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2010年10月22日 (金)

国際協力論講義(25)有償資金協力の(3)

保健医療経営大学学長

 橋爪 章

2010 年 10 月 22 日 国際協力論講義(25)

有償資金協力の(3)

円借款の実施プロセスです。

通常は、設計、入札補助等のためにコンサルタントが借入国によって雇用されますが、その場合は、国際的に行われている選定方法(ショートリスト方式等)によって選定されます。

プロジェクトに必要な資機材・サービスは、原則として、国際競争入札によって調達されます。

こうした調達は、借入国の責任において、JICAが公表しているガイドラインに沿って行われることとなっています。

借款資金の貸付は、原則として、事業の進捗に応じて実際に資金需要が発生したときに行われます

プロジェクトの実施主体は借入国ですが、JICAはその円滑な実施に向け、必要に応じて適宜助言等を行って協力しています。

事業の効果的な実施のために特に必要と判断される場合には、追加的、補足的調査を行う案件実施支援調査(SAPI)を行うことがあります。

プロジェクトの完成後は事後評価を実施し、そこから得られた教訓を日本政府、JICA内部、および相手国政府、実施機関にフィードバックし、その後のプロジェクトの形成、審査、実施、事後監理に役立てます。

完成したプロジェクトの効果の持続あるいは一層の向上のために、借入国の求めに応じて調査を行うこともあります。

(保健医療経営大学『学長のひとりごと』)

▼かささぎの独り言

先日とりあげたSusan George の“A Fate Worse Than Debt"。

スーザン・ジョージはこの本を書いた動機を三つあげています。
一つ、債務が、飢餓の増大と食糧保障の欠如の原因になりつつあることにWFA世界食糧会議のメンバーたちが頭を悩ませていたこと。彼女は「WFA発足以来ここで活動を続けており、他のメンバーより自分の発言を公表する自由を持っていたため、義務意識にうながされた」せいで、この本を書いた、と冒頭でそれをまっすぐ書いています。
もともとこの人は、ワシントンの政策研究所(IPS)とその姉妹機関のアムステルダムのトランスナショナル研究所(TNI)で早くからその問題と取り組み、データ収集や調査などの活動を行ってきた人でした。
IPS、TNIは合衆国内の債務危機ネットワークの調査指導機関であり、従来このテーマについて最も信頼できる研究を公表してきた。スーザンのグループはいつもそのことで債務問題を議論してきた。これが二つ目の理由。
三つ目は、サンフランシスコの食糧・開発政策研究所の古くからの友人たちが、「債務の人的側面の研究」
アメリカ合衆国などにおける第三世界との関係についての政治議論に役立つからとプッシュされ、本をかくことを勧められたからだそうです。

かささぎは、この部分を読んだだけで、嗚呼、アメリカって国は、さすが世界に君臨する国だけあって、すべての問題を「主体的に」考えているんだな。と感心させられた。今更ながら。これまであまり考えたことなかったなあ。
でも、それが覇権国家の真の意味なのかもしれないな。と。

いえ、かささぎにとっては、こないだの沖縄のすぐるさんのうめくような声http://yaplog.jp/u-sugu/archive/98にふれて、はじめて沖縄の生の声にふれ得たように感じたのと同一次元のはなしなんですよ。

最終章は「三D解決策 債務、開発、民主主義」でした。

debt,development, democracyの三つのD。
この考え方の基本的な考え方は、
各国が金利と元本を長期にわたりインフレを起こさぬよう計算した上で、現地通貨で返済することを認めることである。そうです。
このやり方(お金とお金に付随する権力を草の根の多数者に移行させる)ですと現地の政府は開発過程に民衆の声を汲み取る必要があり、真の民主主義が育つだろうとみる。

「建設的返済と債務、民主主義の三D方式はサブ・サハラ・アフリカ諸国に適用するのが最も容易であろう。」
建設的返済=現金での返済、現物での返済。
かささぎは、これまで目を通さなかった本でしたが、学長ブログに促されて目を通しますと、二十年の隔たりがあまり感じられない。
一方、翻訳者の向壽一さんのあとがきに、こうあります。
自分たちは世界最大の純債権国となった(当時)のにもかかわらず、援助をしている国々の真の姿をまったくよく知りもしない。あまりに無知である。現地の民衆が何に悩み苦しんでいるのか、この本はおしえてくれる。真の問題はなにかを考えさせてくれる。
スーザンジョージの理想とする三D政策は、くわしいことは何もしらぬかささぎにも、学長ブログで紹介されている日本の国際協力にまっすぐつながっているような気がしました。

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