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2010年5月15日 (土)

口蹄疫の正しい知識(1)          人間への影響は本当のところどうなのか

保健医療経営大学学長

 橋爪 章

2010 年 5 月 15 日 口蹄疫の正しい知識(1)

我が国の公衆衛生の今世紀最大の事件が宮崎県で進行中です。

風評被害を招かないようにとの配慮からか報道は抑制されています。

しかし、HIV/AIDSやO-157などの経験上、正しい知識を迅速に広めることが風評被害を防ぐ最善の方法です。

口蹄疫についての客観的な情報を紹介してゆきます。

なによりも優先して伝えるべき知識は、人間への影響です。

「人間への影響はありません」

という知識があれば、風評被害は起こりにくくなります。

しかし、報道規制などの情報操作が疑われるようになると報道は信用を失います。

人間への影響はありません、という情報は信じるしかないのですが、そのためには信用が重要です。

人間への影響については、研究の蓄積があります。

ここでは、それを紹介します。

(1)   人間には感染するか。

多くの研究が、口蹄疫ウィルスは偶蹄類の動物には広く感染するが、人には感染しにくいという結論を出しています。

しかし、感染した例はあります。

口蹄疫の研究者は高濃度のウイル スにさらされることがあり、ごく稀に感染が報告されています。

口蹄疫が常在する国で、搾乳に従事する農民への感染も報告されています。

ウイルス学で権威のある雑誌「Archives of Virology」の口蹄疫の章では「人は稀に感染する」と書かれています。

なお、感染するかどうかということと、人間へ健康影響があるかということとは別問題です。

(2)   人間には健康影響があるか。

Archives of Virology」では、次のように記載され、健康被害は否定されています。

「科学的に確認された人の口蹄疫感染例は少数が知られているが、人の口蹄疫ウイルスに対する感受性は低いとみなされる。いくつかの国で口蹄疫ウイルスに汚染した種痘ワクチンをたまたま接種された子供が知られている。いくつかの国の口蹄疫研究所で働く人々は実際に毎日ウイルスにさらされているが、ごく稀に感染が報告されているにすぎない。少数の報告例での症状は、低いレベルの発熱と、水疱(唇、頬、舌、口蓋、手とくに指、ときに足)が生じる。これらは急速に完全に回復する。人での持続感染は知られていない。口蹄疫ウイルスによる人の死亡の記録もなく、本ウイルスは人への健康被害をもたらすものとはみなせない。」

口蹄疫ウイルスに汚染した種痘ワクチンというのは1960年代のことで、米国、ノルウェー、ルーマニアで多数の子供に接種されましたが、発症例は皆無でした。

以上より、正しい知識は、「濃厚接触の場合に稀に感染するが、健康被害はない」ということになります。

従って、「人間にはまったく無害」と言い切ってもいいのですが、感染の可能性があるか否かという点は重要です。

WHOの人獣共通感染症専門部会は、口蹄疫ウイルスが感染した人の咽喉頭部に保有されて、人が一時的保菌者となると報告しています。

全米公衆衛生協会も、ウイルスの感染は酪農従事者、畜産農場従事者、獣医師、ウイルス取り扱い技術者などに認められ、ウイルスのメカニカルな保菌者となり、動物への感染源となると公式報告しています。

口蹄疫常在地域からアメリカへの入国手続きの際に、「過去2週間以内に家畜にふれたことがあるか、家畜の農場に居たことがあるか、米国へ入国後家畜の居る所へいく予定があるか」と質問されるのは、人が口蹄疫ウイルスの保菌者となることが念頭にあるからです。

日本の周辺国にも口蹄疫常在地域がありますが、日本への入国手続きはアメリカほど厳密ではありません。

人が口蹄疫ウイルスの保菌者になり得るという「正しい知識」は防疫のために必要であり、一部の報道機関が「人間には感染しません」と喧伝しているのは、蔓延を阻止することに全力集中すべき現時点においてはミスリードとなり得ます。

(保健医療経営大学『学長のひとりごと』)

コメント

コメント

元官僚は自民党シンパなの?
ネットではこんな見方もあるよ。
http://ameblo.jp/aratakyo/entry-10533535340.html

なるべく中立を心がけておりますが、現政権には腹を立てております。

元官僚さま、早速のコメントありがとうございます。
今のあなたの立場から、医療に関しての情報を
容易く得るのは簡単であろうと思っています。
それをブログで公表されて、ここの主が披露されている。
それなりの反響があるのもアクセス解析等で存じています。

