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2010年8月20日 (金)

戦争の話(6) 橋爪一郎従軍記

保健医療経営大学学長

 橋爪 章

2010 年 8 月 20 日 戦争の話(6)

<橋爪一郎従軍記>
   夜と昼とあべこべの巻
 四月八日から翌年の二月二十四日までの三百二十三日間が私の満州三〇六部隊生活のすべてでした。
寒くて、暑くて、又冷えて、心も体も日本刀のようにきたえ上げられた満州一ヶ年には色々の思い出があります。
 ようやく五月の半ば頃、生れて初めての生活が、私達一ッ星を待っていました。それは、夜と昼が完全にひっくり返った十日間ぶっ通しの戦争けいこです。
 夕方五時半に、起きれのラッパがなりひびいて、全員一せいに朝の体操に、朝の飯、昼べんとうをもらって、夕方八時から演習に出かけるわけです。だんだん昼べんとうが近づくにつれて、あたりは、だんだん暗く、だんだん冷えていきます。どこも、ここもまっ暗、くぼみに落ちこんだり、土手に突き当ったり、手さぐりで弁当食べたり、てんやわんやです。寝とぼけて、迷い子ではなく、迷い兵隊にでもなれば、上等兵殿からホッペタをたたかれます。そんな時には、たった一つの星がにくらしく、空の星でも取ってつけたい気持ちになります。
 夜がしらじらと明ける頃、そして鶏が鳴く頃に、ようやく疲れ果てて、兵舎へ帰って来るのですが、朝の六時が夕食で、午前九時にお休みなさいのラッパがなりわたります。かんかんと日の照る日中に夜の夢を見なければなりませんが、始めのうちはなかなか眠れません。昼の十二時になっても昼食は無く、ねずみもさわがず、全く変な十日です。しかし実に役立つ演習でした。

(保健医療経営大学【学長のひとりごと】)

▼かささぎの連句的。

上記橋爪一郎の戦記を読み、なぜかうかんだ。

「世界の終わり」の「白昼の夢」
歌詞;http://music.yahoo.co.jp/lyrics/dtl/KAA079099/AAA459273/
動画;動かないが、ココで聞ける。http://player.video.search.yahoo.co.jp/video/f05353bc35d895181ad18e09f4d84003?p=%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E7%B5%82%E3%82%8F%E3%82%8A%E3%80%8C%E7%99%BD%E6%98%BC%E3%81%AE%E5%A4%A2%E3%80%8D&b=1&dr=&pd=&st=&s=&ma=&of=&from=srp&rkf=1&r=2

誰も余人は評価しないかもしれぬが、かささぎはこの単調なメロディと、この遁げるに遁げられぬどうしようもないような歌詞のもつ世界の閉塞感にひかれる。
フカセ、という人。ただものではない。

戦記にかような若者の現代音楽をつけるのは不謹慎といわれるだろうか?
戦争にいかされるのも若者なら、平和なときに死ぬほど悩むのも若者です。

コメント

おはようございます。
従軍記拝読しています。
小5、6年生の頃担任の女先生は30才位。
終戦の頃が私達の年齢だったと思い出話をしてくださいました。
先生は戦争末期を朝鮮半島で迎えられました。
戦況が悪化してきてどこの家族も日本へ帰る手はずをあれこれ苦心されていたようです。
先生の家族は運よく舟の確保ができたようでした。
荷物はほとんど持たず、着の身着のままで。
女の子の先生は頭を坊主に刈り衣服も粗末で目立たないように注意を払い、見た目男の子になって舟までたどり着き、数家族暗い海の上に息を潜めて身を寄せ・・運よく日本に帰ってこれた。と話してくださいました。
リアルに詳しく話してくださったのでとても印象が残っています☆

エメさん、私の周りではほとんどそんな話を聞いたことがありませんでした。
私が特に耳をふさいでいたということもあります。
船で帰国した人たちの中には門司港について、二日市に収容され、二日市には女性にとって過酷な施設があったようです。
頭を刈ったのは男の子に見せるようにそうしたんですよね。
年代によって聞いた話がいろいろなのですね。

えめさん、貴重な記憶を書いてくださったこと、ありがとうございます。
半島から引き揚げてきた人の話、わたしも聞いたことがありますが、そんなに小さいときではありませんでした。大人になってから。こどものころは、戦争の匂いなんてあんまり意識しませんでした。

追伸。せいこさんちの父上は行かれなかったのかな?
きいてみたいが、まだ忙しいのだろうか。(次女一家がきてるという。)

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