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2011年8月11日 (木)

新茶歌仙ナウ3雑の長句

ナウ

1わが夢はピンピンコロリ鳥渡る  杉浦兼坊
2 お伊勢参りと赤福の餅      青翠えめ

案  (沢 都)

履きかえて小さき音する坂の道

背戸川の流れがつなぐ村の刻(とき)

すれ違う列車が残す風の音

選句と付句を、ニューヨークのぽぽなさんに今からお願いいたします。

花前句です、雑の七七。
かるくつける、とはいえ、花みたいに何をよめばいいかはっきり決まっている句とちがって、これはとっても難しいのだよね。簡単そうにみえる句ほどむずかしい。ひっそりとおかれている句で、まわりを輝かせる句というのはむずかしい。でも、きまれば、すごい。

いくつかひきましょか。

ナウ4花前句の名句。

籾山梓月(もみやましげつ)

これ、独吟なのか座での興行作か不明です。連句辞典にありまして、今きづきました。
東明雅先生がご存命であれば、籾山梓月についてもう少し聞きたいことがありました。
山本健吉・秀野夫妻が若き日に所属していた、俳句誌『愛吟』でみかけたお名前だったか、それとも俳書堂の経営者だったっけ。どうも後者だったような。

すみません、よく読んだら、これは『古反故』という独吟集からの引用でした。

 夜々に鬼火の燃ゆる草原  梓月
花は今西八条に咲きわたり  〃
 春遅き日の絲竹の声     〃

※鬼火は冬の季語です。ナウ3が

年月を北の狄に囚われて   

というものです。ああ、ぜんぶ引用したくなってきたぞ。
ついでにその前は

 さりとはくやし二代目の芸

その前のナウ1も、もってけどろぼう

レコオドに浮世の夢の残りけり

名残の立て句、いかにも名残おしいって風情をかもしますね。

北の狄、きたのえびす、きたのいてき?なんとよむのだろう。

もみやましげつは明治時代、もうひとつ。

つぎは増田龍雨ますだりゅうう。

ナウ

さりげなく賜りものを打ち棄てて 丈
 厠の広さゆたかなりけり    雨
まなかひの岬の花に灯のともり  邨
 朧々に千鳥海猫         丈

おお、龍雨の花前、うまいですねえ。ほかにこんな句も。

ナオ

蓮如忌の法話の中の軍人(いくさびと)  雨
  眼(まなこ)に鈍き蝋燭の照り      邨
貰ひしが吞みもせざりしカルチモン    丈
  とけしをむざと結ぶ片糸        雨
人伝にはかなき思ひかくるらん     邨
  汲めども汲めども淦しげき船     丈
葉柳に長雨あがる日のけしき       雨
  御陵閑かに奈良坂の蝉       邨
鞄持ち一人うしろにひかへ居り     丈
  昔の姓を呼ぶ人は誰ぞ        雨
月傾き簷ふけ夜坐のあら筵        邨
  そぞろに寒き狸のつくさめ       丈

※すばらしいので、ナウの一と二も。
丈はどうも、根津芦丈みたいです。 

ナウ1

袋洗ひ猪名川といふ銘もあれ    雨
 かながきの詩人破顔一笑     邨

へんなとりかたですみません。

さいご、ホトトギス第二巻第二号所収虚子と子規の付合から。

ナウ

ひひと啼く遠音の鹿や老ならん   子
  物買ひに出る禰宜のしはぶき  規
此頃の天気定まる南風        子
  もみの張絹乾く陽炎        規
花踏んで十歩の庭を歩行きけり    子
  柿の古根に柿の芽をふく     規

では、ぽぽなさんのために、いちおう、新茶歌仙、全句下におきます。
どれをとられても、いいですよ。

青空に雲ひとつなき新茶かな    月野ぽぽな 
  畑の隙に茨咲く丘         姫野恭子
水鳥の鳴きし辺りに波寄りて     沢 都
  明治に学ぶ父の帳面       中島 倶
満月は眠らぬ街を通り過ぎ    青翠えめ
  日本列島風が身に入む      八山呆夢

射抜かれし林檎の行方見失ふ       山下整子  
  おむすびころりん欲張るべからず  竹橋乙四郎  
夕暮の指やはらかき三毛の猫       都 
  着信音は『恋のフーガ』で       八山呆夢 
遅遅早・遅遅遅遅・遅早遅         恭子  
  もうじき上がる欄干(おばしま)の雨  都    
寒月の下に黙せり地震(なゐ)の塔婆   倶   
 おとなくるま座夜咄が暖       整子  
バーガー屋深海ブルーの椅子ありぬ   神崎さくら 
 愉快な河馬と儚い粥          ぽぽな  
老い門のいま花は舞い長閑庵(のどかいお) 乙四郎    
 東をどりの取りを務めむ        呆夢 

名残オモテ

秘やかに生ひ立つ蝌蚪の紐うごく   倶    
 袋一枚三円もする           恭子   

エコバッグ家に帰ればあるのだが  杉浦兼坊 
 ジュラ紀の骨が眠る断層      整子 
炭酸を嚥み干す君ののどぼとけ   ぽぽな
 自転車コイデ鼓動紛らす      うたまる
大屋根の重なり合うて静かなり    呆夢
 恨(ハン)の根雪の解ける後朝      恭子
御破算でねがひましては空っ風    整子
 サウジアラビア医療報告       セイコ
野十郎月の光で闇を描き       乙四郎
 からすうりにも蔓がからまる      呆夢

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コメント

そぞろに寒き狸のつくさめ       丈

これ、くっさめのまちがいです。くつさめ、ですね。訂正します。なんだろ?とおもって。

増田龍雨 検索でひらかれていました。

こんな歌仙巻いていたんだなあ。
なかなかいいなあ。
ってかさ。かなりいいよね?
ぐうぜんせいのもんだい。それがすごい。

たかしまやじゅうろう↓

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