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2010年8月21日 (土)

祝第42回九州俳句賞 西本清美氏

枕返し

   西本清美

遠き日の枕返しや白すみれ
木簡の息づく気配雛の夜
桃の日のまぶた閉ずれば櫂の音
飛花落花天は追伸忘じたり
夕澄みてはらから隠す花つばな
過去帳を一行ふやす鱗雲
異次元へ彩が流るる吾亦紅
天狼を見据えていたり蕗の薹
深き夜の声晃々と鬼やらい
仮の世の母胎に咲けり帰り花
廃屋に刻をためたる秋の蝶
ねこじゃらし男が探す忘れ水
てのひらの熱もつままや花芒
沈黙の真昼 背後に柘榴割れ
人を消し音をなくせし百日紅
身の内に紅の木槿の墓標かな
群生の闇を知らしむ蝉時雨
夏蝶にそっと引墨見られけり
にんげんの頭上に滅ぶ山法師
ひと影のすこし動けり霜柱

用語解説;
1枕返し


まくら‐がえし〔‐がへし〕【×枕返し】

枕の向きを変えること。特に、人が死んだとき、北枕に変えること。

木枕を多く重ねて手でささげ、自由にもてあそぶ曲芸。

②民俗学では、夢をみているあいだは魂が体から出て行ってるため、枕をひっくり返すとあの世から魂が戻ってこれなくなると信じられていた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9E%95%E8%BF%94%E3%81%97

③妖怪、水木しげるの作品にも登場します。
http://www.sakaiminato.net/site2/page/guide/point/miru/mizuki/youkai/makura/

2 引墨
ひき‐ずみ 【引(き)墨】

書状封じ目に墨を引くこと。「〆」を書くこと。また、その墨。
まゆをそったあとに墨を引くこと。また、その墨。

3 山法師(山帽子におなじ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%9C%E3%82%A6%E3%82%B7(星野の星の文化館への道すがら、たくさん咲いていました。)

受賞のことば

  西本清美

 三十数年前、俳句というカオスの世界へ飛び込んだ。若かったその頃感性は豊かだった筈なのに先輩方の俳句には到底近づけるものではなかった。懸命にその頃の俳誌、本を読み模索し、思い悩んだ事を思い出す。その後、諸般の事情にて十数年休止、残心のあったこの世界へ復活した時私にひとすじの光が差し込まれて来た。それが私の第二の俳句人生となる。
 私は最近、自分の俳句への姿勢は万人の人に伝わる事ではなくとも、そこに共鳴して頂く人が一人いれば良しと思っている。今回、又、ひとすじの光を頂き、もうこの世界から抜け出せぬことを確かと心得る。辞世の句の出来るまで頑張っていこうと思っている。
 この度の受賞につきまして選考頂きました方々に心より厚く御礼申します。
 有難う御座いました。

略歴 
昭和48年 俳句を始む
昭和49年「沖」入会
昭和51年「沖」脱会「渦」入会同人
その後福岡に移住の為十数年休止
平成10年「夜行」(宮部鱒太主宰)にて復活同人
九州俳句作家協会会員
平成13年 第一句集「カオスの海」上梓

「九州俳句159号」より引用しました。

▼「連句誌れぎおん2003年春号」で、西本清美さんの虫の句を一つ紹介した文章がかささぎにありました。かささぎは西本清美様へ引用の御礼など全く申し上げていなかったと思います。ここに改めて、お礼を申し上げます。ありがとうございました。
『虫 5』
http://tokowotome.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_dc08.html

斑猫や其処から先は明治の父  清美

(ハンミョウ=夏=は別名道教えといわれる虫。)

斑猫や松美しく京の終(はて)   石橋秀野昭和21年
  (鳴滝といふに一時の宿りを得て、の前書あり)

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コメント

西本さんの御句
何年前だったかれぎおんに虫という題で書かせてもらってたころ 引用紹介したことがありました
後で調べてみます
今から仕事です
帰って 受賞の言葉 もうちこみますので

ハンミョウの句
でみえていました
道おしえ、ですね
みたことあるかな?

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