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2010年3月 7日 (日)

『朧大橋』  八女市老連広報42号より 

朧大橋

    八女市  橋爪 房義

 話題の朧大橋について、当時の傍観者の一人として、その建設過程や全体概要を再現します。
  まず、建設の目的です。
 ①交通の利便化・時間の短縮化による久留米市等、北部都市への生活圏の拡大
 ②過疎化を阻止し定住の促進
 ③都市との交流人口の増大
 ④生産基盤や転入環境の整備等、浮揚、活性化対策を通して山間地や地域住民の再生を図る事です。
 旧上陽町は、過疎法が制定された、昭和三十九年に過疎法の指定を受けています。この法は十年間の時限立法で、期限毎に人口の減少内容等が見直され、改正後の法をクリアした市町村は現在も継続されています。
 朧大橋は、旧町道(現市道)の下横山東西線に架設されましたが、この過疎法により、建設は、国から県代行事業として採択されました。
  次に、事業の概要について説明します。
  発注者は、福岡県で、現場の担当は八女土木事務所でした。
 施工者は、住友建設㈱、㈱富士ピーエス特定建設工事共同企業体で、平成九年四月の着工でした。構造は、鉄筋コンクリートアーチ橋で、橋長293米、幅員は、車道7.5米、歩道3.5米、アーチ支間は172米で、橋から谷底まで70米の高低差があります。
 事業費は新聞等で約43億円と報道されましたが、県の過疎代行事業の為、地元の町負担金は0円でした。
 工事の手順では、まず、両岸の橋台が完成した後、両岸から同時に張り出した鋼材を順次、ボルト締めしながらアーム状に伸ばし、最後に中央部でドッキングさせるものです。この工法は、熟練の粋を越えた、神業的作業の連続でした。
 平成十二年九月二十七日に無事、ドッキングは完了し、八女土木事務所長、町長等により、ボルト締め付けの連結セレモニーが行われました。
  橋名については、当初、上陽大橋、下横山大橋など、地域を冠した一般的な橋名が提案されましたが、その勇姿に対し、アピール性が乏しく、検討を重ねた結果、山奥の夜空に昇るおぼろ月と、建設地の小字「朧」を兼ねて、「朧大橋」と決定しました。
 橋全体のデザインについては、東京大学の教授を中心とした、景観検討委員会により、「おぼろ月夜に兎が飛び跳ねる」姿をイメージした、二又に分岐した形状や、逆V字型の鉛直材等、躍動感に溢れたアーチ橋が考案されました。
  この表現に対し、平成十六年に、土木学会の優秀賞を受賞しました。
 朧大橋の完成式は、隣地に併設された、体験交流施設「ふるさとわらべ館」と共に、私の退職二日後の、平成十四年三月三十一日、県知事参加のもと、厳粛に執り行われました。

 以上、硬いコンクリートの話となりましたが、朧大橋の建設過程や全体概要です。
  朧大橋は、費用対効果の面で、これからは、「新八女」の北の玄関口として、山間地や地域住民が、22世紀に向けて歩む、素晴らしい虹の架け橋となるものと期待しています。

  (『八女市老連広報』2010年・第42号より)

※おことわり:引用に際し、漢数字との併記をお許しください。
原文はすべて、漢数字でございます。写真も掲載できればよかったのですが、それは出来ませんでした。もうしわけありませんでした。

かささぎは、この文章を次の点から引用したいと思った。
朧大橋の目的がきちんと書かれていること、施工者名があること、それからこれが一番大きな理由ですが、命名の由来が書かれていることです。
驚かされます。朧というのは、なんとその地の小字名だったとは・・。

追伸:

コンクリートから人へ、というのは現政権の主張ですが、
報道によれば、おかげでコンクリート需要が半分の量にまで落ち込んでしまったそうです。
かささぎの旗にときどき立ち寄っては、味わいのあるコメントを寄せてくださっていた、コンクリート業者のばどさん。今、なんの音沙汰もないので、心配です。

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コメント

私の住む杉並区についていつか書きたいと言っておりましたが、そのひとつをここに書きます。

最近、公園の隅とか公共施設の壁に、経費について掲示されているのが目につきます。

たとえば、公園の立て看板の取替えについてどこの業者がいくらで落札して行ったとか、この施設は年間いくら経費がかかっていてそのうち税金はいくら投入されているかとか・・・透明性を目指している区であることが分かります。

