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2011年4月20日 (水)

放射性降下物、海洋汚染による健康被害          ベクレルとシーベルトの(2)

保健医療経営大学学長

 橋爪 章

2011 年 4 月 20 日 放射性降下物、海洋汚染による健康被害

放射能汚染に関する報道では「ベクレル」という単位が頻繁に出てきます。

私の最近の記事でも「ベクレル」を多用しています。

以前も書きましたが、健康影響の度合いは「シーベルト」単位で把握するのがよく、これまでの放射線影響に関する研究において200ミリシーベルト以下の被曝では健康影響の実証が乏しいことから、大雑把な理解として、累積線量が100ミリシーベルトを超えるか否かを現実的な警戒の目安とすればよいかと思います。

ところが、「ベクレル」単位では、その数値をどう評価していいものかを悩みます。

ベクレルとは、放射性物質が崩壊して放射線を放出する頻度を示す単位ですが、放射性物質の種類や被曝の仕方によって同じベクレル数でも人体への影響は異なります。

ベクレルは財布の中の硬貨の「総数」であり、シーベルトは硬貨の「総額」であると例えることができます。

同じ個数であっても一円玉が多いか五百円玉が多いかによって購買力は大きく異なります。

放射性降下物の場合は、それによって汚染された飲食物を摂取することによる内部被曝が問題になります。

1ベクレルの放射性物質を摂取した時に、どのくらいの内部被曝(シーベルト)を人体へ与えるかは、放射性物質の種類ごとに次の通りです。

ヨウ素131    0.00002ミリシーベルト

セシウム137   0.0000067ミリシーベルト

プルトニウム239 0.000009ミリシーベルト

逆算すれば、ヨウ素131の場合は500万ベクレル、セシウム137の場合は1500万ベクレル、プルトニウム239の場合は1100万ベクレルの摂取で、それぞれ100ミリシーベルトに達します。

かつて、大気圏内核実験による放射性降下物の影響でビール1リットルあたり3ベクレルのセシウム137が含まれていた時代がありましたが、その当時であっても、ビールを500万リットル飲まなければ健康影響が現れない程度の汚染度だったことになります。

(ただしアルコールによる健康影響は数リットルで現れます。)

タービン建屋で検出された1ccあたり数億ベクレルのヨウ素131であれば、誤って一滴を口にしただけで100ミリシーベルトを超えてしまいます。

(保健医療経営大学『学長のひとりごと』)

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コメント

ヨウ素131母乳より検出!

「実際に母乳の放射能汚染があった事は衝撃です。原因は、様々考えられますが、公開されている空気・水・野菜・原乳の汚染の高かった地域のお母さんたちの母乳は、もしかしたら赤ちゃんに与えるには高いレベルにあるかもしれないと私たちは心配しています。」

以上、以下の頁より引用しました。

き坊の近況より本日付

[福島第一原発事故を受けて、文部科学省は19日、福島県内の小中学校や幼稚園などの暫定的な利用基準を公表した。校舎や校庭を利用できるか判断する目安として、年間被曝量が20ミリシーベルトを超えないようにし、校庭の放射線量が毎時3.8マイクロシーベルト以上では屋外活動を制限することとした。
現在、制限の対象は13施設。各施設に線量計を配り、変化を監視する。基準は8月下旬までに再検討する。

今回の基準は、国際放射線防護委員会(ICRP)の「緊急事態収束後の年間被曝量は1~20ミリシーベルトの範囲で考える」という目安を参考にした。校庭の放射線量が毎時3.8マイクロシーベルト以上の学校などで屋外活動を制限する。

この数値は、屋外で同じ線量を24時間、1年間浴びると仮定すると20ミリを超える。だが、木造校舎や室内で16時間過ごせば、被曝量は約6割になり、20ミリにおさまるという。 BR>
この基準を超えたのは、福島市や郡山市、伊達市の13の小中学校、幼稚園、保育園(児童生徒ら3560人)。この13施設では、校庭や砂場での屋外活動は1日あたり1時間程度にとどめる。手洗いやうがい、帰宅時に靴の土を落とす、などを勧める。

学校の汚染調査から、放射性物質が沈着した砂ぼこりを吸い込むことによる内部被曝の影響は、高い学校でも全体の被曝量の3.5%ほどで、考慮する必要はないと結論付けた。

今後、1週間ごとに校庭や校舎の放射線量を測り、制限の解除を再検討する。

学校の基準を巡っては、原子力安全委員会の委員が13日の会見で「(子どもの年間被曝量について)大人の半分の10ミリ程度に抑えるべきだ」との見解を示したが、翌日に正式決定ではないと撤回していた。

原子力安全委員会の久木田豊委員長代理は19日、現実的には、校庭内の外に8時間以上いる可能性は低いことなどから「毎時3.8マイクロシーベルトを超えても、年20ミリを十分下回る見通しだと理解している」と述べた。(朝日新聞4/20)

こんなヒドイ話はない。本欄ではおなじ趣旨を4月14日に発言している。
文科省は子供の健康を考えて、仮にICRPの勧告に従う場合でも最も安全な側の数字で従うべきだ。ICRPは緊急事態収束後の特別な措置として年間1~20mSvを勧告している、その上限の数字を文科省は採用すると言っているのである。
こんなヒドイ話はない。日本は子供の健康をないがしろにしているとして、国際的にも軽蔑されるだろう。

通常の大人の年間上限値が1mSvである。それの20倍を子供の、しかも、学校校庭で設定するとは、どういうことなのか、わたしはまったく納得できない。
ICRPの最も安全側の数字(1mSv/年)を採用し、その場所に一年中居るとした0.11μSv/hを学校の上限値とし、それを超える測定値が出ている学校では子供たちを集団疎開させるべきである。第2次大戦中にやったことが、なぜいまできないのか。

内部被曝には閾(しきい)値がないというのがヨーロッパなどの理解であり(アメリカ主導のICRPは違うかも知れない)、体内に放射性物資はすこしも取り込まないようにせよ、というのが指導方針でなければならない。それを「考慮する必要がない」とは何事か。 ].

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