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2011年1月10日 (月)

せせらぎの薄氷  歌仙「一行の詩」第三

雪のせせらぎ
文音歌仙 『一行の詩』
       
  起首平成23年1月9日
一行の詩をしたたむる淑気かな  月野ぽぽな  新年 
  あをく薫れるあらたまの墨     姫野恭子   新年 
せせらぎに薄き氷の流れゐて       竹橋乙四郎  初春                                                         春
                             春月
                                                                   雑

第三案(初春)

1 猫柳平安美女の眉に似て
2 せせらぎに薄き氷の輝きて
3 飛び立ちぬ眼下に雪の残るらん

きちんと選句の理由をかきます。

1、平安美女と猫柳の直喩句、それがどうしたっておもうだけ。
平安美女は李下にたたずむ女性しか思い浮かばない貧困なかささぎ。
発句、分類すれば人情自の句、(自分が主語)、うちこしの第三もこれだと、変化がはかれないようにおもう。
2いわゆる虚子一派の提唱した客観写生の本道をいく句。景気の句。
3飛び立ちぬ、で一度切れる。もっとも、飛び立ちて。であっても、そこで一度きるだろう。
意味が文脈がそこで一度切れるって意味のきれです。これも人情句ではなく鳥の視点でよまれた句ですが、どこかぎこちないです。わるくないけど、2がよかったのですよね。とても。
ただ。
原句「輝きて」は次の次にくる月の句にさわります。
五句目に月、ここで輝くという言葉をだすと月が輝けない。
歌仙では常に月が五句目までに出ます。
定位置がきまっている月と花のことは胎にいれておく必要があります。
せせらぎの薄き氷の融けゆきて  本人一直案
せせらぎに薄き氷の流れゐて    かささぎ案

今朝は雪。夜はそこびえがしてとても寒かったですね。こんなとき、日本語を考えます。
きのうこのながれいて、を考えました。早春の川はながれているものだろうか?
あとで裏の川をみてみようと思います。

以前、せせらぎは夏の季感があるといって、小流れという庭のしつらえ用語みたいな連歌言葉(連歌人はよく使われます。皮肉じゃなく。)にかえたことがありました。いま調べてみたところ、せせらぎは「小さな川、小さな流れ」で別に夏に限定されるものではない。無用な季感をなぜくっつけてしまったんだろう。ということを思ってみる価値はある。
音がきこえてくるからだとおもう。
せせらぎ、ということばには、流れる音が入っているんよ。どの部分かはわからない、イメージではそう。
せせり(小さな虫)せせる(こづく、さわる)せせらぎ。
ぎのつくことば、他に思いつくのは、はららぐ、はららぎ。というのがあります。調べたことはありませんが、古いことばで、和歌のことばだった、ちることですはらはらと。これに即してかんがれば、せせらぐ。という動詞が名詞になったのかなあ。
ということをごちゃごちゃ思いつつ整理すると、瀬をすりながら流れる。という意味から出たことばなのかなあ。・・・どうでもいいことを考えるよねごくろうさん。

春の小川はさらさらゆくよ。

って唱歌の川もせせらぎにちがいありませんが、ほら、せせらぎ、といった場合と、小川といった場合では、たしかに季節感が違やしませんか?せせらぎにはなぜか初夏に近いさわやかさがある。ここちよさがある。ながれていなきゃいかん。というよな強固なイメージがある。加えて、川床がせせらぎは小石じゃなきゃいかん。という思い込みまでついてくる。
みなさんもそうおもわれませぬか。

で。それが一点と。
もう一つ気になったのは、薄き氷。
これが何年も俳句や和歌をやっておる人なら、薄き氷なんて物理的なことばはつかわず「うすらひ」という美しい言葉を使うだろう。それを使わなかったのはこの人の個性だろうか、それとも語呂あわせか。

うすらひをつかいたい。きれいですもん。せせらぎによくあいます。

せせらぎに薄氷一つ流れゐて→ひとつがだめですね。発句に一行。

二月、まだ風もつめたいときのスケッチ。
輝くということばはなくとも、光が見える。
そして虚子の大根の一句が下に敷かれるのがみえ、このうすごおりは自分自身となる。

流れ行く大根の葉の早さかな   高濱虚子

(せせらぎの、ではなく、に、がいいです。発句がのを使って連ねた句だからです。)

四句目、春の花前句。せいこさんにおねがいします。
山下整子さんは所属するやまなみ短歌会の権威ある賞を受賞したばかり。
受賞作品集が届いたら正式にご紹介したいと思っています。

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コメント

1、北窓開ける先の幸運
2、雀隠れの風に鳴る音
3、卒業写真の笑顔はれやか

3をよんだとき、なきそうになりましたよ。

こんばんわ
春月や延びる線路を照らしをり

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