無料ブログはココログ

« 小出裕章氏が語る、原発事故工程表は信じられるか。 | トップページ | 暖房をつけネットで反原発見ながらマルナガのアイスまんじゅうを戴いてしまった。 »

2011年4月24日 (日)

平成24年度診療報酬・介護報酬改定(15)            静かな津波を日銀はどう受け止める

保健医療経営大学学長
 橋爪 章
2011 年 4 月 24 日 平成24年度診療報酬・介護報酬改定(15)

「静かな津波(Silent Tsunami)」という言葉があります。

国連ミレニアム開発目標の制定時に定義された言葉です。

人類にとっての日々の脅威である貧困、飢餓、エイズ、マラリア、紛争などを意味します。

津波は、いっぺんに数万人、数十万人の命や生活を奪いますが、たとえばアフリカでは毎日数千人がエイズやマラリアなど「静かな津波」で死亡しています。

「静かな津波」は、必要な施策を施すことによって被害を縮小することができるにかかわらず、着目されないばっかりに現実の津波以上の被害が放置されていることを警告するために生まれた言葉です。

近年の例では、たとえば2007年から2008年にかけての世界の食料価格の高騰が飢餓人口を1億人以上増加させたとして、「静かな津波」の言葉を用いて警告が発せられています。

日本にとっても、国民の最低限の生活を保障する社会保障予算が削られれば、数十万人が生活を奪われてしまいます。

とりわけ、医療の維持に必要な予算が削られれば、医療崩壊が多発して数万人の救える命が奪われてしまいます。

必要な社会保障予算や医療費が抑制されることは「静かな津波」です。

東日本大震災では、現実の津波によって数万人の命が奪われ、20万人の生活が奪われてしまいました。

被災者が一日でも早く生活基盤を安定することができるよう、多くの資金を復旧・復興に投じなくてはなりません。

ただ、忘れてはならないことは、復旧・復興の財源を確保するために社会保障予算を抑制したりして、「静かな津波」を人為的に作ってはならないということです。

医療・介護のための予算など社会保障予算が5%も削られるようなことになれば、間違いなく3万人以上の命が奪われ、20万人以上の生活基盤が失われることでしょう。

毎年のように、東日本大震災を上回る被害が日本社会を襲うことになります。

しかし、復旧・復興資金に最低でも20兆円は必要ということで、社会保障予算を抑制せざるを得ないという空気が醸成されつつあります。

復旧・復興への国を挙げての取り組みに、医療・介護の関係者も全面的な協力を惜しんではなりませんが、そのために「静かな津波」を惹き起こすようでは本末転倒です。

20兆円の財源確保のために社会保障財源をどうしても削らなくてはならないというのであれば、20兆円という額の積算根拠を精査し、「静かな津波」を起こさなくてすむくらいの額まで抑制するという作業も必要となります。

20兆円という額は地球上の多くの国々の国家予算を上回る規模の大きな額です。

1億2千万人を国家予算215兆円(一般会計+特別会計)で養っている国が、また国民1人あたりGDPが4万ドル(400万円)の国が、その国力の範囲内で、被災者20万人規模の災害への特別対策にどのくらいの予算を集中投入すべきか、という相場観が必要となります。

消費税増税は被災者や低所得者を直撃します。

所得税や法人税の増税は景気を後退させます。

国債の発行は国の借金を増やし、次世代へツケを残します。

こういう八方塞がりの中で、社会保障財源に手を付けずに20兆円という財源を確保するのは至難の業です。

たとえば日本銀行が紙幣を大量に印刷し、その紙幣で償還期限が無いに等しいような特別の国債をすべて買い取るような形で20兆円を放出すれば、20兆円という財源を簡単に確保することができますが、そのようなことをすれば円や日本国債の信用は失墜してしまうことでしょう。

理論的には、津波や火災で消失してしまい、決して市場へ戻ってくることがない「紙幣」の総額程度であれば、日銀が印刷して市場へ補充しても通貨の安定を損なうようなことはありません。

また、必要とされる20兆円のすべてを国家予算として確保するのではなく、復旧・復興の自助努力をしている被災企業や被災者への政府保証融資にできる限り置き換えることができるのであれば、金融機関を介して日銀から一時的に市場へ放出した「紙幣」であっても、いずれ日銀に戻ってくるということで、通貨不安には至らなくて済むかもしれません。*
「復興構想会議」には経済や金融の専門家が少ないようですが、おおいに智恵を絞ってほしいところです。

(保健医療経営大学『学長のひとりごと』転載)

*参照記事
日本銀行券をさっさかさっさか印刷して、二十兆円!
それをやっても罪に問われない唯一の機関。
国家の銀行、日本銀行。
「日銀の直接引き受け」ってなんだ?→
あべしげさんのファクタ、読めます。
(かささぎ頭では五分の一もわからない。)
http://facta.co.jp/blog/archives/20110420000999.html

コメント(原発談義)

http://tokowotome.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/vs-9184.html#comment-82924102についたコメント。

コメント

うろ覚えで書いたので、記述に正確ではない部分、誤った部分がありました。
腕時計の蛍光塗料についてですが、日本製の腕時計ではトリチウムは使われていなかったようです。
日本の法律の規制で、370万ベクレル以上のトリチウムは腕時計には使用できず、370万ベクレル程度ではあまり光らないのだそうです。その代わり、370万ベクレルでも光るプロメチウムが使用され、腕時計からの被曝線量は年に数マイクロシーベルトあったようです。日本の時計メーカーは2000年に放射性物質の使用を全廃し、「蓄光性夜光塗料」に置き換わっています。従って、古い時計か輸入時計でない限り、腕時計では被曝しません。
輸入時計の場合、たとえば英国では法的規制がプロメチウムが600万ベクレル、トリチウムが3億ベクレルなので、輸入時計からの被曝線量は数十マイクロシーベルトに及ぶ可能性があります。