目に見えて以前と違うことが自覚できるのです。
借金もどんどん減らしてもうすぐで貯金ができそうになるのだとか・・・どうやってそうなったのか、また書きます。

記事とはまったく関係ないのですが、さくらさんへ。
昨日のアド街で、杉並区のなんとかという(「上」と「草」しか覚えてない、聴きなれない地名でした)街が取り上げられていましたね。ごらんになりましたか?
都立園芸農業高校の生徒達がつくった野菜が格安で販売されていました。あれ、こっちでも、激安の値段ですよ。都会の価格ではなかった。新鮮な驚きを感じました。

文章を書かれたこの橋爪さんというお方は以前、どんなお仕事をなさっていた方だったのだろうか。と思いました。要点をきちんと押さえた書き方、知りたいことにほぼ答えてくださっています。それも感情をあらわにせぬ書き方で。公務員かなあ・・・?
「朧大橋」で検索します。すると出てくるのは橋をデザインした偉い東大のエンジニアだったり(それ、とってもいい文章だったので、かささぎも引用したのですけどね)、あとは部外者のこんな橋なんのやくにたつのだ的批判記事だったり、橋づくしブログの中での紹介写真記事だったり。ほとんど地元の人の評判記事はみられません。
それを埋めてくれて、今後につなげてくれそうな気がかささぎはしました。
それに、アクセス解析でヒットしているせいことおつしろさんの対決記事、期限立法についても書かれているでしょう。よく目の行き届いた記事なのですよね。ただ工事の始発点を書き忘れてあります。いつ始まったのでしょうね?何年掛かりだったのでしょうね。
かささぎが去年暮れに星野黒木谷の小さな農道の開通式に招かれた時、いただいた参考パンフには、そんな道でさえ、総工費は500万円ちょっとかかっていて、受益者負担(茶畑を持っている人たち)が二百万ほど、あとは県と国と村だったと思います、もう忘れましたが。そんなふうな会計内容をみますと、さくらさんではありませんが、コスト意識が育ちます。たしかに。道、とってもお金がかかりますねえ。公共事業って。

新幹線筑後船小屋駅の地元負担は20億円・・・だったかな。

seikoさんへ

はいはい、昨晩のアド街、私が毎日のように自転車で徘徊しております町、上井草、隣町です。
ガンダムのある駅舎とか農芸高校は娘が通った高校です。
東京は何でも高いと言いますが、やさいの値段などはほとんど格差ないほど安いです。

>平成九年四月の着工でした。
と書いてありますよ。
ところで橋爪房義氏は元八女市議会議員。
平成18年3月の議事録がネットで拾えました。
コンクリートか人かの議論が現民主党代議士との間で繰り広げられています。

(「いきいき町内会運営交付金」と「みずから考えみずから行動する校区運営交付金」の使途について)
○橋爪房義君
 私が一番聞きたかったのが、ハード事業に向けていただきたいというのが私の質問の趣旨でございます。来年度でいきますと、平成18年度の当初予算の計上額では22,995千円ですね。それで、私のハード事業と申しますのは土木事業のことでございまして、地元からのちょっとした要望がかなり市の建設課の方には上がっていくことと思っておりますけれども、この約23,000千円の使い道ですね、これをすべて土木事業として使った場合、1,000千円程度の小規模工事、例えば、部分改修とか簡単な舗装とか、そういうことを考えれば、23カ所はできるわけですね。全部使ったわけでございますけれども。それで、地域の要望によっては、ハード事業にもこの範囲を回していただきたいというのが私の質問でございますが、いかがでしょうか。

○野田国義君
 このことにつきましては、ほかの議員からもそういう要望があったかと思います。そのときにもお答えしたかと思いますけれども、このいきいき町内会運営交付金の使い道については、基本的にはいわゆるソフト、これからコミュニティー力を高めていかなくちゃいけないということを、非常にこれは大切なことであります、21世紀の中でですね。そういう意味で、このたがをどんどん広げていくと、今おっしゃっているような形で、結局は土木事業で全部消えてしもうたというようなことになりかねませんので、市といたしましても、基本的にはソフト事業と。しかし、そこの緩やかなところでは、知恵を出してやっていただいている町内もあるようでございますので、そのあたりのところはぜひともお酌み取りいただきたいなと考えるところでございます。

