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2011年8月17日 (水)

平成24年診療報酬・介護報酬改定(41)           施設経営と地域経営

保健医療経営大学学長

 橋爪 章

2011 年 8 月 17 日 平成24年診療報酬・介護報酬改定(41)

社会保障審議会介護給付費分科会の論点整理の1番目に掲げてある事項は「定期巡回・随時対応サービスについて」です。

次のように論点が記載されています。

~~~~~~~~~~

定期巡回・随時対応サービスの基準・報酬については、以下のような基本的な考え方を実現するという観点に立って検討すべきではないか。

・利用者の心身の状況に応じて、必要なサービスを必要なタイミングで柔軟に提供

(短時間の定期巡回型訪問+随時対応)

・24時間の対応体制の確保

・介護・看護サービスの一体的提供

・人材確保、経営の安定化

~~~~~~~~~~

施設介護から在宅介護へという政策誘導は報酬改定のたびになされてきたのですが、実効が上がっていないのが現実です。

経営的に採算がとれないのであれば実効が上がらないのは当然です。

この事項が最重要だということであるのであれば、次期改定では、相当の思い切った報酬評価がなされなくてはなりません。

24時間の対応体制で、心身の状況に応じて、必要なサービスを必要なタイミングで柔軟に介護・看護サービスの一体的提供を行うことは、従前より、医療施設や介護施設に入所した人に対して行われてきたことです。

そのサービスを、施設ではなく地域(在宅)で行おうというのですから、施設サービスに相応するだけのコストを覚悟しなければ容易に出来ることではありません。

施設サービスに比して地域サービスは、設備投資コスト、施設管理コストは安上がりとなりますが、サービス受給者が一か所に集中していないことの非効率性があるために人件費コストは大きくなります。

人件費については、24時間対応体制を敷くためにより多くの雇用が必要であるという絶対的なデメリットが施設サービスにありますが、地域サービスにも24時間対応体制を要求するとなると、そのデメリットは薄れます。

人材については、低賃金であっても、夜勤労働を避けたい介護・看護人材が地域サービスに流れてきていましたが、地域サービスでも夜勤シフトを強いるということになれば、それに見合う報酬を設定しなければ人材確保は困難でしょう。

(保健医療経営大学学長ブログ転載)

▽かささぎの独り言

やっとここへきて、施設サービスと地域サービスというふたつの言葉からの論の展開によって、大学の「施設経営コース」と「地域経営コース」の区別がおぼろげながらこの愚鈍かささぎにもみえてまいりましたよ。はい、そうなのです。わたしはじつは、何度も言いますけど、わからなかったのです。
つまりこういうことですね。
施設サービス、施設経営コースというのは、一つの大きな家でもって集団で集団を管理していく入所スタイルの施設の経営、地域サービス、地域経営コースというのは、地域の自分の家に在宅のままで、いながらに介助者の訪問サービスを受けて暮らしていく、というものだったのですね。
これまで学んだ世界の福祉先進国での流れは、施設サービスから地域サービスへと切り替わっていっている。

参照;

1、スエーデン王国の社会保障制度http://tokowotome.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/post-42df.html

上記から以下の部分。

スウェーデンの税と社会保険は、所得再分配システムとしての機能が明確です。

高所得者から低所得者へ、無子家庭から有子家庭へ、健康者から病者へ、勤労者から学生や年金生活者へと所得が移転されています。

高齢者施策と身体障害者、長期療養者に対する社会サービスは、末端行政機関である市(コミューン)が全責任を負っています。

保健医療サービスは、ほとんどが公立機関で提供され、その運営責任は州議会にあります。

医療従事者の大半は公務員です(国民の約10%が保健医療に従事しています)。

従って、保健医療の運営財源は税収に依存しており、経済成長の鈍化とともに、(高齢者増による)需要と財源のアンバランスに起因する諸矛盾が生じてきています。

入院医療は訪問看護を主体とした在宅医療に大きくシフトしてきています。

入院ベッド数は半減し、予約受診に何日も何週間も待たなければならない現実があります。

2、イギリスの社会保障制度http://tokowotome.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/post-7604.html

上記より以下の部分。

投資を増やす必要から、ブレア政権時、病院、病床等の拡充、医師、看護師等の医療専門職の増員等を謳うNHSの近代化計画「NHSプラン」が公表され、これに基づく施策が推進されています。

低い水準にあったGDP比医療費を欧州平均並みの9%台まで引き上げることを目標として設定し、NHS予算が毎年7%以上引き上げられました。

NHSプランの柱は、次の5点です。

・地域に密着した医療提供体制(地域への大幅な権限委譲及び住民・医療従事者の決定への参加)

・施設設備、人員の拡充

・医療の質の向上

・サービスの地域間格差の是正

・患者による選択

「地域に密着した医療提供体制」については、人口15万人単位ごとに地域の医療従事者の代表が参加して運営しているプライマリケア・トラストが一般家庭医、NHS病院等からサービスの購入(予算管理)を行う体制が整えられました。

3、ドイツの社会保障制度

http://tokowotome.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/post-8887.html

上記から。

ドイツの介護保険制度は、

・サービス要員不足に対応するため、家族介護に対する現金給付があります

保険者は疾病保険と同一です。

医学的サービスは対象外で、疾病保険の対象です。

高齢者だけではなく全年齢が対象です。

要介護認定は州単位に設置された独立した医学判定機関の専門医師が行います。

施設介護は居宅介護が不可能である場合のみの限定給付です。

・要介護状態になってから保険加入する逆選択を防止するため、保険加入期間要件(申請前10年間に少なくとも5年以上の保険加入期間)があります。

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