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2009年11月 9日 (月)

『九州俳句』共鳴抄  野間口千賀・選

暇なのでひまはり奈落へと運ぶ     秦 夕美
さみだれの国に生まれて晴れ男     福本弘明
葉桜に健忘症の巣があるぞ      
  星永文夫
言の葉の羽化つぎつぎと青葉闇     堀川かずこ
花の雨ガス管に家つながれて       前川弘明
大たけのこ抱いて夕日の山下る      宮部鱒太
気紛れも短気もおりしはたた神       夢野はる香
夕暮れをふくらませている守宮の眸    足立 攝
星雲の初めと思う蝌蚪の紐         池田守一
赤いちゃんちゃんこ地球最期の日と思う  宇田蓋男
夏立ちぬ水は未来へ落ちてゆく      木村直子
羽抜鶏はげしく鳴いて西へ行く      佐藤恵美子
鬼灯を吹いてもう拗ねてない        寺尾敏子
手を打って海の底まで星降らす      藤後むつ子
徒食して日光黄管のなかに佇つ     野田遊三

野間口千賀

 この世は旅に例えられるが、詩や現代俳句に携わる者はまた、別の意味でもめまぐるしく旅を重ねている。常に。
 わが中への異界への旅、それは短く、影濃く頻繁に訪れる。
 そこには別のわれが居る。日常の飯も水も酒も、虫も犬も、貌色を変え、翔び、動き、且つうごかない。
 視力、嗅覚、聴覚するどく、いや時として、視えず、匂わず、聴えず、朦朧のわれであることを佳しともする。
 さまざまな作者のさまざまな日常、非日常を想いながら、自由に選ばせて頂きました。
 短詩型という短剣を以て、つるぎの舞いを舞わして頂くことの幸いを思います。

 いささか遅くなりましたが、桜島に於ける第五十回九州俳句大会には多数お越し下さり、どうもありがとうございました。桜島はあの後、淋しがって噴火を繰り返しております。  

『九州俳句』156号、平成21年11月15日発行
編集発行:福本弘明
発行所:九州俳句作家協会
印刷所:山福印刷


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