中や動物の糞の中にいる菌で、傷口から体内に入り、菌が出す毒素が筋肉などを侵します。

発症までの潜伏期間は3日から2か月です

首筋が疲れる、肩が強く凝る、口が開きにくい、舌がもつれるというのが初期症状で、治療(血清の注射)が遅れると全身が硬直し、呼吸筋が痙攣して窒息死に至ります。

破傷風菌の毒素の作用範囲は筋肉に留まるため意識には影響がありません。

このため患者は最期まで症状に苦しみます。

日本で破傷風の発症が少ないのは予防接種の普及のお蔭です。

破傷風ワクチンは小児定期接種の混合ワクチンに含まれています。

しかし、昭和43年以前は破傷風を含まない混合ワクチンが主に使用され、昭和50~56年には副作用によりDPT(ジフテリア、百日咳、破傷風)の三種混合ワクチン接種が中断されています。

このため、その時期生まれの人は破傷風に対する免疫がない可能性があります。

番組の症例は48歳でした。

(保健医療経営大学学長ブログ転載)

▽かささぎの思い出

夫が一度だけ入院したことがあります。
まだ一人目のこどもが赤ん坊のころ。
博多の那珂にいました。
週末は八女の実家(ここ)に帰っていた。
農業手伝いをするために。
今では考えられないが、私は自分のおやと祖母に大変気を使った。
なぜなら、入婿になってもらわねばならなかったのに、養子に来れない人と結婚したから。
夫もまた、町の人間は横着といわれたくなかったのだろう。
仕事がめいっぱいなのに、休みのときはついてきてくれた。
そして一度もいじったことのない土をいじった。
あるとき、庭を大幅に作り変えた。
庭師にまじって、古い土をいじった。
すると夫は怪我をしてその数日後熱が出た。
破傷風疑いという病名で入院した。
これにこりたのだろう。
夫は以後、もう決して、お百姓仕事を手伝わなくなった。

あの破傷風菌はどこからやってきたのだろう。
もしや、先祖の祟りかも・・・などと古風なことを思っていたが、そうじゃなかった。土の中には普通にいる菌なのですね。へえ。なんでそれがよりによって傷口にくっついてきたんだろう。

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