無料ブログはココログ

« 丘にある磐井の墓や麦青む | トップページ | 平成22年度診療報酬改定(32)            結局、再診料はどうなったのか。 »

2010年3月15日 (月)

『落鮎』 依田しず子

落鮎

    依田しず子

落鮎の鰭の透明夕鮎忌   しず子

「日ののこる石に来ていし夕鮎の水激しければ鰭うごくかな」

 私の歌の師・上野久雄の歌集『夕鮎』の巻頭の一首である。
一周忌の今年の九月十七日を私達は〈夕鮎忌〉と呼んだのだが、この歌集から名付けた。〈桜桃忌〉をはじめ、多くの著名人の忌日に名前があるが、上野久雄の忌日に、これ以上の呼び方は無いだろう。そしてこれが将来、季語になったら素晴らしいことだ。
 波乱万丈の先生の生涯だったが、晩年の二十五年間は短歌一筋だった。文学の風の及ばない田舎の草の根に分け入り、連日連夜、歌の種を撒き、創作の芽を育て、短歌の魅力を説いて歩いた。その惜しみない指導と短歌への愛情に誰もが惹かれ、そのたゆまぬ行動によって多くの歌を愛し歌を詠む人を育てた。
   今は山梨でしか通用しない〈夕鮎忌〉がいずれ季語辞典に載るように使っていきたい。
    縁あって始めた俳句の中で、ほんの少し上野久雄に恩返し出来たら最高である。

   俳句誌『樹(たちき)』 215 (2010・3月号)より

« 丘にある磐井の墓や麦青む | トップページ | 平成22年度診療報酬改定(32)            結局、再診料はどうなったのか。 »

コメント

依田さん。
おなじ短歌畑出身者と聞いて、樹のなかで気になる存在の女性でした。j独特の切り取り方の句がよく掲載されていましたね。
そう、上野久雄氏に師事されていたのですか。
すごい方に指導を受けておられたのですね。


>いずれ又俺を探すさというように芝生に埋もれいたる刈鎌

上野氏の作品は読んだことがありませんがお名前だけは存じ上げております。検索したら、このような一首に出遭いました。
昨日、草取り鎌を「さっきまで使ってたのに」と探し回ったわたくしであります。共感せざるをえません。

せいこさん。この短いエッセイは、樹のエッセイ賞をもらわれたものです。らんちゃんがたちきをくれたので、せっかくだから、引用しました。依田さんからは、おととし、初句集をいただしていたのに、お礼状も何にも書いていなかった。かささぎって超薄情なやつなんだよ。礼儀知らずだしな。
だけど、これは、先生とおっしゃる方の歌がとってもこころにしみたので、引用せないかんと思いました。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『落鮎』 依田しず子:

« 丘にある磐井の墓や麦青む | トップページ | 平成22年度診療報酬改定(32)            結局、再診料はどうなったのか。 »

最近のトラックバック

2020年7月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31