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2011年3月16日 (水)

原発、そして大地震 最悪に備える。

保健医療経営大学学長
 橋爪 章
2011 年 3 月 16 日 自然災害への備え

昨夜10時半、静岡県東部(富士宮市直下)を震源とする震度6強の地震がありました。
未曾有の大震災直後に起きた、東海地震や富士山噴火を想起させる位置での大地震ですので、それらが続発するのではないかという不安がよぎります。
気象庁発表では、東海地震とは関係ないことが強調されています。
自然災害の予測は困難ですが、東北地方太平洋沖の地殻が大きく変動し、日本列島が2メートル以上動いたわけですので、その歪みを補正するための地殻変動が続発するであろうことは予測できます。
過去にも、1605年の慶長地震(東海・東南海・南海地震の同時発生、死者5千人以上)、1707年の宝永地震(東海・東南海・南海地震の同時発生、死者2万人以上)、1854年の安政地震(東海・南海地震の連続発生、死者8千人以上)と、大地震は同時発生や連続発生する傾向があります。
なお、過去最大級のマグニチュード8.6の宝永地震の時は49日後に富士山が大噴火しています
この地域では、平均117年(標準偏差35年)おきにマグニチュード8以上の巨大地震と津波で大きな被害が出ています。
前回の安政地震から150年以上を経ていますので、いつ巨大地震が襲来してもおかしくはなく、備えが必要です。

安政地震の時には、地震後に津波を予想した老人が大切な稲むらに火を放って多くの村人を救った「稲むらの火」の物語が生まれています。
和歌山県広川町に伝わる実話です。

東海道新幹線、東名高速道路など日本経済を支える動脈が走るこの地域で連続巨大地震や富士山大噴火が発生したら、想像を絶する大災害となります。
連続して発生する自然災害の場合は、救援隊・緊急物資が絶対的に不足し、ライフラインも広範囲に長期間断絶します。
最悪を想定した自己完結型の防災の備えが必要です。

2011 年 3 月 15 日 原発事故と健康影響

福島第一原発の正門で中性子線が検出されました。

放射線は距離(の自乗)に反比例して急速に減衰します。

原発の正門は炉心から距離がありますので、ここで放射線の測定値が異常な値を示せば、炉心に異常事態が進行中であることを意味します。

福島第一原発の正門でのガンマ線測定値が、今朝8時半には8217マイクロシーベルト/時となりました。

通常値は0.08マイクロシーベルト/時ですので、通常値の十万倍ということになります。

ガンマ線は、放射能を帯びた物質から放射される電磁波ですので、原子炉の圧力を解放するために放出された気体が放射能を帯びている場合、それが遠くまで漂い、遠くの計測機器で計測される場合があります。

風下の茨城県北部に設置された機器では、通常値の100倍の測定値を示しました。

神奈川県でも通常値の数倍の測定値です。

放射線量の単位としてナノグレイ/時が用いられることもあります。

通常値は30~100ナノグレイ/時です。

放射線が「もの」に当たった時にどのくらいのエネルギーを与えるかを表す単位がグレイで、放射線が「人間」に当たった時にどのような影響を与えるのかを評価するための単位がシーベルトです。

ガンマ線よりも中性子線のような粒子線のほうが人間へ与える影響は大きいので、中性子線の場合はシーベルト表記の値が大きくなります。

自然界では粒子線の量はごくわずかですので、通常はガンマ線の測定値が放射線量の目安となります。

ガンマ線は物質を突き抜ける透過能力を持ちますので、正門で測定されたガンマ線は炉心から直接放射されたものである可能性があります。

原子炉近くの測定器では400ミリシーベルト(40万マイクロシーベルト)の値を示している(今前10時半)ようです。

これは炉心から直接放射されたとしか思えない高い放射線量です。

中性子線も物質の透過能力が大きいですが、水やコンクリート(の中に含まれる水素原子)に吸収されますので、それほど遠くへは到達しません。

正門の測定器で検出されたということは、炉心では相当量の中性子線が放出されていることが類推されます。

中性子線は核分裂反応の生成物ですので、炉心での核分裂を止め切れていないおそれがあります。

私たちが自然界で1年間に被曝する放射線量は1000マイクロシーベルト前後です。

医療検査により、さらに2000マイクロシーベルト程度の被曝を受けます。

従って、数ミリシーベルト(数千マイクロシーベルト)程度の被曝量であれば、目に見える影響はほとんどないということができますが、放射線の影響には「確率的影響」という被曝線量に比例してリスクが高まる影響があります。

10ミリシーベルトの被曝である「がん」になる確率が1万分の1だとすると、100ミリシーベルトを被曝した場合にはその確率が千分の1になる、というような被曝線量と発病率との比例関係のことです。

