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2012年1月 9日 (月)

厚生労働省平成24年度予算案のポイント(10)医療イノベーション

保健医療経営大学学長

 橋爪 章

2012 年 1 月 9 日 厚生労働省平成24年度予算案のポイント(10)

<医療イノベーション>については、ライフ・イノベーションの一体的な推進に127億円が計上されています。

(1) 個別重点分野の研究開発・実用化支援に71億円。

(内訳)

①がん診断・治療研究の推進 16億円

・難治性がん、小児がん等の希少がんを中心に、革新的診断法・治療薬の実用化のための質の高い臨床試験が推進されます。

B 型肝炎の創薬実用化研究等の推進 28億円

B 型肝炎の画期的な新規治療薬の開発等を目指し、基盤技術の開発を含む創薬研究や、治療薬としての実用化に向けた臨床研究等が総合的に推進されます。

③気分障害の診断・治療研究の推進 50百万円

・うつ病などの気分障害の客観的な診断法や病態メカニズムに応じた効果的な治療法の研究・開発が推進されます。

④希少疾病用医薬品・医療機器の開発支援 2億円

・極めて患者数の少ない希少疾病に効果のある医薬品・医療機器の開発に取り組む企業への助成率の引上げ等、開発支援の充実が図られます。

⑤再生医療、iPS 細胞研究等の推進 12億円

iPS 細胞等ヒト幹細胞を用いた再生医療技術の基盤を構築するとともに、臨床応用に向けた免疫拒絶対策等の研究、iPS 細胞から分化・誘導した細胞による創薬・医薬品の安全性評価への応用が推進されます。

⑥個別化医療の推進 13億円

・個人のゲノム情報に基づく個別化医療の推進に必要な基盤を整備するため、国立高度専門医療研究センターが連携してバイオバンクを整備し、収集した生体試料を活用した研究が推進されます。

(2) 臨床研究中核病院等の整備及び機能強化に34億円。

(内訳)

①臨床研究中核病院の整備 26億円

・日本の豊富な基礎研究の成果から革新的な医薬品・医療機器を創出するには、質の高い臨床研究のデータをもとに薬事承認につなげる必要があることから、国際水準(ICH-GCP準拠)の臨床研究の実施や医師主導治験の中心的役割を担うとともに、最適な治療法を見いだすための臨床研究を実施する基盤として、臨床研究中核病院が5 箇所整備されます。

うち1箇所は、被災地域での革新的な医薬品・医療機器創出拠点の形成を通じ、質の高い臨床研究を実施するとともに産業集積、新産業創出により復興を図ることを目的として、復旧・復興対策経費により整備されます。

②国際水準で実施する臨床研究等の支援 8億円

・臨床研究中核病院での国際水準の臨床研究を支援するとともに、国立高度専門医療研究センターの体制整備を行い、臨床研究等が支援されます。

(3) 技術の進歩に対応する薬事承認審査・安全対策の向上に21億円。

(内訳)

①安全性・有効性の評価法の確立、人材の育成 12億円

・革新的な医薬品・医療機器・再生医療製品の、臨床上の評価に関するガイドライン(審査の方針、実用化研究において考慮すべき安全性と有効性確保のための考え方)を国が作成するため、最先端の技術を研究している大学等におけるレギュラトリーサイエンス(※)を基盤とした安全性と有効性の評価法の確立が支援されます。

※レギュラトリーサイエンス:科学技術の成果を人と社会に役立てることを目的に、根拠に基づく的確な予測、評価、判断を行い、科学技術の成果を人と社会との調和の上で最も望ましい姿に調整するための科学。

・開発途上の最先端の技術の安全性と有効性を評価できる人材を育成するため、その大学等、国立医薬品食品衛生研究所(NIHS)、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)等の間で人材交流を行います。

②薬事承認審査の迅速化に必要なガイドラインの作成に向けた研究の推進等 3.7億円

・革新的な医薬品・医療機器・再生医療製品について、安全性と有効性を確保しつつ審査を迅速化するため、NIHSPMDA において審査に必要なガイドライン作成の基盤となるレギュラトリーサイエンス研究が推進されます。

・革新的な医療機器の承認後における安全かつ適正な使用を確保するため、関連学会と連携して、医療機器を使用する際の人的・施設的要件に関するガイドラインを作成します。

③安全対策の強化 3.5億円

・新技術の未知のリスクに対応し、医薬品・医療機器・再生医療製品の安全対策の強化・充実を図るため、PMDA において大規模医療情報データベースを安全対策に活用するための分析手法を開発します。

・特に安全性情報が限られる小児への医薬品の使用情報を収集するため、独立行政法人国立成育医療研究センターに「小児と薬情報センター」が設置されます。

④生産・流通のグローバル化への対応 1.8億円

・医薬品・医療機器・再生医療製品開発のグローバル化に対応した審査体制を整備するため、海外主要国における医薬品・医療機器・再生医療製品の承認情報についてこれまでの承認情報を整理するとともに、新規の承認情報をタイムリーに把握し、データベースが構築されます。

・個人輸入される偽造医薬品等の監視・取締りや啓発に活用するため、健康被害や医薬品等の不正な輸入に関する情報を収集するホットラインを設置するとともに、消費者に偽造医薬品等に関する注意啓発が行われます。

(4)費用対効果を勘案した医療技術等の評価に関する研究・調査に7千5百万円。

・医療技術等の保険償還価格の設定に関し、さらなるイノベーションの評価や、開発のインセンティブを確保しつつ費用対効果を勘案した技術等の評価を行うため、海外報告事例の調査や適応の可能性についての検討等が行われます。

保健医療経営大学学長ブログ転載

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