無料ブログはココログ

« もうすぐ、さくら | トップページ | プルトニウムの検出  原発由来と原爆由来の違い »

2011年3月29日 (火)

放射線、放射能と健康被害(6)  ベクレルとシーベルト

保健医療経営大学学長

 橋爪 章

2011 年 3 月 29 日 放射線、放射能と健康被害(6)

放射能の強さについて「ベクレル」という単位が報道されるようになってきました。

健康影響の度合いを把握するには「シーベルト」単位で起きていることを観察したほうがわかりやすいのですが、事故現場で時々刻々の放射能の強さを測定している技術者の立場では、放射能計測器が示す単位をそのまま伝えたほうが速報性があります。

電球の明るさを、文字が読める度合いで表現するより、60ワットだとか100ワットといった光源のエネルギーで表現するようなものです。

同じワット数でも電球の種類によって実際に感じる明るさは異なります。

省エネ電球で「10ワットで60ワットの明るさ」を得ることもできます。

同様に、同じベクレル数でも条件によって人体への影響は大きく異なりますので、「シーベルト」単位で意味を伝える報道に着目したほうがいいでしょう。

遠くの100ワット電球では字が読めないのと同じく、ベクレル数が大きくても、物質との距離次第でシーベルト数は大きく上下します

ベクレルとは、放射性物質が放射線を出して別の物質に変わる「崩壊」という現象が起きる頻度を示す単位です。

崩壊ごとに放射線が放出されますので、崩壊の頻度で放射能の強さを知ることができます。

1秒間に1個が崩壊すると1ベクレルです。

先日、タービン建屋地下の水から「1ccあたり29億ベクレルの放射性ヨウ素が検出された」という誤報が流れましたが、これは1ccあたり29億個の放射性ヨウ素が崩壊しているという意味の報道でした。

あまりもの数値の大きさに面食らってしまいますが、原子の数を計測しているわけですので、ベクレル単位だと大きな数になります。

たとえば、私たちが日常的に摂取しているカリウムには、0.0117%の半減期12.8億年のカリウム40という放射性物質が混じっています。

半減期が長いので滅多に崩壊しないのですが、それでもカリウム1gを計測すると、30ベクレルの放射線が検出されます。

カリウムは岩石中にも多く含まれていますので、たとえば玄武岩1kgを計測すると200ベクレル以上の放射能強度を示します。

食品中にも、たとえば白米1kg中には1.1gのカリウムが含まれていますので、白米1kg中の放射能強度は33ベクレルです。

海水1リットルには0.4gのカリウムが含まれますので、海水1リットルあたりでは12ベクレルです。

カリウムは必須元素のひとつであり、日常的に摂取していますので、成人の体内には140gのカリウムが常在します。

すなわち、人間自体がカリウムに由来する分だけでも4000ベクレルの放射能を有していることになります。

ちなみに、140gのカリウムから1mの距離に1年間いれば、0.8マイクロシーベルトの被曝です。

人混みの中での生活が長い人の場合、人間からの被曝線量は年に十数マイクロシーベルトということになります。

ところで、ヨウ素は半減期がカリウムの数百億分の1ですので、カリウムの数百億倍のスピードで崩壊が起きていることになります。

従って、放射性ヨウ素で汚染された水からは億単位のベクレルが検出されることが起こり得ます。

半減期が短いので短期間でベクレル数は小さくなってゆきますが、億単位ともなると、多量の放射線が放出されていることには相違ありません。

保健医療経営大学『学長のひとりごと』転載

▼コメント

貞観(じょうがん)津波を検索していたら、箕浦幸治教授(東北大学大学院・地質学および古生物学)のページがヒットしました。
今回の津波以前に書かれたものです。
こういう科学者の警告は、なぜ生かされないのでしょうか。
~~~~~(引用)~~~~~~~~~~~~~~~~
将来予測は、科学の最大目的の1つです。大きな津波が仙台湾沖で将来発生する可能性があるとして、その時期は何時頃でしょうか。再来予測を可能にする科学的根拠を再び地質学に求めることができます。
仙台平野の表層堆積物中に厚さ数㎝の砂層が3層確認され、1番上位は貞観の津波堆積物です。他のいずれも、同様の起源を有し、津波の堆積物です。放射性炭素を用いて年代を測定したところ、過去3000年間に3度、津波が溯上したと試算されました。これらのうち先史時代と推定される2つの津波は、堆積物分布域の広がりから、規模が貞観津波に匹敵すると推察されます。
津波堆積物の周期性と堆積物年代測定結果から、津波による海水の溯上が800年から1100年に1度発生していると推定されました。貞観津波の襲来から既に1100年余の時が経ており、津波による堆積作用の周期性を考慮するならば、仙台湾沖で巨大な津波が発生する可能性が懸念されます。

津波災害は繰り返す;箕浦 幸治=文
text by Koji Minoura
http://www.bureau.tohoku.ac.jp/manabi/manabi16/mm16-45.html

 

« もうすぐ、さくら | トップページ | プルトニウムの検出  原発由来と原爆由来の違い »

コメント

なんかきにいらない。
やいおつしろう。こんなのんきなことでいいのか。
シーベルトにいきなりマイクロがつかなくなったんだよ。ミリとかマイクロとか、なにもなし。
たいへんな事態じゃないか。
なぜみんなだまっている。
いますぐ、原発をセメントでうめようってさけぼうよ。
ここ、このじいさんのいっていること、過激でもなんでもない。広瀬隆をいまこそ、よもう。↓

放射線 健康被害 ベクレル
497,000中2位(これ)3位はヨウ素の場合の記事。

30ベクレル
約 48,000,000 件中2位

放射能 被害 ベクレル
検索144万件中1位

ベクレル 健康影響.

Google
1位

ベクレル 健康被害

二位

一番目にあるのはこれ↓です。

仙台湾 放射線量

24位

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/6513/39403247

この記事へのトラックバック一覧です: 放射線、放射能と健康被害(6)  ベクレルとシーベルト:

« もうすぐ、さくら | トップページ | プルトニウムの検出  原発由来と原爆由来の違い »

最近のトラックバック

2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30