原発周辺住民の被曝量が通常値の数百倍になれば、被曝に起因する疾病に罹患する確率も高まることになりますので、福島原発の技術者にはなんとか頑張って原子炉の暴走を食い止めてほしく思います。

また、福島原発の敷地内は、既に健康影響が無視できない放射線レベルに達していますので、技術者の皆様方の安全も併せて祈念いたします。

保健医療経営大学学長ブログ転載

▽コメント

地震以来被災地に身を寄せてらっしゃる方々、あれ以来まだ何も食べてないという情報があちこちありましたね。
土曜日は特に高速や道路の遮断規制がひどかった(原発のせい?)
これでは届くものも届かない。
お国は何をやってるの。このまま寒さの中でたくさんの被災者を飢え死にさせるつもりか!
野党の人たちも何も出来ないの?早く結束して!
電力のヘルツのタイプも明治以来そのままとありましたね。当時の権力者達の対抗意識でしょうか?
今の時代同じになっていたらこちらの電力が関東や東北にすばやく届くのにね。

それだけのことなんですか ヘルツが異なる理由は こちら 停電していいから どうかあちらの極限の被災者に 送電して下さい えめさんが言われた通りです
こんやはことにひえます おつらいことでありましょう

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コメント

震災から1週間も経つのに、燃料など必要物資の流通は滞り、全国から寄せられた支援の品々も必要とする人々へ届いていません。
背景事情は理解できますが、行政が縦割りであることに起因する省庁間の調整不足も対応の遅れの原因のひとつでしょう。
阪神淡路の時は、霞ヶ関の官僚たちは、震災直後から財務省はじめ省庁間を不眠不休で走り回っていました。縦割り行政の弊害はずっと以前からいわれてきたことですが、それでも省庁間のパイプは保たれていましたので、各省庁が同じ方向を向いている時には官僚たちの調整力は最大のパワーを発揮します。
政権交代を機に、省庁間の調整は、副大臣や政務官など、霞ヶ関に大勢送り込まれた「政権政党」の役割となりました。官僚主導による省庁間調整のシンボルともいえる事務次官会議も廃止されました。
官僚たちは、危機管理ステージになっても、自律的に動くことができません。
政権党の先生方には、今こそ「政治主導」力を発揮していただきたく思います。
もし、その能力がないというのであれば、是非、官僚たちに判断と行動の自由を戻していただきたく存じます。

うん。しきらんならしきらんちはよゆうたほうがよか。

しきるふりするとがいちばんいかん。たくさんの「命」がかかっとるとやけん。

乙四郎、あまのゆきやさんが夕方のニュースにでてみえましたね。
天野之弥、の字でよかったかな。竹橋乙四郎の連句のとめがきで、そのお名前にであってまださほどたちませんので、おおっと思いました。アトムの御茶ノ水博士を厳しくしたような印象のかたです。
国際原子力機関理事。福島原発のコントロール不能は時間との闘いだ、と一言だけ、しゃかしゃかと歩いてゆかれ厳しい表情でした。んが、その横でこばんざめのような管さんがしゃべくりまくっていました。(ほんとにこのおっさんは事態をわかっているのだろうか?と不安になる。ねじがゆるいのだ、かんさんは。きょうのスピーチだって労働組合の幹事みたいだったよね。)


チェルノブイリのときは日本にまで死の灰が到達。
事故後十日で地球全土にひろまった。
ということを思えば、だれも安全だなどどはいえない。ただただ不安になるだけだ。
ソ連は13万五千人を避難させた。
当時の西ドイツは無人ロボット三台で二十億円もするのを緊急輸出した。放射能だらけの現場で調査や除染作業に働いてくれたハイテク製品である。

で。
日本には。そういうものをぽんと寄付してくれる国はないのだろうか?ロボット。なんでないの?今こそ、出番ではなかろうか。あの放水作業も、ロボットならできるよ。なんだかなあ。自衛隊の連携プレーは感動的だけど、かささぎの目には、久留米の陸上自衛隊の肉弾三勇士と少しもかわらない、延長線上の作戦にしか見えない。もっと時代は科学的に進歩していたはずだったのに。ちっともなんにもかわらない。いったい、どうなっているんだ。

ど~してこんな重要なことを黙ってる?
   ↓
中性子線検出、12~14日に13回
(読売新聞)
東京電力は23日、東電福島第一原発の原子炉建屋の約1・5キロ・メートル西にある正門付近で、これまでに2回だけ計測されたとしていた中性子線が、12~14日に計13回検出されていた、と発表した。
観測データの計算ミスで見落としていたという。

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