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2011年6月29日 (水)

新茶歌仙『雲ひとつなき』 ナオ4

青空に雲ひとつなき新茶かな    月野ぽぽな 
  畑の隙に茨咲く丘         姫野恭子
水鳥の鳴きし辺りに波寄りて     沢 都
  明治に学ぶ父の帳面       中島 倶
満月は眠らぬ街を通り過ぎ    青翠えめ
  日本列島風が身に入む      八山呆夢

射抜かれし林檎の行方見失ふ       山下整子  
  おむすびころりん欲張っちゃだめ  竹橋乙四郎  
夕暮の指やはらかき三毛の猫       都 
  着信音は『恋のフーガ』で       八山呆夢 
遅遅早・遅遅遅遅・遅早遅         恭子  
  もうじき上がる欄干(おばしま)の雨  都    
寒月の下に黙せり地震(なゐ)の塔婆   倶   
 おとなくるま座夜咄が暖       整子  
バーガー屋深海ブルーの椅子ありぬ   神崎さくら 
 愉快な河馬と儚い粥          ぽぽな  
老い門のいま花は舞い長閑庵(いお) 乙四郎    
 東をどりの取りを務めむ        呆夢 

名残折

秘やかに生ひ立つ蝌蚪の紐うごく   倶    春
 袋一枚三円もする           恭子   雑
                       杉浦兼坊 雑
                            雑

選句と付案

出してくださった順番にみていきます。

∇ 中島倶さん

選句

骨董を妻に内緒で買う夫  兼坊

1 写真に納まる両家親族

2 近く面寄せ何の相談

3 砂紋模様の皿にひび割れ

杉浦兼坊が買う骨董は妻に秘密です。
これがひっかけで、どう読むか。

1の結婚写真ですと、妻に内緒が生きない。
2もその延長上みたいな雰囲気。
3だと恋に入る前に破局が。笑。

ところで。骨董がなんでこんなとこに出たのかな。
とかささぎはこの句を見た時に思いました。
前句は袋一枚が三円もするとエコへの不平をかこっている句。
そんなところにはみみっちいくせに、骨董コレクションにはお金に糸目をつけない夫。かささぎおもうに、杉浦教授も又、古典のプロである以上、古典籍を買うことに於いては、きっとこの夫とおんなじでありましょう。
そういう専門書ってな、妙に高いです。
妻がいう、あらあらあなた、まーた本が増えているわね。
まあ!これ二万円もするわ。こんなの図書館にいけばあるじゃないの。
ねえ、買わなきゃいけないの。ほんとに、もったいないわねえ。
ぶつくさぶつくさ。

(ってのは、かささぎのフィクションですからね。たいへん失礼しました)

∇山下整子

選句

エコバッグ家に帰ればあるのだが    兼坊

 付け句案
1、ジュラ紀の骨が眠る断層
2、乾きし眼の不動明王
3、届く歯科医の休業通知

∇沢 都

選句

骨董を妻に内緒で買う夫   兼坊

1 わだちに残る草の絡まり
2 砂漠の中で聴くノクターン
3 星を鳴らして夢が呼び合う 

せいこさんの選句と付けも、都さんの選句と付けも、どちらも捨てがたし。
一応どちらもでやってみましょうね。こんなかんじになります。

セイコ案

秘やかに生ひ立つ蝌蚪の紐うごく   倶    春
 袋一枚三円もする           恭子   雑
エコバッグ家に帰ればあるのだが    兼坊     雑
 ジュラ紀の骨が眠る断層         セイコ   雑

都案

秘やかに生ひ立つ蝌蚪の紐うごく   倶    春
 袋一枚三円もする           恭子   雑
骨董を妻に内緒で買ふ夫        兼坊   雑
 星を鳴らして夢が呼び合ふ      都     恋

つぎなんでありますが、さばきとしては夏を二ついって、それから雑を四句で秋の月をだすつもりです。星の句と月の句、あいだに六句ありますし、大丈夫です。

ぽぽなさん。おまたせしました。
この二種類の付けから、付けやすい方を選んで、恋で夏の句をだしてくださいませんか。せいこさんの案も都さんの案もどっちもすごくいいとおもう。


                        



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コメント

ぽぽなさんのメルアド、知っていたんだ。
すっかり忘れていました。
ほんとうにどうしようもないアホですわ。
これからメールでおねがいしますからね。
なにとぞ、おまちくだされ。

兼坊さんの時宜の諧謔とセイコさんの飛躍をいただきます。

エコバッグ家に帰ればあるのだが    兼坊 雑
 ジュラ紀の骨が眠る断層      セイコ 雑

ぽぽな付け
1 二人して汗と土ぼこりを拭う
2 日焼けしたあなたの笑顔まぶしくて
3 炭酸を飲むたびうごくのどぼとけ

炭酸を飲み干す君ののどぼとけ

うごくが大打越にあり、つかえません。
なにかことばをさしかえねば、
ぽぽなさん、平凡だけどこれではダメかな。

ジュラ紀から一気に男の喉仏へとぶのはすてきだ。
喉元に目が釘付けになって見上げている少女の顔がうかびます。

ふと鮫島康子(大御所)の句で

 楢山の水湧くところ兄(けい)と並び 康子

という純情な句を連想しました。
これいい句でしょう。けいは兄事するのけいで、兄とも慕う人を、尊敬のまなざしで、距離をとって座っているという、憧憬の句であります。かささぎよみでは、たとえば康子さんの同期のかねことうた先生をよんだ句かもしれません。

ぽぽなさんの選、するどいです。
付句だけをみたら、たしかに都さんの星と夢の句はできた句です。んが、前句との絶妙な間というのがせいこ句にある。そこ、みのがしませんでしたね。

二人して汗と土ぼこりをはらう。これも動きのある映画のワンシーンみたいな句ですよね。
だけど、ジュラ紀という古い古い恐竜とたたかっていたのかもしれないころの記憶を呼び覚ますものとしての喉仏が脈絡をもつものとして細い糸にひっぱられてでてきた、そのぽぽなワールドの野生、とても魅力的です。

というところで、
つぎはもう一句夏の恋句。
どうぞどなたでもだしておくんなせえ。
たくさんだしてくださいませ。

都句をすてちまうのがおしい、どこかでつかえないかな。

ぽぽなさん、ありがとうございました!
ナウでもう一句、お願いすると思います。

炭酸を飲み干す君ののどぼとけ

了解です!

のむという字ですけど。
呑む飲む嚥むと三つあります。

えんげさようのふしぎさについておもっていました。
嚥下の嚥むでもいいかもしれません。

 炭酸を嚥みほす君ののどぼとけ

でも、なんでこんなとこにつばめがいるのかなあ。
では、いってまいります。

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