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2011年5月25日 (水)

イタリアの社会保障制度(3)                効率化と医療の質と

保健医療経営大学学長

 橋爪 章

2011 年 5 月 25 日 イタリアの社会保障制度(3)

イタリアでの保健医療の供給体制(SSN)は独立行政法人(ASLと称されおおむね県に1つずつ配置)と病院公社が実施しています。

ASLと病院公社は州によって財政運営がチェックされ問題があれば独立性が取り消されます。

運営が独立行政法人に委ねられているのは効率化のためで、平均在院日数や病床利用率などの諸指標がチェックされます。

基準病床数が定められており、病院は入院率を人口1000対160以内に収め、かつ、病床利用率を75%以上に保つことが求められます。

また120床以下の小規模病院は統廃合されています。

SSNの財源はすべて、州税である生産活動税、個人所得税、ガソリン税、付加価値税(消費税)によって賄われています。

また、必須の扶助基準を超えた付加的サービスの費用は利用者負担などを財源としています。

ASLへの財源の配分は、管轄人口に基づく人頭予算算定方式で、年齢構成や山岳人口割合、特定疾患罹患率などが加味されます。

配分された財源の範囲内で予防から介護サービスに至る幅広い活動を行うことになりますので、医療費支出の抑制に効果がある予防活動にも力点が置かれることになります。

また、管轄を超えた地域への患者の流出分だけ予算が削られますので、患者を引き留めるために医療体制の整備と医療の質の確保が必要となっています。

一般医(ホームドクター)と小児科医については、患者は自由に医師を選択できます。

ただし、一般医は1人で1500人以上の住人を受け持ってはいけません。

小児科医は800人までです。

医師は受け持った住人について、診療のほか、往診や学校保健、労働衛生、保健教育などの業務も行います。

これらのサービスはすべて無料です。

専門医療は専門医によって提供され、患者は自由に専門医を選択できますが、一般医が専門医の受診の必要性を認めなければなりません。

また、ASLの予約センターで診察数の調整がなされます。

専門医療については一部負担金が求められる場合があります。

(保健医療経営大学「学長のひとりごと」)

▽ドイツの保険制度についたものをご紹介します。

コメント

「政権交代に揺れるドイツ医療最新報告」 
真野俊樹・レポート。

社会保障を効率化充実化させつつ、経済競争力も高めようとする視点はどこの国もいっしょみたいで、日本が手本としてきたドイツもおなじです。
ことわりもなく失礼とは存じ上げますが、本を送って下さった徳島のジャンヌダルクこと、香川宜子先生へのお礼の意味もこめて、また、かささぎの旗が私淑する竹橋乙四郎先生への恩返しの意味もこめて、連句的に、この真野俊樹さまの御文章を引用させていただきます。以下、全文が引用であります。(おおっと途中のかっこ書きはかささぎ脚注。)

「官僚主義的規定にかわって信頼の文化を必要としているという連立政権の方向に乗り、ドイツにおいては保健大臣であるレスラー氏が人頭保険料という考え方をうちだした。すなわち、思想的には社会保障の再分配機能を排除し、フラットな保険料率にする。一方では保険者機能を維持するために疾病金庫が赤字にならないような保険料構造にし、さらに企業の負担を減らす。そして保険料を支払えない人には、税金から補填するというものである。」
(※その改革のあり方をめぐっては、やりすぎと批判されできない部分もあるようで、一部が導入されているだけのようです。
おおきな病院を現地訪問されてのざっぱざっぱとした、けれどもきちんと見どころを押さえたレポートで、デュッセルドルフには医師会が二つあることなど、さりげなくはさまれたさりげない一言の重みにもうなりつつ、文末のしめくくりのところを、そのまんま引いてまとめとしたい。文章・真野俊樹、引用文責・かささぎの旗姫野。)

「最後に、現地でお話を伺ったマイデル教授の意見を踏まえ、ドイツの医療、中でも医療保障の将来を考え、そのあとで著者の考えを日本の状況に即してのべて、この報告書を終えたい。

マイデル教授によれば、厳しい財政状況を踏まえ、支配的な考え方が3つあるという。
1つの考えは人頭定額制。これはスイスのようなモデルで現在ののCDUとFDPが推している考え方。2つ目が日本型の市民保険という考え方で、これは皆保健のようなものでSPDの考え方。ここにおいてはすべての市民が保険の制度に組み込まれるため、結局民間保険を撤廃することになります。すべての収入が保険料の査定の基礎になるという考え方にもなります。3つ目の考え方はフランス型で、税金によって賄う保険制度。医療基金が作られましたが、これは連邦保険庁という国の役所に属しているため、自然に税金が注入されていくことになります。
前政権の保健大臣はおそらくこれを想定していたのでしょう。」
効率化の一つのあり方として、米国などではITの活用が議論されている。ドイツでもE‐ヘルスということで、診療所や病院、歯科医師、薬局をITでつなぐ構想がある。そのために2007年から国内7地域で7万人規模の実証実験を試みているというが、予算の問題もあって、いったん中止になっているようだ。
 なお、ドイツでのIT環境は両都市(※デュッセルドルフとベルリン)ともよくなかった。泊まったホテルはそれほど悪いホテルではないと思うが、どちらも無線LANはあるものの、かなりスピードが遅かった。ドイツでの病院IT化の遅れを象徴しているような感じがした。このように、政権のぶれ、IT化の遅れなど、日本とドイツは予想以上に似ている部分が多かった。」

引用元 Scheneller 77号
株式会社ファルコバイオシステムズ2011年元旦発行

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コメント

社会保障と効率化
検索のすごい件数のなか、堂々の4位です。イタリアのことをのべているのにね。
ちなみに、1位これです。どこぞの新聞記者の目。↓

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