無料ブログはココログ

« 夢~黒澤明監督と茹で日本の杞憂 | トップページ | 今朝の早番  炒り豆腐 »

2011年5月15日 (日)

平成24年度診療報酬・介護報酬改定(22)             OECDの対日審査報告書の観点に違和感

保健医療経営大学学長

 橋爪 章

2011 年 5 月 15 日 平成24年度診療報酬・介護報酬改定(22)

OECD(経済協力開発機構)が対日審査報告書の2011年版を公表しました。
OECDは加盟国の経済・社会情勢を調査し、報告書をまとめていますが、日本についてはGDP比で200%まで増加した公的債務残高を「極めて厳しい状況に達している」とし、財政健全化のため「消費税率を20%相当まで引き上げることが求められるかもしれない」「11年度中に税制改革の詳細を公表し、増税はできるだけ早く始めるべき」と強調しています。
また、社会保障支出の増加抑制策が優先事項になるとも指摘しています。
日本の社会保障費が今後10年間にわたり対GDP比で2%程度増加すると見込まれることなどから「医療、介護分野における改革などを通じた社会保障支出の増加抑制策が優先事項となる」と分析しています。
具体的には、
・介護サービスをより厳密に監視し、病院から適切な介護施設へのシフトを促すこと
・病院が効率性を高める動機づけのため、診療報酬を疾病ごとに設定する診断群分類の改革により、支払方式の改善を図ること
・後発医薬品を報酬支払の基準とすることで利用を拡大すること
・専門医による不必要な診断を減らすために、ゲート・キーパー制を導入すること

の4点が社会保障支出の増加抑制策として提言されています。

国際的には、日本の医療費はコストパフォーマンスの良さが評価されています。
対GDP比で他の先進諸国よりはるかに低い医療費で世界最高水準の平均寿命を維持していることが賞賛されています。
日本の社会保障費の対GDP比が欧州諸国より低いことも、国際比較統計で明らかです。
にもかかわらずOECDが日本の社会保障費を槍玉に挙げて増加抑制すべきだと提言するのには違和感があります。
ポリシー・ロンダリングという言葉があります。
省庁や世論の抵抗で実現困難な政策課題を国際的なレベルでの合意事項にして、国際機関の提言であるからと国内の反対勢力を説得する手法です。
OECDには経済産業省や財務省の出向者がたくさんいます。
介護サービス制度については介護制度が整っていない多くの欧米諸国がそのあり方を提言できるはずもなく、ましてや病院と介護施設とのデマケをイメージできるとは思えません。
診療報酬の支払い方式の改善(診断群分類の改革)についても、ほとんどの国でいまだ試行錯誤中であり、断定的に提言するのは行き過ぎです。
後発医薬品についても、先発医薬品メーカーの開発力の維持への配慮が必要で、国際社会では「後発医薬品を報酬支払の基準とする」ことは必ずしも合意されていないはずです。
ゲートキーパー制についても、フリーアクセス制の利点を否定しきれるほど国際的合意は得られていません。
日本の医療費のコストパフォーマンスは、専門分化した開業医へのフリーアクセス制によって達成できているとの評価もあります。
OECDの対日審査報告書がポリシー・ロンダリングであるのか否かはわかりませんが、日本の財務省や経済産業省によって主張されてきたことが色濃く反映している印象は否めません。

(保健医療経営大学「学長のひとりごと」)

▽かささぎの独り言

むずかしくて、さっぱりわかりません。

だけど、たりないからとよけいむしりとるとうらみしかのこらない。

というのだけはよくわかるよ。あら、そのはなしじゃないの。

では、はやばん、いってきます。きょうはしっぱいしませんように。

« 夢~黒澤明監督と茹で日本の杞憂 | トップページ | 今朝の早番  炒り豆腐 »

コメント

平成24年度診療報酬改定
1位

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 夢~黒澤明監督と茹で日本の杞憂 | トップページ | 今朝の早番  炒り豆腐 »

最近のトラックバック

2020年3月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31