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2010年8月14日 (土)

被爆者と放射線被曝 入市被曝と救護被曝

保健医療経営大学学長

 橋爪 章

2010 年 8 月 14 日 被爆者と放射線被曝(入市被曝と救護被曝)

第二号の被爆者は、直接被曝ではありませんが、救護活動や肉親探しなどで爆心地へ近づき、残留放射線による被曝を受けた被爆者です。
直接被曝を受けた物質が「放射能」を帯び、しばらく放出を続けるのが「残留放射線」です。
残留放射線は物理現象なので、理論的に線量を推定することができます。
投下後2週間以内に爆心から約2キロ以内の区域に立ち入った人は被爆者健康手帳の交付が受けられますが、土壌や建築資材が帯びた放射能は時間単位で急速に減衰しますので、推定被曝線量は、爆心地に原爆投下日から数日間居続けない限りは、遠方の被爆者と同じくらいです。
推定被曝線量が少ないことから、入市被爆者の原爆症認定についても審査会の判断と裁判所の判断とは大きく異なっており、がんになった入市被爆者には健康管理手当は支給されても医療特別手当は支給されていません。
第三号被爆者については、爆心から2キロ以遠であっても、原爆投下後2週間以内に、救護・看護・運搬・死体処理等の作業などにより、負傷した被爆者に1日あたり5人以上に触れた者や、負傷した被爆者が多く集合した環境に相応の時間とどまった者へ被爆者健康手帳が交付されています。
負傷した被爆者が放射能を帯びて「残留放射線」を放出している可能性があるからという理由ですが、現代の放射線物理学では、そのような状況下での被曝線量は無視できるほど微量だと推定できます。
医療機関の放射線治療施設でも、患者の治療に従事する医療スタッフに「救護被曝」の心配はありません。
しかし、被爆者健康手帳の交付をめぐる訴訟(平成21年3月25日広島地方裁判所判決)においては第三号被爆者の審査が厳しいとされ、現行の審査指針へと緩和されています。
裁判所の判断では、科学性だけではなく、公平性など他の判断因子が加わります。

(保健医療経営大学『学長のひとりごと』)

▼かささぎの独り言

二年前のお盆に放映された終戦記念日特集の国民放送の番組に学長が出て、ヒバクシャへの細心の配慮が払われた番組構成のなかで、この入市被爆者の残留放射能についての官僚側の考え方を証言したことがありました。
まるで針の筵に座らされたかのような緊張した学長の姿をみて、一気にいろんな思いが駆け巡った。

科学的とはどういうことか、日本にとって「ヒバクシャ」とはなにか。
政治補償はどうあるべきで、お金では何か大事なものが消えないか。
そのことへの言うに言えない、無言の圧力を感じるような放映でした。

参照記事;2008年夏
『教科書に』
http://tokowotome.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_51dd.html#comments

『理想と現実と政治と』
http://tokowotome.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_dbec.html

▼記事

『原爆投下、市民殺戮が目的 米学者、極秘文書で確認』
バーンスタイン教授の話

http://homepage.mac.com/ehara_gen/jealous_gay/atomic_bomb.html

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「被爆者に触れると被曝する 」
検索でみえています。
一位の切実な問いをはりつけておきます。↓

二位はこれです。必読。↓

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