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2011年5月 2日 (月)

ノルウェー王国の社会保障制度               日本と同じ皆保険制度

保健医療経営大学学長

 橋爪 章

2011 年 5 月 2 日 ノルウェー王国の社会保障制度

ノルウェーは、軍事など、スウェーデンの影響を強く受けていた時代がありました。

スウェーデンからの移民も多いようです。

ノルウェーの特色は、電力すべてが水力発電によって供給されており、また、世界有数の石油産出国、天然ガス産出国として、エネルギー危機とは無縁な国家だということです。

漁業資源、森林資源、鉱物資源も豊富な資源大国でもあります。

高齢者や貧困者に対する施策には19世紀なかばから取り組んでいます。

ノルウェーの社会保障は、産業活力に立脚し、雇用者拠出を軸とした「保険」制度が中心です。保険を税による公的扶助が補足するという制度構築は、スウェーデンやデンマークとは異なり、むしろ日本に近いともいえます。

ノルウェーの保険は、日本と同じく、国民全員が強制加入する皆保険制度です。

医療保険は、加入者拠出と雇用者拠出と国庫補助と患者負担を財源として運用されています。

加入者拠出額は所得に基づいて決定され、低所得者や所得のない場合は免除されます。

公的扶助制度と福祉サービス、初期医療サービス、看護、リハビリ、予防医療などは市町村に運営責任があり、国の役割は専門医療の調整や財政調整です。

医療施設は公営の機関が多く、地域ごとの医療センターが一般医療の中心です。

受診の際は、医療センターか一般開業医か救急病院の一般診療医の診察を受け、その紹介によって検査機関や一般病院の専門医を受診します。

このような自由アクセスを制限した制度運用の場合、医療費の高騰を抑制することができますが、他の北欧諸国と同じく、予約受診の待ち期間が長くなりがちです。

ノルウェーでは、公営病院に診療予約すると、優先順位を加味したウェイテイングリストが作られ、最優先の患者はすぐに治療が開始できる仕組みになっています。

逆に、優先度が低い患者は半年以上も受診を待たされることがあります。

そのため、予約なしで受診できる自由診療の民間医療機関も増えてきています。

救急の場合は、救急病院が対応します。

ノルウェーは島が多いため、救急ヘリコプターが活躍しています。

稀な病気の場合は、海外での受診を保険がカバーします。

専門的処置ができる体制を国内で整備するよりは海外で受診していただくほうがコスト安ですので、合理的な制度運用です。

制度運用の効率化とともに平均在院日数は半減して7日未満となり、病床数も半減しています。

(保健医療経営大学学長のひとりごと転載)

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