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2010年5月24日 (月)

口蹄疫とケーススタディ(1)             ちまちまの重さ尊さを思え

保健医療経営大学学長

 橋爪 章

2010 年 5 月 24 日 口蹄疫とケーススタディ(1)

今回のワクチン広域接種・殺処分の決断に際し、「ここまで広がっている以上は、ちまちまやってもしょうがないから、そこまでやるかというところぐらいまで踏み込んでやりたいと思ってます」との農林水産大臣の発言がありました。

踏み込んだ対策が必要であるのは当然ですが、「ちまちまやってもしょうがない」という発言については誤解を生みがちですので、この機会に、公衆衛生活動の基本について解説します。

疾病対策は、個々の症例について最善を尽くした結果の積み重ねとして成果が得られるものです。

たとえば結核対策がうまくいったのは、結核患者のひとりひとりを登録して保健所が丁寧にフォローしたからです。

ひとりひとりへのアプローチは人手も予算も嵩みますが、それでも決定的な効果があります。

結核を克服しつつある国とそうでない国とを決定づけているのは、医療インフラの充実度ではなく、患者登録/追跡システムが確立しているか否かです。

すなわち、「ちまちまやる」ことが最重要であり、王道はありません。

現代の日本を悩ましている疾病のひとつに糖尿病があります。

糖尿病対策の必要性から、糖尿病の怖さを周知する広報がたくさん流れています。

多くの予算が投じられて糖尿病の医療体制も充実してきています。

しかし、わが国の糖尿病は一向に克服の気配がありません。

糖尿病(予備軍)の人たちへの「ちまちま」としたアプローチが不十分だからでしょう。

健診等で発見された糖尿病のリスクを抱える人のひとりひとりへ「ちまちまと」糖尿病の怖さを伝え、糖尿病の医療体制へ導くことなしには、糖尿病対策の成果は得られないのです。

わが国の医療・福祉水準を維持している原動力のひとつに、「症例検討会」(ケーススタディ)があります。

関係者が集まって「ちまちまと」事例検討を行う現場習慣です。

口蹄疫対策についても、いろんなことが「ちまちまと」やられてきていますが、決して「しょうがない」ことではないはずです。

(保健医療経営大学『学長のひとりごと』)

▼かささぎの独り言

「王道はない、一対一で正面から向きあってちまちまとやるしかないじゃないか。」
この言葉の裏側には実務家としての思いがこめられています。

赤松大臣の放った言葉の真意は、際限なく広がる火事を消し止めるために直ちになすべきことは、大規模な空からの消火活動以外ない(広範囲なワクチン接種以外なし)、とおっしゃりたかっただけなのでありましょうが、あまりにも無神経なんです、この大臣。外遊の件も一言もわびていない。今は個人攻撃のその時期ではないから、国民も黙っていますが。
種牛への感染に対し、苦悩の知事が、「宮崎の宝なんだ。殺すのはまってくれ、なんとか一頭でも生かす道はないか、探ってくれ」と懇願した、その言葉が打ち捨てられ、やはり他のすべもなく、殺されるしかないことになった。

アクセス解析でみつけた記事ですが、リアルに腐臭が匂ってくる。

宮崎、口蹄疫の本当の悲惨さ。民主党の初動はどれだけまずかったのか?」http://ameblo.jp/kooks-chelica/entry-10542169605.html

▼コメント

ペットのヤギさんにまで感染が・・
赤松氏が「現場を直接御覧になる日」はいつなんでしょうね?

投稿: エメ | 2010年5月24日 (月) 10時49分

大局的判断では、ルール通りに種牛49頭を殺処分することになります。
同環境下に患畜がいたので、一般論として感染の可能性が否定できないから策定されたルールです。
しかし、知事は、一頭一頭について検査を繰り返して「ちまちまと」感染の可能性を否定するから、と懇願しています。
周辺が清浄化され、考え得る潜伏期間を過ぎても感染検査で陰性であれば、感染の可能性が否定できますので、ルール破りの特例(超法規的措置=政治家しかできない)を検討してもいいのではないかと思います。
種牛は民間農家も持っているので、県の種牛だけ特例を認めると示しがつかない、とかいう理屈も述べておられますが、それだったら民間にも特例が適用できるような、「ちまちまとした」種牛隔離と検査継続支援を本気で検討したらいいのでは。民間の人も断腸の思いで泣く泣く種牛を処分しているのですから。
ちまちまとしたことに価値を見出してほしい、と切に思う今日この頃。

そういう意味でしたか。現地の人たちがどんなに精魂込めて祈りをこめて日々じぶんの大事な家畜たちをウイルスから守ろうとしているか。その努力一つもおもんぱかることなく、ルールは非情に下すべし、とばかりばさっとやる。それはそれで仕方ないのかと思っていました。しかし、元官僚さんのそのことばでやっとわかりました。
きのうの、圏内の清浄な家畜は、食肉用にはやめに出荷する、ということの意味とまったくおなじ意味でしたか。なるほどそれなら、わかります。
知事の苦悩の発言の真意もこれできちんと伝わりました。

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コメント

ペットのヤギさんにまで感染が・・
赤松氏が「現場を直接御覧になる日」はいつなんでしょうね?