乙四郎先生。
実は、はずかしながら、なんどきいても、シーベルトとベクレルの違いがわからないのですよ。わかるのは、数字だけです。桁が多いと、どひゃっとびっくりします。
しかし、きょうの、
「シーベルト単位で評価できるところに、わざわざ、ほかのモノサシをあてても意味はないのでは。
発生源の放射能が100兆ベクレルだから健康影響がある、と危機感を煽るのは、「太陽は熱いから、地球人は焼け死ぬぞ」と言ってるようなものです。」
この表現はよくわかりました。説得力がありました。

乙四郎先生も以前、こどもと妊婦には放射能がよくない。と書かれていましたよね。それなら、いわゆるホットスポットに入ったらしい飯館町とか高レベルの放射能値が出ているところは、だいじょうぶだいじょうぶ、とは口がさけてもいえないはずでしょう?
危険がわかっているのに、被災者の気持ちを忖度して、耳触りの良い気休めをはくのは、政治のただしい態度ではないとおもいます。

かんさんは、松本さんがいったことにしてしまわれたようですが、ああいうことをせっかく口にしながら、なぜ、ちゃんと現地の人たちに説明ができなかったのでしょう。
もったいないです。
気分を害されても、ハートをもって、真実を伝えておれば、もう少しましな展開が期待できたはずです。

菅さんは、ベントを指示しておきながら防護服を着ずに現地入りするくらい、放射線や放射能について驚くほど無知な人なので、ひょっとして、いまだに現地のリスク評価ができていないのではないかと思うのです。
放射線のリスク評価がいかに難しいかは、たとえば広島・長崎原爆の入市被曝の健康影響について、数年間を費やして真剣に取り組んだ者でないとわからないのかもしれません。

広瀬隆+小出裕章vs 竹橋乙四郎

VSとは見ていません。
どちらも本当だと思って読んでいます。

私も単位はどうしても理解できません。
ラジオで大竹まことがわかりやすい単位で言ってくれ・・なんて言っていましたが、そういうもんじゃないと思います。
専門家の間ではそれが当たり前で、一般の人がついていけるような世界ではないのだと思います。

で、乙四郎さんは違う側面があることをそのまま言ってくださっているので、とてもほっとしたりなーんだと思ってしまいます。
ちょうど、戦争中の出来事はすべて日本が悪かった事しか知らなくて、卑屈になりそうになった時、
良いこともたくさんあった、こういう良いことをした人も居たんだよ・・と知っていくうちに安堵したのと似ています。

が、これは今現在わが身に降りかかることなので
かささぎさんのように真剣に知るべきことはすべて知るべきと思いますが、じゃ知ったからと言って現実にどうするのか、とても難しいです。
強制的にここへ避難してくださいと命令が下れば着の身着のままでも行くと思います。
だけど疎開先がある人は自主的に行って下さいなんて困る。
一家で九州へ行って弟の家にずーっと何日も何日も居られるだろうか?
私たち夫婦だけ助かっても、娘夫婦・孫・息子・嫁が
東京に残っていては意味がない、自分だけ命があっても生きる意味がないのです。
仕事を放り出して東京を離れることが一番難しいような気がします。
今までどおり身近な人と一緒に運命を共にするのが
いいのではなかろうか・・・なんて毎日考ています。

わたしも身近な人と一緒に暮らせる方がいいと思います。
寝たきりの夫を見ている人が、「命は惜しくありません。ここで最後まで暮らします。」と言って、避難を拒否してありましたが、今はどうされているのでしょうか。

強制避難区域の人たちの発がんリスクは、タバコを吸ってる人だったらタバコを止めたら帳消しになってお釣りがたっぷりくるくらいのリスクですから、どうして強制するのかな、という気持ちです。
きっと強制しておかないとあとで責任追及されるから、とかいう科学とは別の尺度の判断があるのだと思います。
リスクを少しでも低くする、という政治主導はよしとしても、それなら禁煙も強制してくれないとバランスがとれません。

>だったらタバコを止めたら帳消しになってお釣りが>たっぷりくるくらいのリスクですから

不謹慎ですが、笑ってしまいましたけど。

« 小出裕章氏が語る、原発事故工程表は信じられるか。 | トップページ | 暖房をつけネットで反原発見ながらマルナガのアイスまんじゅうを戴いてしまった。 »

コメント

>菅さんは、ベントを指示しておきながら防護服を着ずに現地入りするくらい、放射線や放射能について驚くほど無知な人なので

って、これ、ポーズじゃなかったの?
あなたたちがあびる放射能をわたしも浴びますという、デモンストレーションっちゅうやつ。
そのくらい平気でしそうなひとだと思うけど。

こわいのは、静かな津波。
これには今後注目していきたいと思う。

「平成24年度 介護報酬改定」
1位。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 小出裕章氏が語る、原発事故工程表は信じられるか。 | トップページ | 暖房をつけネットで反原発見ながらマルナガのアイスまんじゅうを戴いてしまった。 »

最近のトラックバック

2020年2月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29