○橋爪房義君
 それはもう、いきいき町内会運営交付金というのは、地元の活性化、浮揚のために使うような趣旨になっております。そういうことで使われているということが多いのでございますけれども、建設課に要望しても、なかなか予算が回ってこないというような場合、ちょっとすれば地元全体の住民から喜ばれるというような場合があるわけですね。それを何年も放置していくということになれば、非常に市に対しての不信感とか、それが高まってきまして、自分たちのやりたいこと、ハード事業でもすぐできれば、これこそすぐやるかということで、市のイメージアップは大きなものと思っておるわけです。そのあたりの地元からの要望の内容をもう少し検討いただいて、これはよかろうとか、そういうところを進めてもらいたいと思っております。
 私がこう申しますのも、県南5市では、平成17年度では1人当たりの土木費が33,550円ということで最低でございます。これは以前から、ある議員も言っておられましたけれども。何となく、平穏過ぎる市であるというような判断でありますので、地域を自分たちの手でつくる、建設するためには、こういうふうな自分たちの力で舗装したり道路をつくったりというようなこともできればいいなということで質問したわけでございます。よろしく御検討お願いしたいと思います。

確かに元市議でもあられますが、たぶん、もと同業者とも記憶しています。当時は、ケチをつけるようで書ききらんじゃったけど。書くわ。

わたしがこの名文のなかでいちばん問題だとおもう点。
は、ここです、ここですたい。
>事業費は新聞等で約43億円と報道されましたが、県の過疎代行事業の為、地元の町負担金は0円でした。

なんかねえ。あーた、もと職員でっしょもん。と言いたい。
県民が、あるいは国民が口にしているのは地元負担金がどれだけだったかっちゅうこつじゃなかでしょが。と。一番の着眼点は費用対効果でっしょもん?と。

おお、まってましたっ!せーこ節。ヒューヒュー!

ちげえねえ。だけどもさ。この文章ってな、八女のもんしか見らんちおもわしゃったっちゃないと。だってね、シギのお役目の第一が、身近な人たちの道普請依頼をただしくお上に伝え、それをすみやかに実行させる。というものでしょう。(あーごめん。これはあくまでかささぎ仕様の鴫。)その延長で考えてみると、地元に一円も支払わせず、43億円もの橋をかけさせた、これってすごくない。ってことじゃないのかな。・・とかささぎはよんだよ。ぶっちゃけ。にか~
・・
いや、おちゃらけないでまじめな話、最初はそう感じた。
つぎに思ったのは、たまたま同姓の元官僚引用の議事録をみて、やはり相当地元(の業者)からコンクリートの事業依頼がきていたんだなあ。ということです。かささぎの以前の職場でも地元の有力な政治家を擁していたし、なにかにつけ応援していた。立会演説といえばどんなに忙しくても人を数人出すなど無報酬で協力したりね。その見返りに仕事をもらうのよ。生活かかっている、どっちも。これ、もちつもたれつだけど、許される範囲内。義理と人情の世界。

あたしゃ、これを読んで、いまはまだぱっとさえないし、なんのための橋なんだ!としか思えない橋だけど、ゆくゆくはずうっと先へ展開する大事業の途中なんじゃないかな。と明るく考えられたんですけどねえ。ま、たしかにせーこはんご指摘のところには眉ぴくりしましたが。書いた人もわざとそう書いていなさるようにもおもえます、さる政治家の方をむいて。

いまごろになって、やっと古賀議員の仕事の立派さがみえてきました。
新幹線をどうしても自分の生まれ故郷にもってきたいと思われたそのお方は、中央の政治現場で頑張られてそのようにできる手はずを整えられました。地元の調整がいりますが、駅がある地や新幹線が通る地ではあまり問題はありません。たくさんお金をださなければいけないとしてもです。が、電車も高速もない奥八女は取り残される。ここらは古賀氏の大票田なのです。で、上陽を通って久留米から熊本へのバイパスを・・となったのじゃないでしょうか。え。時間の順序が逆ですか。すみません。
かささぎは前から申しておりますが、この政治家の戦争遺児となって育たれた生涯に妙に興味があります。政治家としての評価は後世のかたがたがなさるでしょう。蛇足ながら、似たような意味で、はとやま御兄弟の弟さんにもとても興味があります。人間として、という意味でございます。

ここ、よまれてました。

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