しかし、それとは別にあなたが個々にコメントされている
事柄には、現政権を批判されているように感じられ
あぁ、やはり元官僚だなあと納得しています。

テレビや新聞等で毎日のように報道されている中身の
空虚さをどう感じられますか?何かしらの圧力の下での
報道管制が敷かれているとはお思いになりませんか?
俗にマスゴミと評され、世論誘導に血眼になっている現状。
B層といわれる一般人には通用しても、多くの国民は、真実を知っています。

馬鹿番組ばかりのテレビも、くだらない内容に終始する新聞の
行く末も先行き悲しい物となるでしょう。
テレビや新聞で評論家気取りのコメンテーターや
一部のタレントが、どれだけ前政権から利用されたんだろう。

独占的な電波ジャックはそのうち破綻してしまう。
真のジャーナリズムがネットを介して、主流になるのも時間の問題だと思う。

あなたもその博識を最大限に生かして、偏らない見方で、これからの
日本の未来を論じて欲しいと願います。

偏らない。と口でいうのは簡単ですが、何をもって中立とするのかは難しいことです。大概があとになってからしか、わからないからです。渦中にあるときには、なにが問題なのかすら、よく見えてない場合が多い。
竹橋乙四郎は元官僚であるがゆえに、わたしたち一般人よりも専門的にみえることがある。また、その逆もあります。だから面白いんです。ずれからみえるものがあるから。だから思うさま伸び伸びと書きたいことを書いてほしいといつも思っています。

それから、テレビ新聞嘘だらけ、とありますが、それは嘘です。たとえば、ある新聞にはこういうことが書かれています。文面から匂い立つ、書くに書けないとでもいうような、筆者の深層心理を読み取ってあげたくなる、すごい文章だと思いませんか。
>ウイルスはアジアで見つかっているものの近縁だという。海というろ過器もやすやすとすり抜けて日本に現れた口蹄疫である。ここは地域住民と行政の連携ばかりでなく、国民的な連帯を密のうえにも密にしてウイルスの浸透を阻みたい。

かささぎ様。
お怒りはもっともです。突然、このような書き込みをいたしましたこと。
ずっと長く続いている乙様との絆を、ここで部外者から非難されることに耐えられないでしょう(笑)

だけど、そういう側面があなたの弱さなのです。
まだまだ甘いと思います。本当の裏の世界を知って下さい。

どれだけ、誤った情報が垂れ流されているかということを。

宮崎の口蹄疫問題だって、世間に知らされていること以外に
隠された、また隠匿されたことがあるんですよ。
報道されている最初に発生した牧場とは別にそれ以前に
真の発生源があります。新聞やテレビでは報道されていません。

全国的に有名な牧場です。オーナー制度で、企業している会社です。しかし、そのことは一切報道されていません。なにかしらの力が働いているからです。

実直な感情は日本人特有な性格なのです。
あれだけ、悪と善を並べて報道するなら、普通の感覚であれば
大概の一般庶民は、誘導されてしまうでしょう。

世論調査だって、質問の仕方次第で、どうにでもなります。
街頭インタビューでも、テレビ局の意向に沿った編集が顕著です。

確固たる意識を持たなければ、そのようなイメージを刷り込まれるのは必至でしょう。
嘘といったのは極端かも知れませんがそれに近いことは確かにあることを理解して下さい。

きれい事ではすまない現実の裏の世界を知れば、この世の
不可解さが良くわかりますよ。

ありゃりゃりゃりゃ。
おこってはおりませんよ。おっしゃるとおりですから。
しらないことをおしえてくださってどうもありがとうございました。
またおいでくださいね。

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コメント

これ、この方が記念すべきはじめての「部外者からのコメント」でした。
コメント、いつもわたくしの知っている連句仲間の人々ばかりでしたので。
八女弁で話すのはやめなきゃいけない時期かもしれません。
(・・・そげなこつばいうたっちゃ、みにしみついとるけんねえ。)

>ずっと長く続いている乙様との絆を、ここで部外者から非難されることに耐えられないでしょう(笑)

なんのなんの。かささぎは非難されたいっちゃけど。笑

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