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2010年11月22日 (月)

『冬に入る』裏五、恋離れ

歌仙「冬に入る」

素牛の育つスピード冬に入る   姫野恭子
  蜜柑明るい湾岸道路      中山宙虫
泥饅頭まるめならべてきりもなし  山下整子
  古地図片手に歩く楽しみ    青翠えめ
あなたには月虹見ゆと人の言ふ   竹橋乙四郎 
  厚岸草は枝を広げて       八山呆夢


俗縁のひっぱりこっぱり秀野の忌  東妙寺らん
  らふそくゆらり影もゆらめく       整子
風の日は貴方の視野のなかにゐる    宙

   愛を引き継ぐサファイアリング          えめ
真っ白いシャツとパンツのたたみ方    
  神崎さくら        

裏五、恋離れ句案

1散る覚悟できてゐるかと問うてみる
2空っぽの水がめ注ぐ水がない
3帰りしなガラスの靴は落とさない
4きっかりと素通りをする郵便夫
5窓を開け渋いワインを好きになる
 窓開き青いワインが好きになる
  排水に流すワインが渋いから
 浴槽に注ぐワインが渋いから
6この町を一歩も出ずに暮らすこと
  なつかしき想ひ出ひとつ篭る島
  王の家もわが家も旦過の水流れ
  年輪は豊膩(ほうじ)となりて泛ぶ川
7真っ白のシャツとパンツのたたみ方 

恋離れ句とは、それ一句では恋にはなれず、前句とあわせよめば恋の余情がある句をいう。これは恋前句といっしょですが、恋前が恋を呼び出すのにたいし、恋から離れるので恋離れです。
せいこ句のらふそくゆらりが恋前。宙虫句とえめ句が恋。
ぼんが書いてくれたコメントで、えめさんの指輪が英国王家のものと知りました。
うっかり時事句に気づかないで過ぎるところでした。
そこで、駄目押し補強しました。しつこいですが。笑
話題を知らなくても、王家の婚約とわかる。

かささぎは、目下森澄雄を読んでいて、この俳人の語彙の豊かさから、その知識の守備範囲に目をみはっています。
たとえば、ここに盗ませてもらった旦過、かささぎは小倉魚町のたんが市場しか知らなかった。でも森澄雄では、これはもともと仏教用語なんですよね。
朝に来て、夕に去ること。「あしたには紅顔ありて夕べには白骨となれる身なり」ってことばが経典にありますが、それです。ああそうだ、それは白骨の御文っていうのだって、いつかオノダがおしえてくれましたねえ。無常のことばであります。

と、王の家も、の句をおいてみて、はっとした。
おったてに秀野忌がでていました。
だめです。同じ無常句。つかえない。

こまったこまった、とふとそのとき、心に甦った。
さくらさんのブログに、たたむ。というのがありました。
そこから一行を拾ってきました。
白シャツ、これは夏ですが、夏でもいいのでこれにします。
一見恋離れにはみえない、日常の一句です。
しかしこれをここに。前句の指輪が庶民の指に光ります。

つぎは、夏の月、77。
おいそがしい函館の杉浦先生に依頼してみます。

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俗縁のひっぱりこっぱり秀野の忌  東妙寺らん
  らふそくゆらり影もゆらめく    整子
風の日は貴方の視野のなかにゐる    宙虫
  愛を引き継ぐサファイアリング   えめ  
真っ白いシャツとパンツのたたみ方 神崎さくら  
つぎに夏の月をあげることを断念します。
(春の花の座で月もだしてもらいますので。)理由は、うちこしに宝石の指輪が輝いているから。ひかりものがあれば、月がでにくい。といわれます。そこで、月の位置をずらします。これを、「月をこぼす」といいます。月はうごきますが、花は定位置を動かすことはできない。正確には、ひきあげることはできてもこぼせない(おくれてよめない)。
どうぞ、夏の句をだしてくださいませんか。
景色の句がいいと思います。77です。

そらまめそらまめずぃんと伸びよ
学び舎めぐる麦畑の波

積木は崩れ夏燕飛ぶ

紙魚のはいだす文学全集

備前の皿に鮎の塩焼き
アイスコーヒーシロップ抜きで

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