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2010年11月21日 (日)

『冬に入る』裏四、恋句

歌仙「冬に入る」

素牛の育つスピード冬に入る   姫野恭子
  蜜柑明るい湾岸道路      中山宙虫
泥饅頭まるめならべてきりもなし  山下整子
  古地図片手に歩く楽しみ    青翠えめ
彼方には月虹見ゆと人の言ふ   竹橋乙四郎 
  厚岸草は枝を広げて       八山呆夢


俗縁のひっぱりこっぱり秀野の忌  東妙寺らん
  らふそくゆらり影もゆらめく      整子
風の日は貴方の視野のなかにゐる  宙

  愛を引き継ぐサファイアリング    えめ

裏四句目案

1掻練(かいねり)の紅(あか)襲(かさね)かさねて
2ミス・マープルを共に愛して
3もののあはれの掻練襲(かいねりがさね)
4草には草の憂ひ抱へて
5メイプルソープはエイズに死して
6をどるモニカととろけるチーズ
7今日のおかずは好きなものだけ
8右に体温ありて安らぐ
9ハモニカ吹いて窓を見上げる
10愛を引き継ぐサファイアリング

選句

明るい句で屈託のない、ぶれない恋句を心がけた。
そらんさん、せいこさん、人名をだしちゃだめでしょ。
秀野が大うちこしにあります。
せいこの「おどるモニカととろけるチーズ」はエロティックで退廃的な、たとえて言えば、アメリカ映画「セックスアンドザシティ」風の味わいがありました。思うに、こんな現代的な句が、こんな田舎の古風なおうちにいて書けるってことがとーってもふしぎなんだわよねぇ。
恋の句は古来さまざまで、心情の恋もエロスの恋もどちらも大切です。
そらんさんの体温が右にあって安らぐ、というのは、前句にべたつきですが、右なのが芸だとおもう。以前もこういうの出しませんでしたか。ネクタイ版で。
ぼんのおかずの句は、日常性がいいのですが、秀野句の俗が強く、まだ残っているところなので、控えた。ここは宝石のようにきらきらした愛、かわらない愛の句がいいと思った。なんの汚れもうけつけないつるんつるんの宝石のような。

もっとも心情的な恋の「草には草の憂ひ抱へて」は秀句でした。
だけど、ここに置いても生きない。
うちこしに、ゆれる火があり、次に風があり、ここで憂いがくると、まるでだれかさんみたいに三段腹になりそうでしょ。あるいは漬物石をおかれた漏斗胸みたいになるじゃろ。それはまずいよ。いつかどっかで使える句だからとっておいてね。

えめさんの指輪の句は、付句としてはさほど新鮮味はありませんが、けれどもここにぴたっとおさまるんです。まるでお姑さんから譲られた指輪がぐうぜん花嫁の指にぴたっと合うようにね。

ってことで、次は恋離れ、雑、575。
勝負句ですかね。抽象的な句でも具象でも、胸がきゅんとなるような句を。

えっと、さっきアクセス解析をしていて思った、真鍋クレオ先生は、たくさん賞を受賞されたのですね、ことし。90を過ぎて、なおすごい恋句を書かれる先生。
先生がなぜこんなにすごいのか、それは連句人なので、常に恋の常備があるからです。恋は老いません。

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コメント

「をどるモニカ」の句はまさにひめのイメージどおり。
アメリカの田舎町のショーパブで踊るダンサーをイメージしてつくったものだよ。退廃的で、せつな的でしょ?わたしの日常とは真っ向にあるもの。そこがねらい。笑

恋離れの句

散る覚悟できてゐるかと風が問ふ

あ、まずい、風は出たばかりだった。

散る覚悟できてゐるかと問ひてみる

空っぽの水がめ注ぐ水がない

帰りしなガラスの靴は落とさない

エメさんの句はイギリスの皇子の婚約を祝う句ですよね?ダイアナ妃の指輪を婚約者に贈ったという。
とてもいいと思いました。

seikoさんの句
いつもながらどれもいい。ガラスの靴>>拾って帰るだろうな、せいこさんなら。私ならわざと残すけど。

恋離れ

きっかりと素通りをする郵便夫

窓を開け渋いワインを好きになる

窓開き青いワインが好きになる

排水に流すワインが渋いから

浴槽に注ぐワインが渋いから

わいんは秋。季語なしです。

この町を一歩も出ずに暮らすこと
なつかしき想ひ出ひとつ篭る島
王の家も我が家も旦過の川の水
年輪は豊膩(ほうじ)となりて泛ぶ川

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