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2010年11月 8日 (月)

『蜆汁』  横山康夫

蜆汁職を辞す日の雨景色
三猿となりて年寄る鳥雲に
夢の世に戀々として苦艾

横山康夫「雨景色」から3句。
しみじみ、しじみといふ季語が一句に合致しています。
横山先生とはじめてであったのは、「樹(たちき)」の新年句会でした。
二十年近い昔ですか。
そのころはどこかの先生で、樹では大会の選者をなさっていた。
ずうっと旧かな正字表記のさほど面白くもないというような作品を書いておられました。
ある種その禁欲的な窮屈さと申しましょうか、おもしろみは全くないが、作品の静けさにこころ惹かれ、そのころ熱心に八女の句会の連衆と連句をやっていたので、中に入ってください。と文音に入ってもらったことがありました。
ある夏です。
そのころの先生は養護学校教師になられるところでしたが、付き合ってくださった。
二巻ほどでしたか。
その後、いそがしさにまぎれて、疎遠になりましたが。
『円錐』誌をおくってくださいます。ありがたいと思っています。
かといって、礼状も書かねば、感想も送りません。ひどいもんです。
とおくから、みているだけ。そういうのが、一番こころよい。

蜆汁、これはしかし、胸にひびきました。
あたかも自分が職を退いたかのように。

はつ雪の今年も袴きてかへる      やすゐ
  霜にまだ見るあさがほの食(めし)  とこく

七部集のこの付合を脈絡なく思い出します。

また、別所真紀子先生の本で紹介されていた古俳諧の

みな買ふてやらむ幼き蜆売   古友尼

も、どこかから浮かんできます。

▼蜆(しじみ)[隋書] 劉臻(りゅうしん)が父、蜆を嗜(たしな)む。
呼んで、扁螺(へんら)とす。(へんらはしじみの異名なり)
 [文字集略]蜆貝は蛤に似て小し。字又顯の下に虫のある漢字(変換不可)に作る。
 
むき蜆石山の桜ちりにけり  蕪村(蕪村遺稿)

(以上は『増補 俳諧歳時記栞草』曲亭馬琴著より引用しました)。

ほんの少し家賃下りぬ蜆汁  水巴
蜆汁花ちるころの寒さかな   余子
浅草の朝はかなしや蜆汁    寛 

(以上三句は山本健吉の季寄せから引用しました)。

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