大局的判断では、ルール通りに種牛49頭を殺処分することになります。
同環境下に患畜がいたので、一般論として感染の可能性が否定できないから策定されたルールです。
しかし、知事は、一頭一頭について検査を繰り返して「ちまちまと」感染の可能性を否定するから、と懇願しています。
周辺が清浄化され、考え得る潜伏期間を過ぎても感染検査で陰性であれば、感染の可能性が否定できますので、ルール破りの特例(超法規的措置=政治家しかできない)を検討してもいいのではないかと思います。
種牛は民間農家も持っているので、県の種牛だけ特例を認めると示しがつかない、とかいう理屈も述べておられますが、それだったら民間にも特例が適用できるような、「ちまちまとした」種牛隔離と検査継続支援を本気で検討したらいいのでは。民間の人も断腸の思いで泣く泣く種牛を処分しているのですから。
ちまちまとしたことに価値を見出してほしい、と切に思う今日この頃。

そういう意味でしたか。現地の人たちがどんなに精魂込めて祈りをこめて日々じぶんの大事な家畜たちをウイルスから守ろうとしているか。その努力一つもおもんぱかることなく、ルールは非情に下すべし、とばかりばさっとやる。それはそれで仕方ないのかと思っていました。しかし、元官僚さんのそのことばでやっとわかりました。
きのうの、圏内の清浄な家畜は、食肉用にはやめに出荷する、ということの意味とまったくおなじ意味でしたか。なるほどそれなら、わかりますとも。知事の苦悩の発言の真意もね。

これもまた報道が少ないのですが、「政治主導確立法案」が審議入りしています。
公務員削減のご時世に、内閣官房長官や各府省の政務三役を補佐するため、内閣政務参事や政務調査官などのポストが新設されます。
常勤定数が22名も増えます。
政務参事は月額85万~72万6000円、政務調査官は62万1000~37万6000円の俸給です。
党職員が充てられるようですが、縁故採用との違いがわかりません。
なお、比較が躊躇われるところではありますが、戦前のドイツでも、ナチス党員が行政機関の高級ポストを得て行政の支配権を握り、独裁体制を築いています。

ついでの話題。
こちらは反対運動が多くてネット露出も多いので詳細は省略。
国会法改正案も国会提出されています。
副大臣、政務官は増員です。
官僚答弁禁止が盛り込まれているので、ちまちましたことは国会で審議されなくなると思います。
それはそれとしていいのですが、大所高所の議論ばかりで世の中が動くわけではないので、国会がどんどん浮世離れしてゆくことでしょう。
法解釈のスペシャリスト集団のトップである内閣法制局長官も国会答弁できなくなりますので、誤った解釈のままの国会審議で法案が可決されてしまう危険性もあります。

きょうの午後のラジオから流れたNHKのニュース。
みやま市が、宮崎の口てい疫被害の酪農家への義援金募集をいち早く始めたことが報道されました。酪農がさかんな当市にとってもこの事件は他人事ではないという理由で。さすが、動きが早い。これって、学長の影響???ってことは、まさか、ないよね。

ちまちまやってしか生きられない。
庶民感覚とはそういうことを指すのです。
ま、わからんじゃろね。
緊急事態の時期に外遊なんかにうつつをぬかしている御仁には、
とても。

みやま市は消毒薬の確保も早く、臨戦態勢は万全です。
種牛49頭の救命要請について、政治家(副大臣)は門前払いでしたが、官僚(農水省)は結論を保留しています。
「最終的には大臣が判断する」とのことです。
官僚、頑張れ!

みやま市が・・・ていうニュース、そういえば、かささぎ一家とお客さんとでご飯食べているとき、だったかな、流れていたような。
そういうことだったのですね。
未曾有の災害、しかもこれは失政による人災。
とっても恐ろしい後々まで響く大事件だと思います。流れをみていたら、いても立ってもいられなくなります。同じ九州の人間として、知らない顔はできない。
八女市も農業高校のある市だし、その農校には牛もいます。息子の小学校時代の友人の家にも牛が飼われている。(上妻)
どうか万全の臨戦態勢をと願うのみであります。

追伸
日本の終わり。さんへ。
政治主導確立法案や国会法改正案に関することは、正直いって、いまいちよくわかりません。
ただ、従前からの力を徹底的に殺ぐ構えの布陣なんだろうな。とは感じます。ということは、その新たな勢力で、なにかをやろうとしているんだな。とも思います。たとえば、憲法改正。たとえば、消費税アップ。
それがこんなどさくさまぎれにきまるんだろうか?

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