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2010年6月11日 (金)

口蹄疫とケーススタディ(10)               ワクチン防波堤破れる

保健医療経営大学学長

 橋爪 章

2010 年 6 月 11 日 口蹄疫とケーススタディ(10)

ワクチン防波堤が破れました。

10日判明の6例です。

280例目 都城市高崎町 牛

281例目 木城町 豚(5/23ワクチン接種)

282例目 川南町 豚(5/24ワクチン接種)

283例目 西都市 牛

284例目 日向市 牛

285例目 宮崎市 豚

ワクチン接種後2週間以上たってからの発症は、ワクチンの発症予防効果が100%ではなかったことを意味しますが、ワクチン接種以降に発症報告数が少なくなっていたのはワクチン効果であったことに違いはありません。

発症が少なくなった分、ウイルスの拡散も少なくなり、蔓延のスピードも鈍ったはずです。

ただ、誤解してはならないのは、ワクチンには感染予防効果はないということです。

蔓延のスピードが鈍くなったとはいえ、ウイルス汚染は広がっていたのでしょう。

潜伏期間を考慮すると、ワクチン防波堤が破られたのは先週末頃でしょうか。

しばらくはワクチン防波堤の外で広域に発症報告が相次ぐことが予想されますが、1例1例について防疫措置を確実に行い、終息させてゆくしかありません。

これからは新たなステージに突入することになりますが、この感染爆発を1か月以上もの長きにわたり一定地域内に封じ込めることができたことは評価できます。

また、川南町の感染爆発の中心地域に家畜を守り抜いている農家がまだ残っていることも、防疫の基本を守ることの有効性の証明となります。

(保健医療経営大学『学長のひとりごと』)

コメント

実質第1例の「水牛」は、口蹄疫に汚染されていないオーストラリアからの輸入(のはず)なので、水牛に感染させた別の感染源があるはずです。
輸入される水牛は豪州で21日間隔離されてから輸出検疫を受け、日本到着後も14日間観察されてから輸入検疫を受け、やっと輸入が許可されます。
とある英字紙( Miyazaki Morning News http://miyazakinews.blogspot.com/ by Daniel Rea )が、感染経路について書いています(5月27日)。
それによると、4月1日に韓国Pocheonにおいて競売で購入された仔牛が、14日間の検疫隔離を経て、4月15日に都農町の第1例目の農場に納入されたのだとか。その仔牛には既に感染の徴候があったが、農林水産省は血液検査を怠ったのだそうな。(The calf was already showing signs of infection but failure to conduct blood tests by the Agriculture Ministry allowed the calf into the Tsuno farm.)
この記事が信じがたいのは、そもそも日本政府は韓国(口蹄疫発生国)からの牛の輸入を認めていないこと、水牛への感染は3月31日に採取した検体の検査で確認されているので、4月15日の持込みでは水牛への感染源ではあり得ず、ニュース価値がないことです。この記事では、水牛にはまったく触れていません。
しかし、記事では、農家が新聞社へ仔牛購入と検疫承認の証拠を提供したと書いています。(The farmer provided the Miyazaki Morning News with evidence of the purchase and quarantine approval.)
これが事実だとすると、口蹄疫発生国からの牛の輸入を認めてしまった過ちと、口蹄疫の徴候を検疫で見逃してしまった過ちとが農林水産省にあることになりますが、そんな重大な過ちがあったとは、にわかに信じられません。水牛の検査結果が虚偽であった可能性も示唆されますが、それも信じ難い。
なお、記事によると、日本政府は、韓国からの仔牛の輸入がなぜ許されたかを答えていないとか。
(The Japanese government has confirmed the calf was the source of infection but has yet to answer as to why a calf in an infected area could be bought at an auction and allowed to enter Japan.)

全体として、この英字紙の信憑性に疑わしい印象がありますが、署名記事でもあり、火のないところに煙は立たないので気になります。

>記事によると、日本政府は、韓国からの仔牛の輸入がなぜ許されたかを答えていないとか

日本の終わりさん。
前から思っていたことですが、日本の政治家は内向け外向け使い分けているようなところがあります。
核のもんだいがまさにそうですし、このことも、まったく深く追求をしない政府の態度をみせつけられていると、ほんとうのことではと感じます。
外国の記者が知っていて、日本の記者が知らないことがあってはいけない。自分達の国の事なのに。

今回の政府対応のうち、どうしても解せないことのひとつは、なぜ、国際機関の疫学専門家チームの受け入れを拒否したのか、ついでに言えば、拒否したというニュースがなぜ英字紙からしか流れなかったのか、ということ。
個人的経験の限りではありますが、国際機関からの申し入れを拒否した記憶はありません。
感染経路が解明されるとまずいことがあるのでは、と国民が疑心暗鬼になっても仕方がない対応です。

ついでにひとこと。
誰も意図的にウイルスを持ち込んだり広げたりしているわけはなく、皆、懸命に終息に向けて努力しているので、これまでの感染の広がりの責任を誰かに問うても仕方がないと思います。ただし、今日から始まった「飛び火」感染拡大については、疫学調査による感染経路解明への政府の消極性に責があると思います。「飛び火」を防ぐためのポイントは、感染経路の解明によって得ることができます。

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コメント

防波堤が破られた今、あらためてワクチン接種の意味について。
ワクチン接種を決断した当時の報道の見出しにもしばしばありましたが、ワクチン接種は「時間かせぎ」です。
手に負えない蔓延スピードをワクチンによって鈍らせ、その間に集中的に打つべき手を打つ、という意味です。
少なくとも内閣の総とっかえで政治空白を作っていいような期間ではなかったはず。
最悪の総理辞任のタイミングでした。

おっしゃるとおりです。
このタイミングでなんでこんな入れ替えやってるんだよ。というのが常識的な感想です。

気になっていた、旬刊宮崎新聞社と共産党の関係をきっちりと調べ上げたブログを発見しましたので、お知らせします。(アクセス解析でみつけた。)

次の一文を紹介いたします。以下、引用記事です。

最近、「インターネット上で『旬刊宮崎』5月15日号で、安愚楽牧場が口蹄疫の感染の隠ぺい工作をしていたと報じる記事があり、その発行元『日本共産党宮崎委員会』となっているがどういうことか?」との問い合わせをわが党に多数いただいております。
「旬刊宮崎」紙と日本共産党宮崎県委員会とは、一切関係はありません。またそのような記事とも無関係であります。
        日本共産党宮崎県委員会
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ということで、
口蹄疫の記事を報道した旬刊宮崎新聞社と、日本共産党は全く関係のないことが確認できましたので、報告いたします。
もし旬刊宮崎は日本共産党が発行したものだと思われている御方がおられましたら、このことを伝えてあげてください。」

引用終わり。

さあて。どっちがほんとうなんだ?

今回の口蹄疫禍では農林水産省以外の動きがまったく見えません。
野生動物は環境省の所掌だし、と畜は厚生労働省の所掌ですが、小沢大臣や長妻大臣の動きが見えません。
仕事、してますか?
今の官僚たちは指示がないと動けない。

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