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2010年10月 2日 (土)

月刊俳句界10月号から高木一惠の句をどうぞ

月刊俳句かい

雄心の

   高木一惠

雄心のほのかに紅し袋角

靴ぬげば手児奈の素足かつしか野

漁火へふつと涼しき乳房かな

ピノキオは未だ木の鼻小鳥来る

宵闇やわれより熱き犬の胸

慈母なりし悲母なりしとも冬椿

高木一惠(たかぎかずえ)

昭和17年茨城県生まれ。
平成四年、眞鍋呉夫の連衆となる。
「海程」同人、「波」同人・編集長。現代俳句協会会員。
第一回中新田スウェーデン賞。連句協会賞。船橋市民文学賞。
句集に『アダムの骨』『馬の子に』『悲母なりし』。(『俳句界』の紹介文)

高木さん、どうもご本ありがとうございます。
ご活躍のご様子、お慶び申上げます。
経歴をみて、ああそうだった、一恵さんは今、編集長をなさっているんだと改めてその殺人的多忙さに思いをはせました。

雄心のほのかに紅し袋角  一惠

をごころといふのは、ほのかな紅色をしてゐるのだらうか。
ふっと、小林喜一といふ連句人の次の句(名残折立句)を連想。

角落し若草山を仰ぎ見る  喜一

をごころを持つものの、遥けくも美しきものへの憧憬。

それとほぼシンクロしているとおもへる、高木さんの句群。同年代だとおもひます。高木さんや、さくらさんや、喜一さんたちは。かささぎたちより一回りほど年上でいらっしゃいます。とてもロマンチストであります。それは、連句をいっしょに巻いてをれば、よく伝わりました。
上記の句でも、犬の胸の熱さを詠んだ切ない句は、かずえさんの浪漫への思ひと重なり、しみじみ切なくなります。
また、かずえさんは古典的な知識が豊かでいらっしゃいます。てこなのお句、これはそういう類の句ですが、葛飾野、手児奈、という伝説の世界から、こんなにやわらかでみずみずしい叙情世界を構築されるその能力には、やはり連句で詩嚢を鍛えられた人の持つふところの広さといったものをはっきりと見せ付けられます。地名、人名のもつ古い霊力を、今にふるいたたせる能力、現前させる能力とでもいいませうか。

高木一惠はすごい。とはっきりと知ったのは、「連句誌れぎおん」で、俳人にして小説家の眞鍋呉夫氏と今は亡き岡井省二氏と高木一恵さんとの三吟歌仙「山鳥の巻」が掲載されたのを拝読したときです。偉大なる昭和の文人二人をむこうに、一歩も退かず、堂々と渡り合っておられました。
http://www3.ocn.ne.jp/~sakuyat/renk1-yamadori.1.html(三吟歌仙「山鳥の巻」)
その後、かささぎが生まれて初めて参加した六甲山の百韻合宿で、一惠さんを間近に知ることができ、ますます尊崇の念を深めてゆきました。

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コメント

ちょい気取って(おうよ、はりおうたったい)、旧仮名で文章を書きよったんじゃけど、途中からすっかり忘れてました。とほ~

高木さんが懐かしく思い出されます
石橋秀野の墓参にかずえさんのご主人もともに参りましたね。もう十年ほど経ちましたか。

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