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2010年8月25日 (水)

戦争の話(11)  橋爪一郎従軍記

保健医療経営大学学長

 橋爪 章

2010 年 8 月 25 日 戦争の話(11)

<橋爪一郎従軍記>
   鉄砲で魚取りの巻
 ソ連国境スイ芬(フン)河の守りは命がけですが、楽しいものでもありました。河の真ン中を越えさえせねば、射たれる心配はないのですから、歩哨(ホショウ 見張り番)に立ってない時は魚取りがいい遊びでした。餌もいらない、釣り糸もいらない、鉄砲かついで、山坂下って川の側まで行くばかりですから簡単なものです。
 水は美しくすみ切って、浅く、自然のままに流れていて、遊ぶ人もいない国境ですから、まるで魚の天国です。所で魚取りは、天皇陛下にはないしょですが、川の底に、目くら打ちに五、六発ボンボンと射ちこめばそれで準備完了、鉄砲を横において、腕をまくって一、二分もすると長さ10センチから時には30センチもあるような、ふなみたいなやつがキラキラとひっくり返って浮いて来ます。す早く拾い上げて、一丁上がり、魚は当って浮いたのではなく、脳しんとうでノックアウトの状態ですから、二十も数えているとキラッと返って、泳いで逃げてしまいます。
 この河、冬はすっかり氷ってしまって、アスファルトよりもスペスペの立派な道に変ってしまいます。氷を丸くほがして(石油がんの中で油をもやして氷をとかすのですが)、釣り糸でつると時たまかなり大きな魚がつれることがあります。しかし冬は寒くて、遊びにならないのでめったに魚取りはしません。
 国境の夜は、昼間とは変って、急にぶっそうな、うす気味悪い事ばかりです。あちこちに、意味のわからない電灯の光りがピカピカと何回も光ったり、キリキリと輪をえがいたり、花火の様な照明弾が上がったり、それ等は、みんなスパイたちの暗号です。いつ後からブスッと串(クシ)ざしに殺されるか、昼の魚の二の舞が夜の私達です。

1963年八女郡辺春(へばる)中学校『学年通信』より転載

(保健医療経営大学『学長のひとりごと』)

▼かささぎのひとりごと

氷を丸くほがして。

ほがすということば。穴を開けるという意味。

八女銘菓の「蹴洞(けほぎ)」にも使われていますが、原型は何かな。

しらべる。

ほぐ、ほげる。http://dic.search.yahoo.co.jp/search?p=%E3%81%BB%E3%81%92%E3%82%8B&r_dtype=all&aq=-1&oq=&ei=UTF-8

古語だ。

ここでこんな戦記のところですべきではないが、ちょこっと郷土の和菓子の宣伝。
(それというのも、どこかそれを許してくれそうな雰囲気が橋爪一郎先生のこの戦記にはあるからなのです。)
かささぎはけほぎまんじゅうがだいすき。傑作だと思う。(独創的だから。)
一個百円。でもかささぎにはまずいお茶まんは一個120円もする。
お抹茶味のがお茶まん。苦くて全然おいしいとは思えないのに。
通の人はお茶まんのほうがおいしい、といわれる。ふしぎだ。
http://blog.livedoor.jp/kasurikoubou/archives/1031806.html

コメント

がっこの先生が生徒のおかあさんたちに向けて書かれたものだからでしょうか?
なんだかとても楽しそうですね。

とても客観的な視点でめずらしい戦記ですね。

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